イタリア・シチリア島の西部、アグリジェント県にある小さな町サンブーカ・ディ・シチリア(Sambuca di Sicilia)。ここで、格安物件を販売するという新しいプロジェクトがスタートしたそう。その価格なんと、たったの1ユーロ(約125円)!

CNN>によるとこの地域は、過疎化の影響で空き家の数が年々増加傾向にあるという。それを食い止めるために誕生したのが、「1ユーロの家を売りに出す」という今回のアイデア。イタリアでは近年、空き家を活用して地域の活性化に繋げようとする動きが強まっており、サルディーニャ州オッロラーイでも昨年、1ユーロの格安物件が次々と販売され、大きな話題となった。

1ユーロと聞いて飛び付いてしまいそうだけれど、注意が必要。「購入者は3年以内に老朽化した家を修復しなければならない」という条件が付き、修復にかかる費用はおよそ15,000ユーロ(約186万円)と言われている。そのほか、デポジット(頭金)の5,000ユーロ(約62万円)も支払う必要があるが、こちらは家の修理が完成し次第、返金されるとのこと。

イタリア、シチリア島
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現在のサンブーカ・ディ・シチリアの人口は約6,000人。豊かな自然に恵まれ、静かに暮らしたいという人にぴったりの環境といえそう。サンブーカ・ディ・シチリアの副市長、ジュゼッペ・カチョッポ氏は、「この肥沃な土地は、別名『地上の天国(Earthly Paradise)』とも呼ばれています」「サンブーカ・ディ・シチリアは、歴史情緒溢れる町です。美しいビーチや森、山々など自然に囲まれており、静かにデトックスステイをしたいという方に最適な場所だと思います」とコメント。

さらに、スイスやフランス、スペインなど世界中から問い合わせがあり、すでに10戸は売却済みとのこと。「私たちの町には、アラブ文化が根強く残っています。幸運なことにこの独特な文化は、外国から来る方々によって未来へと受け継がれてゆくのです」。

2016年版「イタリアの最も美しい村」ランキングにも入ったことのある、サンブーカ・ディ・シチリア。海まで広がるぶどう畑や歴史的遺産、絶景スポットなどに恵まれた風光明媚な場所なので、家を買うか買わないかはさておき、一度訪れてみてはいかが?

この翻訳は、抄訳です。

TranslationReiko Kuwabara

House Beautiful