今SNSの美容マニア達の間で話題の「ハイポニキウム」というワードを聞いたことはありますか? これが育てば自然と爪をキレイな縦長に伸ばすことができると、「#育爪」のハッシュタグでハイポニキウム育成記録をSNSで投稿する人が最近増えているんです。

そこで今回は、「健康で美しい爪のために」をコンセプトにしたネイルサロン、「ロングルアージュ 広尾」店長の浅野晴香さんに、ハイポニキウムを育成するメリットから、日常で注意することやおすすめのケア方法まで教えてもらいました!

【INDEX】


ハイポニキウムとは

手を裏返すと見える、爪と指先の皮膚の間をつなぐ不透明〜白っぽい薄皮が「ハイポニキウム(爪下皮<そうかひ>)」。

爪は角質が硬化した皮膚の付属器官。神経や血管が通っていないので、切っても痛みがありませんし血も出ません。けれど、ハイポニキウムは神経が通っているため、爪を削ったり切ったりするときに間違って傷つけてしまうと痛みを感じます。

ハイポニキウムを伸ばすメリット

  • 爪に汚れが入らず衛生的!
  • 指先がスラリと長く見える

ハイポニキウムが指先よりも上まで伸びている状態では、爪と皮膚の間に汚れや菌が入りにくくなります。

また、ハイポニキウムが伸びることで爪の土台となるピンク色の部分(ネイルベッド)が伸びてくるので、自然と爪の見た目がキレイな縦長になり指先がスラリと長く見えるというメリットがあります。

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PhotoAlto/Alix Minde//Getty Images

ハイポニキウムを伸ばすときに気をつけること

ハイポニキウムを育てるための3つのルール

  1. 爪を短くしすぎない
  2. 爪を道具のように扱わない
  3. 爪に衝撃や傷を与えない

普段の生活を振り返ってみると、意外と色んな場面で爪先を使っていた…という人も多いかも。

以下のリストは、ハイポニキウムと爪に傷つけてしまう行動を挙げたもの。どれも無意識にやってしまいそうなものばかり! チェックしてこれからは指先を丁寧に扱うように心がけてみて。爪のケアもでき、自然と所作が美しく見えるので一石二鳥です。

ハイポニキウムを育てるために避けたい行動をチェック

  • 爪を削りすぎない/深爪にしない

伸びた爪先の皮膚の白い部分を全て切り落とすと、ハイポニキウムが新たに育つ余地がなくなってしまい、傷つけて痛みを感じることも。爪を必要以上に短くして深爪にしないように注意が必要。

  • シャンプーする際に指の先を使わない

多くの人が日常的にやっていることですが、爪には大きな負担をかけています。

洗髪時は、爪の代わりにスカルプブラシなどシャンプー用のブラシを使うことが重要。また、タオルドライも爪を立てず、手をグーにするなど工夫しながら水分を取るのがおすすめ。

  • 缶の蓋(プルタブ)を開けるとき爪を使わない

いつも缶を開けるとき、爪を使ってプルタブを立てていませんか? これも爪に負担をかけてしまう行為。指の腹やスプーンなどを使うようにしましょう。

  • 爪の中の汚れをかき出さない

特に爪楊枝でのかき出しは絶対NG! ハイポニキウムを刺激するどころか、傷つけて後退させています。汚れが入ってしまったときは石鹸などで洗って落とすようにしてみて。

  • 爪切りを使わない

爪の長さを整えるときは爪やすりが◎。なかでも、ガラスや金属といった硬い素材ではなく紙製のものを使用するのがポイント。爪切りを使うと、本来カーブしている爪が無理やり真っ直ぐの状態になるので負担がかかり、割れたり欠けたりしてしまう恐れがあるほか、二枚爪になる原因にも。

 
Michael H//Getty Images
  • スマホやPCの操作も要注意!

スマホやPCのキーボードを使うとき、爪が当たってカチカチ音が鳴っていませんか? できるだけ指の腹で操作することを心がけて、爪への負担を最小限に。PCのキーボードにはシリコンカバーなどを使用するのもいいですね。

  • ペットボトルのラベル、ガムテープなど何かを剥がすときは基本カッター

つい爪で剥がしてしまいがちなこの二つ。しっかりとくっついているラベル類を剥がすときも、爪が傷みがち。必ずカッターやはさみを使って爪に必要以上の負担をかけないように剥がすことが重要。

  • 財布からカードを取り出すとき、爪でつままない

カードは爪で挟まず指の腹で滑らせて取り出しましょう。

  • 肌がかゆいときに爪でかかない

爪で身体をかくことも剥離を起こす一つの原因。かゆみを感じたら、なるべくかかずに保湿を!

  • ネイルブラシで強くゴシゴシしない

意外な盲点かもしれませんが、重要なポイント。ネイルブラシの毛は結構硬め。ゴシゴシしすぎるとハイポニキウムを傷つける可能性が高いので必要以上の使用は控えて。

冬は特にタイツを履くときや、服の袖を調整するときなども爪に負担をかけていることが多い季節。一度、爪先を意識して一日過ごしてみてどのタイミングで爪を使っているか把握してみるといいかもしれません。

「ハイポニキウム」の伸ばし方

ハイポニキウムは爪が伸びることで成長します。健康的に爪を伸ばすためにしっかり保湿しましょう。

ハイポニキウムをケアするときは、爪の表面だけでなく爪と指先の間部分にも美容液やオイルなどで栄養をたっぷり与えるのがポイント。手を洗ったり、消毒やネイルオフでアルコールや除光液を使ったりした後も都度、保湿を心がけてください。オイルや美容液がベターですが、ハンドクリームでも構わないので保湿は必ず行いましょう。

また、爪はケラチンというタンパク質で作られているので、良質なタンパク質を摂るのも◎。食生活も含め、規則正しい生活を送ることは爪の健康にも重要です。爪が折れにくくなり、ハイポニキウムもよく育ちます。

ちなみに、ネットで「ハイポニキウムの角質化」と呼ばれる現象に対してのケア方法が紹介されていますが、病気の可能性もあるので気がついたときはクリニックに受診を。

健康な爪の伸ばし方

健康な爪というと「素」が一番のように感じますが、実は何も塗っていない状態は爪の水分が蒸発しやすく、乾燥して割れてしまう原因に。そのため、普段からベースコートやマニキュアを塗って爪の水分蒸発を防ぐために保護することを推奨しています。

また、甘皮やルーズスキン(甘皮の部分から爪の表面に張り付いている極薄の皮)のケアもおすすめ。ルーズスキンがなくなり甘皮が起き上がることで、栄養素が新しい爪を作る根元(爪母)に届きやすくなり、硬く柔軟性のある爪が生えてくるよう促進できるんです。

 
CSA Images//Getty Images

縦長で大人っぽい指先を目指すなら、基本的な爪をケアしながらハイポニキウムを育てることが唯一の道!

日常の色んな場面で、無意識のうちによく使ってしまっている爪。労わりながら大切に育ててみてください。

今回お話を伺ったのは…

ロングルアージュ 広尾・店長、マニキュアリスト
浅野晴香さん

 
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「健康で美しい爪のために」がコンセプトの、東條汀留さん主宰のネイルサロン。爪に誠実に向き合う姿勢と独自のケアスタイルで人気。

ロングルアージュ 広尾

Tel. 03-3440-5433