2004年にイギリスで放送開始され、今では世界中で愛されている子ども向けアニメ『ペッパピッグ』。子ブタの女の子・ペッパピッグとその家族、仲間の楽しい日常が描かれる人気シリーズに「LGBTQ+のキャラクター」が初めて登場して話題になっています。


9月6日(現地時間)にイギリスのテレビ局・Channel 5で放送されたエピソードに登場した、シロクマのペニー。彼女は家族の絵を描くと「自分には2人のママがいる」と主人公のペッパに説明しました。

「私はママともう1人のママと一緒に暮らしているんだ。1人のママはお医者さんで、もう1人のママはスパゲッティを作るんだよ」
これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

180以上の国や地域で放送され世界的な人気を誇る同シリーズ。しかし、従来のキャラクター設定が“父親は働き、母親は専業主婦”という伝統的な核家族像を前提にしていたため、「ジェンダーステレオタイプを再生産している」と批判が寄せられることもあったと言います。

そんななか「LGBTQ+のキャラクターを登場させてほしい」という視聴者の声を受けて登場したのが、今回のレズビアンカップルのシロクマファミリー。

2019年には同シリーズに同性カップルの両親を登場させることを求める嘆願書が作成され、これまでに2万3000人以上の署名が集まっています(2022年9月時点)。嘆願書には次のように綴られています。

「『ペッパピッグ』を観る子どもたちは多感な年頃で、(物語から)同性カップルの家族を排除すれば、ひとり親家庭あるいは異性同士の2人の親がいる家庭だけが“正常”であると教えることになります」
「つまり、同性同士の両親をもつ子どもたちが番組を観て疎外感を感じうる一方で、他の子どもたちが無知ゆえに彼らをいじめる可能性が高まるということです。『ペッパピッグ』は単なる娯楽ではありません。必然的に、子どもたちは番組を通して学んでいるのです」
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最近では、日本でも今年7月に公開された映画『バズ・ライトイヤー』女性キャラクター同士のキスシーンも話題になったけれど、アニメーションの世界では多様性や包括性を尊重したストーリーづくりの推進が広がっています。

物語を通して自分を投影できるキャラクターに接する機会があることで、安心感を抱く子どもたちは少なくないはず。今後、同様の取り組みが進んでいくことに期待したい!