スヌーピーで知られる世界的な人気コミック『ピーナッツ』。同作品に初めて登場した黒人のキャラクターであるフランクリンを主役としたアニメ「スヌーピー プレゼンツ:おかえり、フランクリン」が、2月16日からApple TV+で配信に。

町に来たばかりのフランクリンが友達をつくろうと試行錯誤するストーリーで、ひょんなことからチャーリー・ブラウンと二人でレースに出ることが決まるというもの。フランクリンの生い立ちやチャーリーと友達になるまでが描かれ、スヌーピーも出演します。

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Welcome Home, Franklin — Official Trailer | Apple TV+
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一通の手紙から…フランクリンの誕生秘話

『ピーナッツ』に初めて登場した黒人のキャラクターである、フランクリン。その登場の背景には、とある女性の手紙がありました。

1968年4月4日、 人種差別撤廃のために活動をつづけたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが殺害されると、これに傷つき憤慨したハリエット・グリックマンさんが『ピーナッツ』の作者であるチャールズ・M・シュルツに手紙を贈ることに。ハリエットさんはロサンゼルス郊外で働く教師であり、3人の子どもを持つ母でもありました。

harriet glickman meets with children for the 50th anniversary of franklin in the peanuts
MediaNews Group/Long Beach Press-Telegram via Getty Images//Getty Images
2018年に撮影されたハリエットさん。この2年後の2020年3月に逝去しています。

ハリエットさんの手紙には、次のようにつづられていました。

「マーティン・ルーサー・キングの死後、自分にできることは何なのかと問い続けています。今の社会の状況が暗殺を招いて、さらにそれが誤解や恐怖、ヘイト、暴力へとつながるのです。これを変えなければなりません」
「道のりが長いことはわかっています。そしてオープンな友情、信頼、自由が受け入れられるようになるのは、次の世代になることでしょう」

チャールズ自身も黒人キャラクターを登場させたいという想いを伝えつつも、どのように描くべきか悩んでいると返信。ハリエットさんは黒人の友人たちと相談し、友人たちからも手紙を送ってもらうことに。

ハリエットさんと友人たちの想いが届き、1968年7月31日にフランクリンが初登場。ハリエットさんとチャールズ二人がやりとりをした手紙は、カリフォルニアにある「チャールズ・M・シュルツ博物館」に今も保存されています。

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「マーティン・ルーサー・キングが『私には夢がある』と言ったんだ。それがなければ私たちはこうして一緒に座ることはできなかったね」と話す一コマ。

実は、フランクリンにアームストロングという名字が与えられたのは1990年代のこと。チャールズの友人でもあるロブ・アームストロングという黒人の漫画家に由来しています。また最近では、黒人のクリエイターの育成などを目的とした「アームストロング・プロジェクト」も立ち上がっており、ここにもアームストロングの名前が使われています。

そんなロブ・アームストロングは、今回の新作アニメ「スヌーピー プレゼンツ:おかえり、フランクリン」にも携わっています。チャールズの息子であるクレイグ・シュルツは、フランクリンというキャラクターを実体験を通して描くべきだという想いから、ロブに依頼をしたといいます。

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