今、世界では「セックス・トラフィック」と呼ばれる性的人身売買が横行して問題視されており、昨年にはアラスカ航空のCAが、この犯罪に巻き込まれた少女を救ったというニュースが。

そして今回また新たに、ある航空会社の女性スタッフが、少女2人を危険から救ったとして賞嘆を浴びているそう。コスモポリタン イギリス版によると、その女性の名前は、アメリカン航空に勤めるデニース・ミラクルさん。

マイアミ・ヘラルド>の報道によれば、昨年彼女がカリフォルニア州のサクラメント国際空港でチェックインカウンター勤務についていたとき、15歳と17歳の2人の少女がカウンターへやって来たそう。しかし少女たちは身分証明書を持っておらず、同伴者も見当たらず、ニューヨーク行きのファーストクラスの片道チケットを手にしていたことから、「何かがおかしい」と感じたデニースさんは、少女たちの搭乗を拒否することを決意。

「彼女たちは小さな荷物をいくつも抱えていて、私が思うに、まるで家出してきたかのような感じでした。常にお互いにチラチラと目を合わせて、怯えているような、不安そうな表情をしていました。私の中で、"これは何かがおかしい"という直感が働いたんです」と、航空会社の公式発表の中で述べたデニースさん。

さらなる調べによって、少女たちが手にしていた航空券が、第3者によるクレジットカード不正利用で予約されたことを突き止めた彼女は、すぐさまロサンゼルス郡保安局に連絡。

人身売買から少女を救った空港スタッフ
Getty Images

駆け付けた保安局のトッド・サンダーソン保安官代理が少女たちへの調査を行ったところ、"ドレイ"という名の男の存在が浮上。少女たちはドレイとインスタグラム上で出会い、彼は彼女たちに「週末ニューヨークに来てミュージックビデオへの出演に協力してくれたら、1人に2,000ドル(約21万円)ずつ支払うよ」と言ってきたのだとか。

帰路の飛行機チケットも用意するというドレイの提案に安心感をおぼえ、この話に飛びついてしまったという少女たち。しかし実際には、帰路のチケットは予約されておらず、さらに少女たちは、行先を家族には伝えないようにとも言われていたそう。これらの状況を鑑みて保安局が出した結論は、「ドレイは人身売買目的で彼女たちを呼び寄せようとしたのだろう」というもの。

「チケットに復路の分が含まれていないことを告げたとき、少女たちは落胆した様子で、ようやく私たちの言っていることが本当なのだと分かったようでした」と、サンダーソン保安官代理。

さらに厄介なのは、当局がその後ドレイとのコンタクトを試みるも、少女たちから「飛行機に搭乗できなかった」という連絡を受けた直後、彼の携帯は繋がらなくなり、インスタアカウントも削除されてしまったこと。その身元は未だつかめておらず、どこかで別の女の子が被害に遭う可能性があるという懸念も残っているそう。

デニースさんの直感によって難を逃れた2人の少女たちは、両親と合流し、無事に帰宅。サンダーソン保安官代理は最後にこのように述べています。

「デニースの存在なしには、こうして連絡を受けることも、少女たちを止めることもできなかったでしょう」

ネットの普及によって便利さが増した代わりに、あらゆる危険にさらされる可能性も増えている今の世の中。何かがおかしいと察知したとき、デニースさんのように注意を向け、行動に移すための心の準備をしておきたいですね。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:伊藤 由佳里

COSMOPOLITAN UK