自分を変えたい、高めたいと思い立ったその時こそが、自分自身を変えるチャンス。人として成長したいと考えているあなたへ、「より良い自分」になるための15のステップを紹介。

一見すると、どれもちょっとしたことだけれど、意識して続ければ日々の気分が上向きになり、大きな変化をもたらすことも。まずは、最初の一歩を踏み出してみて!

【INDEX】


1「今」を生きる

私たちは未来のことを不安に思ったり、過去の経験にとらわれて、現在の行動を決めてしまいがち。でも大切なのは今日、今この瞬間に起きていることではないでしょうか。

臨床心理学士でイェシーバー大学教授のサブリナ・ロマノフ心理学博士は、今を生きることの重要性を次のように語っています。

「より良い人になるとは、目的のある生活をすること。それにはもっと、今を生きることが大切です。具体的には、過去や未来に気を取られて比べたり予測したりするのではなく、今あるもの、今この瞬間の状況や自分に感謝することです」

2内省する時間を作る

私たちはみんな未完成。それぞれに成長し、改善できる面があります。完璧な人はいないし、より良い人間になろうとする道のりにはそれ相当な品格も必要。ちょっと時間をとって、自分がどんなふうに成長したいのかをじっくり考えてみしょう。

「そもそも“成長”というからには、まず自分がうまくいっていない面を突き止めるが必要です。そしてどんな小さなことでもいいから変えていき、改善を目指すのです。その一方で、他人にも自分にもやさしくしてしてあげましょう」

3.成長型マインドセットを

たとえば料理がうまくなりたいと思ったら、夕食を手作りする回数を増やしたり、好きなレシピを完璧に再現するために、上達するよう努力するもの。マラソンを完走したいなら、走りを向上させるためにトレーニング計画を立てるでしょう。

「人として成長するためにすべきことも変わらない」と話すのは、ニューヨーク大学・スターン経営学部教授のドリー・チュー博士

「より良い人間になるために必要なのは、固定型マインドセットの反対にあたる“成長型マインドセット”です」

マインドセットとはその人の基本の考え方で、固定型は「自分はずっとこのままで、向上しないだろう」と考えること。これに対して成長型は、何かについてより良くなるために意識的に努力することができます。

「研究によると、成長を信じている人はもしミスしてしまったとしても、次にどうすればもっと良くできるかを考える傾向があります。そうすることで努力が長続きし、さらに多くのことを学ぶことができるのです」

4.心の中を探る

チュー博士によれば、包括的(違いのある様々な要素を大きくひっくるめて捉えること)な人は、様々な人々とうまくつき合うことができ、自分と違う人を歓迎できるとのこと。ただし、オープンなマインドというのは、勝手に沸き起こるものではありません。

「ここ50年にわたる数千もの研究を見ると、精神の働きの多くは自分が意識していないところで起きることがわかります。つまり、意図しないのに性で区別したりセクシュアルマイノリティを嫌ったり、年齢や人種、身障者を差別する考えが、無意識な先入観を生んでしまうというわけです」

「自分はそんなことない!」と否定したくなる気持ちもわかるけれど、ちょっと一歩引いて自分のとっさの判断や思い、行動について正直になってみましょう。

「まずは、自分が成長できる、より良くなれるということを受け入れるところからです」と、博士は言います。

5.ただそこにいる時間を作る

最近、テレビを見てリラックスするだけでは、気がすまなくなっていませんか? 片手でスマホをいじってSNSをチェックしたり、悲惨なニュースをだらだら読み続けずにはいられないなど。ここは思い切って、それらを断ち切る努力をしてみましょう。

「現代を生きる私たちは常にスマホで情報を処理し、音楽を聴き、スクリーンを見つめ、通知を受けとっている状態。そんな中、自分だけになる時間を作ることはとても効果的なセルフケアです」と、ロマノフ博士。

スマホは手の届かないところに置いて(通知もオフにして)、頭を少し休ませましょう。そして、じっくりいろんなことを考えてみます。こうして頭がすっきりすれば、もっとクリアな頭脳でこの世界に対処することができるはず。

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6.日記を書

ロマノフ博士のおすすめは、寝る前に10分間だけ日記をつけることだそう。

「自分の言動を考えてみましょう。今日の自分の行いは、誇れるものでしたか? どうすればもっと良くできたでしょうか?」
「日記が自分自身を責めるだけのツールになってしまう危険もあるのですが、今の正直な気持ちを書いてみましょう。自分にそんなに厳しくしなくてもいいんですよ。書くことで自分の考えを客観化し、まとめることができるはずです」

気持ちを紙に書き出せば、自分の考えは自分自身とイコールではないと気づくことにもなるでしょう。そう考えるのも自分、でもその考えが流れていくのを眺めてみて。考えが自分を決めるものではないのです。

7.幅広い人々の声を聞く

「Instagram、Netflix、など、最近閲覧した10のコンテンツを振り返ってみましょう」とチュー博士。

そこに登場した人々は、あなたの意見やアイデンティティと似通っていませんでしたか? これから出会う10のコンテンツでは、新たな視点を吸収できるよう心がけてみましょう。幅広い意見や視点に触れることでこれまで以上に他人を理解し、より深くつながる後押しとなるはず。

8.「あと10%ルール」を試す

不快な会話にはどうしたって不快な気分にさせられるものだけれど、侮辱的な発言や偏見にはときには立ち向かうことも必要。

「不快感を消そうとしなくてもいいのです。不快感を抱くと、そこから逃げたり目を反らしたりしたくなるもの。けれど、不快感があと10%増したとしたら? その気持ちは行動となり、不快感を内に抱えたまま、逃げたり圧倒されたりしない道を見つけようとできるはずです」

9.ちょっとした場面で人に親切にする

次の人のためにドアを押さえたり、他人に敬意を示したり、友人にコーヒーを差し入れたりすることには大きな効果があるそう。

「こうした行動はより良い関係を築き、周囲の人々の助けとなるだけでなく、あなたの目的意識や人々との連帯感を向上させるものなんです」と、ロマノフ博士。善行に“小さすぎる”ことはないはず。

10.視点を変えて物事を見る

単に憂鬱だからといって、アイコンタクトを避けたり愚痴をこぼしたりしていませんか? でも本当は相手に非はなく、自分自身の気持ちの問題だとわかっているはず。そんなときには、周囲にアプローチする方法を変えてみるのがいいそう。

「視点を変えて、今この瞬間に感謝することが大切です。たとえば、あるタスクを“しなければならない”ではなく“できる”と考えてみましょう。“今朝は犬と散歩に出かけることができる”と前向きに捉えてみてください。重い気分で1日を過ごす代わりに、すれ違う人に微笑みかけたり、オフィスで隣り合った人と会話が生まれるかもしれません」
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11.間違ったときには謝る

公式な“謝罪”でもっとも多いのが「気分を害したなら謝ります」というもの。けれど本来、こうした条件付きの謝罪は不誠実であり、相手の反応よりも自分の言動や行動への責任を持つべきです。

「私たちは謝るということになると、実際の過ち以上に大きな失敗をしたように感じます。『自分の非を認めたら終わり』だとつい思ってしまうのです。ですが研究によれば、ほとんどの場合、責任を否定するより謝罪した方が良い結果を生むと判っています」

初めは難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで心からの謝罪が自然に出てくるようになるはず。ときには間違いも必要なプロセス。そして心から謝れるようになることで、あなたがより良い人間に必要なグロースマインドセット(人は努力によって変われるという考え方)を備えている証にもなるとのこと。

12.日常的に友人と連絡を取る

日常生活のささいなことから、友人と疎遠になってしまったという人も多いはず。ですが、友情を保つことは人助けにもなる重要な要素です。

「アドバイスや助けが必要なときに限らず、定期的に友人に連絡してみましょう。あなたがその友人との関係を大切にし、人生における重要な友人だと思っている気持ちを伝えられます」

今すぐ友人にメッセージを送ってみましょう。相手もきっとよろこんでくれるはず。

13.周囲に還元する

慈善活動に参加する方法は、クラウドファンディングへの寄付、意義を感じられる場所でのボランティア活動(アニマルシェルターなど)、献血、避難所への差し入れなどとさまざま。

ロマノフ博士はさらに、道端のゴミを拾う、駅前花壇などのコミュニティガーデン造りに参加するなど、自然を通した地域社会への貢献をすすめています。

「身近な環境から世界をより良くする方法を見つけてみましょう。目に見える形で地域への貢献を示すことができるので、誇りや達成感が芽生えるでしょう」

14.話を聞くことに徹する

相手からアドバイスを求められたり、愚痴をこぼされたりしたときには、口を挟まず聞き役にまわりましょう。

「相手は助言を求めているはずと思うかもしれません。ですが、問題を解決しようとすることで逆に相手の感情を軽んじてしまうこともあるのです」と、ロマノフ博士。おそらく彼らが求めているのは相談相手。

「ときにはただ話を聞くことが一番の救いになります。自分に注目し、理解し、認めてくれる人がいると感じられるからです」

15.人を許す

謝罪が正しい行いであるのと同様、愛する人があなたを傷つけたときには、それを伝えることもまた正しい行いです。

「恨みや傷ついた心を一人で抱え込むには、人生はあまりに短いからです」と、ロマノフ博士。進んで自分の弱さに向き合うことは、人間関係を深めるすばらしい特性。そしてあなた自身の成長にも寄与します。

「思い切って問題について切り出し、事態を改善する機会を与えてみましょう。これは結果的に、相手にとってのあなたの価値を表すと同時に人間関係を反映し、長期的に関係を深めることにもつながるのです」

※この翻訳は、抄訳です。
Translation: Noriko Sasaki, Mari Watanabe(Office Miyazaki Inc.)
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