旅インフルエンサーの1日は、明るい海辺の朝食で始まり、ピンク色の夕焼けをバックにシャンパングラスを傾けて終わる…そんなイメージがあるはず。ところが、実際のところ、この仕事はかなり苦労も多いのだとか。優雅な写真の裏にある秘密の数々を、9人のフルタイム・旅インフルエンサーたちがコスモポリタン アメリカ版に教えてくれました。

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1.生活の拠点がない

「私はアパートを持っていません。この状態になってもう2年になります」と語るアリッサ・ラモスさん(30歳)は、@mylifesatravelmovie@alyssaramostravelsで写真撮影の方法なども公開する旅インフルエンサー。

彼女の過去の投稿によると、旅行には基本的にスーツケース1つで出かけ、その間家財は倉庫に預けているそう。「休憩したくなったら、居心地の良いホテルかAirbnb(エアビーアンドビー)で2週間ほど過ごして、また旅行に出かけます」とのこと。

@theblondeabroadおよび同名ウェブサイトを運営するカーステン“キキ”リッチさん(30歳)もまた、流浪生活を送る1人。「1年の半年は南カリフォルニアにいて、残りの半年は地球の裏側、南アフリカのケープタウンを拠点にしているような感じです」と語る彼女は、なんと1年のうち9カ月は旅行に出ているそう。

2.“完璧な写真”のための加工が大変

「加工しないに越したことはないんです」と語る@girleatworldのメリッサ・ハイさん(34歳)は、修正に苦労しなくて済むよう、ロケーションと自然光を大切にしているそう。

でも、ほとんどの旅行写真は、一般公開される前に修正されているもの。ラモスさんはよりプロフェッショナルな出来映えを求めて「Adobe Lightroom」を使って30分もの時間を写真の修正作業に費やしているそう。今後は「Snapseed」という便利アプリを使って、作業を10分ほどに短縮したいとのこと。

ハイエンドな機材、富士フイルムXシリーズのカメラとレンズを使うリッチさんも「Adobe Lightroom」を使う1人。まるでInstagramでフィルターをかけるように、簡単に編集ができる機能を駆使して時間を節約しているのだとか。

3.彼女たちの“旅行”は休暇ではない

豪華なペントハウスのスイートルームに泊まったり、クルーザーに乗ったりするには、それなりの努力がいるよう。同じく旅インフルエンサーで@tourdelustのクリスティーン・トランさん(32歳)は、1日に数時間かけてブランドに自分を売り込んだり、契約の交渉をしたりすることもあるのだとか。一契約につき2,500ドル(約28万円)から1万5,000ドル(約167万円)、あるいはもっと多くの収入があるそうだけど、決して気楽な旅ではないとのこと。「いつも早い夕食をとって、その後に飲みに行くことはほとんどありません」とトランさん。「ホテルに早く帰って、1時間か2時間はメールチェックに費やしたいんです」。

さらに必要なのが、ロケハン。「Instagramでさえ明かしていないのが、プラン作りのプロセスと場所のリサーチについてです」と語るトランさんは、彼女のフィードに華を添えるフォトジェニックな場所の“原石探し”には余念がないそう。

そして、写真撮影だけでほとんど旅行は終わってしまうのだとか。「旅行中はほとんど仕事をしています」と語る@effortlyssのアリッサ・ボッシオさん(25歳)によると、カメラマン&編集係のボーイフレンドとの旅では「常に写真を撮ってばかりいる」とのこと。

夫とともに6年間旅行ブログを運営している@estherjuleeおよび<LocalAdventurer>のエスター・ジュリーさん(35歳)は、旅行に出ていないときも、のんびりする暇はほとんどないのだとか。旅行していないときは、週に80時間も働いているそう。「10年以上仕事をしてきて、ワークライフバランスなんてものは存在しないと悟ったわ」。

4.夜明けとともに起きて写真を撮る

@thewhimsysoulとブログ<Whimsy Soul>のカーラ・ハームズさんは、朝の5時30分には現場に着いていることもしょっちゅうだそうで、これは仕事の中でもあまり好きな部分ではないそう。でも、「やわらかで温かな朝の光は写真を撮るのに最高なんです」とハームズさん。「日の出時は、どうやっても上手な写真が撮れますよ。下手な写真を撮るほうが難しいくらいです」。また、観光客が名所に押し寄せる前に撮影をすることで、混雑を回避できるし、写真に人が入り込まずに済むそう。

夕暮れ時もまた写真撮影には絶好の時間。「光がやわらかくて黄金色で、撮影後も編集がしやすいんです」と語るのは@alliemtaylorのアレクサンドラ・テイラーさん(23歳)。

5.撮影ごとに服を用意する

「私は洋服を買って、(撮影で着た後に)もう着ることはないと思えば、返品することもあります。または、どうしても洋服がいる場合、ブランドにかけあって送ってもらうこともあります」と語るボッシオさんは、訪問する場所に合わせて最適な服をあらかじめ用意するのだとか。例えばギリシャなら青と白のワンピース、ポルトガルのカラフルなビーチチェアで写真を撮るならレインボーカラーの水着、という具合。その上、どの写真も同じように見せないために、1日に何度も洋服を取り替えるそう。

6.写真の小道具は持参

「いつも小さなかわいいバッグと帽子を小道具として持って行きます」と語るトランさんは、サングラスや腕時計など予備も複数持って行って小道具として使うそう。さらに画面を作り込みたいときは、ホテルからカラフルなタオルや鉢植えの花、ライト、食べ物、カクテル、新聞まで借りて、即興で構図を作り上げるのだとか。

7.旅にトラブルはつきもの

「寝不足の日もたくさんあるし、時差ボケもあるし、空港を走ったり、物をなくしたり、60ポンド(約27キログラム)のスーツケースを持って急な階段を上ったり、ホテルの部屋で寂しい思いをしたりすることもあります」と語る@nicoleisaacsのニコール・アイザックスさんは、自分の旅は端から見るほどきらびやかではないと断言。「飛行機で子どもに吐かれたこともあるし、数え切れないほど荷物もなくしたし、ビーチで盗難に遭ったし、電車や飛行機に乗り遅れて、見知らぬ小さな街で立ち往生したこともあります。でも、これは私が経験したことのほんの一部です」。恐るべし!

8.本当の“旅行”は自費で行く

「このホテルは旅費を出してもらったわけじゃないんです」とテイラーさんが語るのは、トルコのギョレメにあるとびきりインスタ映えするホテル、「カッパドキア・ケーブ・スイーツ」に泊まったときのこと。「ときどき、スポンサーのための投稿に気を遣わず、自分の時間を楽しみたくなって、自費で滞在するんです」。

9.家族や友人がとっても恋しくなる

そんな旅先での仕事漬けの日々は、旅インフルエンサーたちに重くのしかかることもあるようで…。「家族や地元の友達に電話すると、自分のいないうちに色々なことが起こっていたり、大切な人生のイベントを一緒に過ごすことができず、寂しくなることもあります」と語るジュリーさん。滞在先に1年ずつ暮らすのが常だけど、「夫と帰国することも考えました」とのこと。

ボッシオさんは、絶えず移動していると自分のベッドが恋しくなるそう。「あまりにたくさん旅行しているので、ときどきまいってしまって、少しホームシックになることもあります」。ただし、それでも「私の仕事は素晴らしいものです」と語ります。

聞いただけでも苦労の絶えない旅インフルエンサーの仕事だけど、成功すれば11万ドル(約1,220万円)から50万ドル(約5,550万円)も稼げるそうなので、我こそはという人は、ぜひ挑戦してみて!

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN US