アメリカ・ペンシルバニア大学に所属する22歳のスイマー、リア・トーマス選手。彼女はトランスジェンダー女性であることを公表しており、先日行われた大会で同校の女子記録を打ち破ったことで注目されている。

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11月20日(現地時間)に行われた大会で、リア選手は女子200メートル自由形で1分43秒47、500メートル自由形で4分35秒06のタイムを記録し、ペンシルバニア大学の新記録を樹立。

また、12月4・5日(現地時間)に行われた「2021 Zippy Invitational」では、200メートル自由形で1分41秒93、500メートル自由形で4分34秒06とともに記録を伸ばし優勝した。

2019年11月まで、男子の部門に出場していたリア選手。NCAA(全米大学体育協会)のルールでは、女性として出場する資格を得るために、少なくとも1年間のテストステロン抑制治療が義務付けられているという。

今年行われた東京五輪をはじめ、トランスジェンダーのアスリートに対して様々な議論がされている昨今。リア選手は、今年6月に『Penn Today』で自身の競技人生についてこのようにコメント。

「5歳の頃からやっている水泳は、私の人生と私自身の大きな部分を占めています。トランスジェンダーであることをカミングアウトし、水泳を続けていく過程には、不安や未知の部分がたくさんありました。自分がトランスジェンダーであると気づいたとき、『自分は泳ぎ続けられる?』とも思いました」

「トランスジェンダーであるということが、能力に影響を与えずに続けられているのはとてもやりがいのあることです」
texas legislature returns for third special session
Tamir Kalifa//Getty Images

保守州を中心に「トランスジェンダー女性が学校や大学での女子スポーツ参加を禁止」する法案が可決されたり、議論されたりしているアメリカ。

賛否両論あるなか、今年の6月には、司法省がアーカンソー州とウェストバージニア州で、「トランスジェンダー女性が自認する性別でスポーツに参加することを禁じる法律は違憲である」と声明を発表

司法省は、ウェストバージニア州の裁判所に提出した書類の中で、「アメリカ合衆国は、トランスジェンダーの学生を含むすべての学生が、差別のない教育環境に参加できる場への実現に大きな関心を持っている」と述べている

様々な声があがっているジェンダーとスポーツの関係性。今後の動きにも注目したい。