ファッションアイテムだけでなく、インテリア雑貨やコスメなどが低価格で手に入ると人気の「SHEIN(シーイン)」。環境問題劣悪な労働環境問題などが報じられているものの、同ファストファッションブランドの買い物客は、「平均的な消費者よりも環境意識が高い」ということが米調査で明らかに。

環境や労働面で問題視されているものの…

膨大な数の商品を抱えているのはもちろんのこと、トレンドアイテムを素早く大量に製造し、激安価格で販売する「SHEIN」。Z世代を中心とする若者から支持されているものの、短いトレンドのために安価なアイテムを大量生産するファストファッションのビジネスモデルは、 環境や労働の面でも度々問題視されている。

cemetery for used clothes in the atacama desert
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古着やアップサイクルなど、ファッションを持続可能なものにするために環境に配慮した選択をする人も目にするようになった昨今。<Reuters>が報じたところによると、SHEINの2022年の世界売上高は約230億ドル(約3兆3,338億円)で、ZARAやH&Mを上回ったという。環境や労働面での指摘はある一方で、世界中から人気を得ていることは明らかだ。

「環境に配慮している」という買い物客も

The New Consumer>と<Coefficient Capital>が、3,000人以上のアメリカの消費者を対象に行った調査によると、SHEINの買い物客は「平均的な消費者よりも環境に配慮している」という意識をもっているという。

SHEINの買い物客の52%が「環境への配慮は自分自身のアイデンティティの大きな部分を占めると考えている」と回答(全体は47%)。また67%の買い物客が、環境に配慮した持続可能な商品に対して、より高い金額を支払っても良いと答えているとのこと(全体は53%)。

さらに、環境に与える影響を考慮する頻度については「常に」「ほとんど」と回答した人が44%おり(全体は32%)、環境に配慮した生き方をする責任が個人にあると思うか、という質問には75%の人が「はい」と答えている(全体は74%)。

shein opens its first physical store in madrid
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INSIDER>はこの状況について、このように綴っている。

「この二面性は、消費者がより複雑になっていることを意味している可能性がある。多くの買い物客は、より持続可能であることを望む一方で、安いものをたくさん買うことも好んでいる」

環境や労働面に対し問題視されてきたSHEINだが、2023年4月にはサードパーティである製造業者と労働者のために、5年間で7,000万ドル(約101億5,200万円)を投資することを発表。さらに6月には、リサイクルポリエステルなど二酸化炭素の排出量の少ない素材を使用したコレクション「evoluSHEIN by Design」をリリースしている。