アンティークの本場、ロンドン。古き良きジュエリーたち
ロンドンといえば、アンティークマーケットの本場です。英国は古き良きものを大事に愛する性質があるので、セカンドハンド(中古品)市場が盛んなのだと思います。それはジュエリーに関しても同じ。
アンティークジュエリーとは、製作されてから100年以上経過したジュエリーを指し、1800年代から1900年代はじめにかけての製作品が主になります(時代は少し近くなりますが、アール・ヌーヴォーやアール・デコの時代の作品もアンティークに含まれます)。
そして、意外と簡単に目にすることができるのです。
まず、骨董芸術品的価値の高い、アンティークジュエリーの中でも最高級のものを見てみたいと思うなら、サウスケンジントンのヴィクトリア&アルバート博物館に行ってみましょう。
ロンドンで大英博物館と同じくらい人気のあるこの博物館は、工芸品やファッションに関しての展示がとても充実しており、ジュエリーの展示も豊富です。ジュエリーの歴史を踏まえつつ、上質の宝石を使用した繊細で個性的なデザインのジュエリーをたくさん見ることができます。「本物のアンティークジュエリーとは何か」を直に目にすることは、その後のジュエリー探しの参考になるはずです。
[facebook ]https://www.facebook.com/victoriaandalbertmuseum/photos/a.408397623879.182871.13987918879/10152989385863880/?type=3&theater[/facebook]ここで、展示されているアンティークジュエリーは、特にダイヤモンドのカットに注目してみましょう。
以前の宝石の基礎知識でご紹介しましたが、宝石のカットにはその光を最大限に生かすための緻密な計算が為されており、ダイヤモンドの代表的なラウンド・ブリリアント・カットは、1919年に発案されました。
なので、もしもアンティークジュエリーにラウンド・ブリリアント・カットの石が使われていたとすると、それは少なくとも1919年以降に作られたもので、それ以前の作品では有り得ない、ということになります。
このダイヤモンドのカットは時代の変遷でカット形状の変化が見られるので、15世紀ならばテーブル・カット、17世紀ならばローズ・カットなど、その時代に流行したカットがジュエリーの制作時期を教えてくれます。
もしもアンティークジュエリーを探してみたいと思うなら、このカット形状の移り変わりを簡単に知っておくと役立つでしょう。
ロンドンのどこでどんなジュエリーを探せばいい?
実際に購入できる、ロンドンのアンティークマーケットは複数あります。ジュビリー&アップルマーケットやポートベロー・マーケットなどをはじめ、日用品から絵画、洋服、工芸品など、様々なジャンルのアンティークがひしめきあっています。
本当に良いジュエリーを!と思うと、かなりの目利きである必要があります。もちろん、ファッションも含めた歴史の知識もあるといいでしょう。また、上質な宝石を使ったアンティークジュエリーには、高額なものもあります。そういった品物は露天のマーケットよりもアンティークジュエリーの専門店で探した方が安全です。
と、ちょっと買うのが難しそうに感じてしまった方もいるかもしれませんが、私がおすすめしたいのは「コスチュームジュエリー」と呼ばれる、あまり上質ではなくともかわいらしい宝石(ガラスなども含む)を使用した、大量生産品を探してみることです。
厳密な意味でのアンティークジュエリーではないかもしれませんが、日本ではあまり見かけないような個性的なデザインのアクセサリーです。中にはアンティークジュエリーを模した品物もありますが、そもそもコスチュームジュエリーだと分かっていれば、安価ですし遊び感覚で楽しむことができます。雑多なマーケットの中だからこそ見つかる、ほかにはないお気に入りを見つけることもできるでしょう。
いくつかそんなコスチュームジュエリーを手にして、もっと本格的なアンティークジュエリーを手に入れたいと思った時は、前回ご紹介したハットン・ガーデンなどアンティークジュエリーの専門店を覗いてみれば良いのです。
きっと自分のお気に入りジュエリーに出合えるはずです。