体毛の処理をするかどうかは、個人の好みの問題。体毛のあるボディに自分らしさや心地よさを感じる人もいれば、“ムダ毛”と捉えてケアをしたい人もいるはず。また、処理方法を一つとっても、医療レーザー脱毛やエステ脱毛、セルフケアなど様々。

本記事では、その中でも「医療レーザー脱毛」について専門家が詳しく解説! 医療脱毛を受けるメリットだけでなく、痛みや副作用、そしてクリニックに行く前にしておくべき下準備などをお届けします。

INDEX

  1. 痛みの感じ方は部位や個人差がある
  2. 医療レーザー脱毛は時間がかかるもの
  3. 施術を受ける部位の毛を剃っておく
  4. 医療レーザー脱毛の施術後にジムに行くのはNG
  5. 施術後は紫外線や日焼けに注意!
  6. 医療レーザーによって毛の成長が促進される場合も
  7. スキンケアを変える必要があることも
  8. 毛の処理だけではない医療レーザー脱毛のメリット
  9. 医療レーザー脱毛は肌の色に関わらず施術できる
  10. 追加の施術が必要になることも

痛みの感じ方は部位や個人差がある

イギリスのスキンクリニック「sk:n clinic」のグループ・メディカル・ディレクターを務めるダロン・セウケランさんは、レーザー脱毛のメカニズムについてこう説明。

「毛の色素に反応するレーザー光を当てることで毛包や毛球を損傷させ、脱毛ができるという仕組みです」

医療脱毛と聞くと痛みを伴うイメージがあるかもしれません。ただ痛みの感じ方には個人差があるうえ、部位によっても違うもの。皮膚が薄い部分(顔であれば鼻や顎など)は、より痛みを感じやすいのだとか。

痛みを感じやすい人は、レーザーの照射時に冷却した空気を吹きつけるような仕組みのある脱毛器を使うことで緩和されることも。また、体温が上がっているときは痛みを感じやすいとも言われているので、クリニックに行く前に体温が上がるようなことはしないのが賢明。

時間がかかるものと心すべし

最初の脱毛処理を受けてから2~3週間ほど経たないと効果は見られないうえ、(脱毛器にもよるものの)永久脱毛には8~12回施術を受ける必要があります。また、毛包の発育段階にはバラつきがあるため、すべてに確実に施術が行き届くまでは、ある程度の期間は施術を受け続けなければならないそう。

医療脱毛を手がけるパース・ライト・クリニックのシニアコンサルタントであるルーシー・ドーさんも、単発ではなく数回にわたる施術を推奨。

「レーザーで照射できるのは成長期の毛です。たしかに一度目の施術後でも、一部の毛が細くなったり目立たなくなったりするように感じられるでしょうが、より望ましい結果を得るためには数回にわたる施術を受ける必要があります」
woman's legs in sports shoes over yellow wall during sunny day
Westend61//Getty Images

施術を受ける部位の毛を剃っておく

事前に毛を剃っておかないと、レーザーの光が肌表面の毛に反応して炎症が起きたり、時には毛が焦げる嫌な臭いが発生したりしてしまうこともあるのだとか。医療脱毛の最大の効果が得られるようにするためにも、毎回施術の前にきちんと準備をすることが大切。

脱色やワックス脱毛をしてしまうと、施術に影響が出ることもあるので注意を。ちなみに「何度も剃る=毛が太く濃くなる」というのは迷信なのだそう。

クリニックに行く前にするべきこと

  • 施術を受ける部位を、施術から24時間前までにきれいに剃る。電気カミソリは剃った後も毛が長いまま残ってしまうことが多いため避けるように
  • 脱毛施術を受ける前、あるいは受けている期間中は、ピンセットやワックスなどを使って施術を受ける部位の毛を抜かないようにすること
  • 施術を受ける部位にはメイク、化粧水、デオドラント、そして日焼け止めを付けないこと。メイク落としが必要な場合は、施術が始まる前に施術者に必ず伝えて
  • 施術前4週間以内に該当部位が日に焼けてしまうと、施術を受けられないことも
  • 施術前3~4週間以内にセルフタンニング剤を使用しないこと。それ以前に使用していた場合は、施術を受ける部位の肌からきちんと落とすため、その周辺の角質までしっかりと取り除いておくべき

施術後にジムに行くのはNG

施術後24時間は肌にレーザーの熱が残っているので、ジムやサウナ、熱いシャワーなどは避けること。熱がこもり、細菌が繁殖してニキビや吹き出物ができてしまうリスクがあるのだとか。

紫外線や日焼けに注意!

施術後は肌が敏感になっているため、可能な限り日光に当たらないようにする必要があるそう。また、日焼けをしている場合に、部位や脱毛器によっては施術が不可になることもあるので、不安な場合にクリニックに確認を。

low section of woman standing in swimming pool
Ingrid Nagy / EyeEm//Getty Images

毛の成長が促進される場合も

体質によっては、施術後に毛が太くなったり長くなったりする現象が見られることも。心配であれば、クリニックの医師にどのようなリスクがあるのかなど詳しく聞くようにして。

スキンケアを変える必要があることも

スクラブやグリコール酸またはレチノールが入ったスキンケア製品は、施術前後2日間は使用を控えるべきだとされています。乾燥する場合には、フェイスミストを使ったり、保湿剤をプラスするのがおすすめ。

また、施術の前後2週間のケミカルピーリングはNG。セルフタンニング剤の使用も、施術1~2週間は控えた方がいいそう。

毛の処理だけではないメリット

sk:n clinicのメディカル・スタンダード・チーム長を務めるリサ・メイソンさんによれば、「埋没毛」に対する改善効果も医療レーザー脱毛にはあるそう。

「レーザーを照射することで、生えてくる毛が真っ直ぐに成長しやすくなるため、埋没毛が減るという人も少なくありません」

肌の色に関わらず施術可

ルーシーさんによれば、「レーザー脱毛器の仕様上、肌のトーンが暗い場合には施術を受けられなかった時代もあった」とのこと。

「基本的にレーザー脱毛は、毛の色素に反応させる仕様です。そのため、以前の脱毛器では、肌のトーンが暗い場合に毛の色素ではなく肌の色素に反応し、火傷を負うリスクがあったんです」

現在では技術が進化し、肌のトーンに関わらず施術が可能になってきているそう。

追加の施術が必要になることも

ルーシーさんによれば、医療レーザー脱毛を受けた大半の人は“ほぼ永久脱毛”が可能になるとされているものの、例外もあるとのこと。なかには、ホルモンの変化によって、再び発毛することも。

「毛の成長具合や個々の事情に合わせて、一通りの施術が終わった後に年2回〜4回程度の追加施術をおすすめすることもあります。その場合は、長いスパンでスケジュールを組むことになるでしょう」

医療レーザー脱毛の基礎知識は以上。ただし、もちろん人によって効果の感じられ方も副作用の有無も異なります。事前のリサーチはや、不安なことがあればクリニックの医師に相談することが大切です。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 平田美桜(Office Miyazaki Inc.)

COSMOPOLITAN UK