有給休暇を取得できると言われても、なかなか休めていない人も多いはず。アメリカとイギリスの正社員を対象に行われた調査では、従業員の約8人に1人が大幅な給与アップよりも、有給休暇の日数増加を希望しているということが明らかに。

有給休暇は取得できている?

CalendarLabs>は、アメリカとイギリスに住む正社員(計812人)が「有給休暇(PTO)」についてどのように考えているかを調査。職場に対して最も満足している従業員は、昨年平均15日の休暇を取得していたことが明らかとなった。

一方日本では、厚生労働省が発表した『令和4年就労条件総合調査の概況』によると、令和3年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数を見ると、労働者1人あたりの平均は 17.6 日、このうち労働者が取得した日数は 10.3 日。取得率は58.3%となっている。

休暇取得に“罪悪感”を感じることも

有給休暇は、企業で働く従業員全員に対し平等に与えられたものであるにもかかわらず、取得する際には罪悪感を感じたり、休暇を取ることで同僚に対してだけでなく、自分自身の仕事の負担が増えてしまい、有給をあまり取得できていない人もいるはず。

実際<CalendarLabs>の調査では5人に4人近く(78%)が、休暇を取る際に罪悪感を抱いていたことが明らかに。その罪悪感を少しでも和らげるためにも、66%が同僚に引き継ぐ業務量を減らすために休暇前に時間外労働を行っており、69%は休暇中に届いた通知に返信していることも判明した。

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katleho Seisa//Getty Images

また同調査によると、従業員の約8人に1人が、1万ドル(約142万円)の大幅な給与アップよりも、有給休暇の日数増加を希望しているという。さらに65%の人が、休暇中の同僚の仕事を引き継ぐ場合は、追加報酬を受け取るべきだと回答しているとのこと。

米Z世代の有給休暇に対する考え

LinkedIn>がアメリカの9,461人を対象に行った2023年の調査によると、Z世代は“常に仕事とつながっていなければならない”というプレッシャーを感じていることが明らかに。

さらにZ世代の約35%が、休暇中に仕事をしないことに罪悪感を感じると回答。ミレニアル世代(30%)とX世代※1(32%)も罪悪感を感じると回答している人はいるものの、Z世代に比べるとやや少ないとのこと。ベビーブーマー世代※2ではそれが22%で、ほとんど心配することはないと回答したそう。

※1… 1965年~1980年の間に生まれ世代
※2…1946年〜1964年の間に生まれた世代

young woman is holding her phone and texting while waiting in the doctor's office
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心身の健康のために、定期的に休暇を取得したいもの。仕事から完全に離れ、誰もが気持ち良く休暇を楽しめるよう、雇用側もさまざまな取り組みに努める必要があるはず。