今月のカバーガールはDJ、モデル、そしてアパレルブランド「jouetie」のクリエイティブディレクターとして活躍する双子の姉妹AMIAYAさん。2016年のインタビューで、「海外メゾンのパーティに呼ばれるような存在になりたい」という目標を語ってくれてから約2年が経ちましたが、その夢を実現させて、いまや海外でも注目を集めるファッションアイコンに! 11月のカバーを飾った2人に、改めてお話を伺ってみました。

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Cédric Diradourian

――まさに夢を実現しているお2人ですが、実感はありますか?

AMI:ずっと海外を目指して、自分たちで海外に足を運んだりと、チャンスをつかめるような行動をしてきました。なので、国外での仕事が増えてきたことにちゃんと実感がありますね。それがすごく嬉しいし、さらに目標を達成していきたいと強く思うようになりました。

――ステップアップのために頑張っていることは?

AMI:小さなことの積み重ねが大事だなと思っています。どんなことがチャンスにつながるかって、後からじゃないとわからなかったりするじゃないですか。今は意味があることだと思えなくても、積み重ねていけば、必ずどこかでつながっていくと思います。たとえば、ファッションイベント。最近はお声をかけて頂くことが多くなりましたが、2年前から招待いただいたものには、できる限り積極的に参加させて頂きました。そういう場での人とのつながりも大事ですし、そこで自分たちの存在をアピールすることができれば、チャンスに繋がったりもするので。そういった小さな積み重ねが、少なからず今の状況のプラスになっているのかなと思います。

――自分たちをアピールする手段はやはりファッションですか?

AYA:双子らしいスタイリングだったり、ヘアメイクだったり、2人がリンクしていることがパッと目をひいて、第一印象を決めるものだと思うから、どんなスタイルにするかは、毎回よく考えています。

AMI:私たちは双子だということが最大のポイントというか、個性だと思っているので、何を着るか打ち合わせはしますし、それでケンカになることもしょっちゅうですけどね(笑)。

――スタイリングで心がけていることはありますか?

AYA:背が低いから、海外だとさらに小柄に見えてしまうことが多いんです。ちょっとでもモードっぽく、大人っぽく見せられるように意識していますね。あとは存在感を出すために、ファーコートみたいなボリュームのあるものを、必ずコーディネートに入れるようにしています。

AMI:あと髪型も。今は短めのぱっつんボブで、髪の長さもあごよりちょっと下くらいをキープしています。このラインのおかげで、ボリュームのある派手な格好をしていても、モードっぽく見えるんですよ。特に外国に行くとセクシーな方が多いので(笑)、私たちは日本人形っぽいルックスがアイキャッチになって、おもしろいと思ってもらえるといいなと思って。メイクがかなり派手だから、日本人っぽさのある髪型と合わせて、オリエンタルな感じをオリジナリティにしたいね、と2人で話し合って考えました。

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――最初に海外のファッションウィークに行ったのはいつですか?

AMI:2年くらい前、ミラノコレクションのドルチェ&ガッバーナのショーに招待してもらって行ったのが初めてですね。でもそのときはドルチェ&ガッバーナしか見なかったんです。ちゃんとショーを周ったのは昨年9月のNYコレクション。今年の2、3月と9月はミラノとパリに行きました。

――やはり海外のモードシーンに刺激を受けますか?

AYA:刺激はすごく受けますね。あと、海外に行くことによって、自分たちのスタイルに自信を持てるようになったかな。日本だと派手すぎて、トゥーマッチな感じに見られがちだったけど、海外ではそれがAMIAYAスタイルとして認めてもらえて。評価してもらえると感じたことが、自信につながった気がします。

AMI:海外に行くことによって、自分たちのスタイルを続けてきてよかったなって思える瞬間が増えました。2人がまったく同じピンクのボブヘアにしたのもドルチェ&ガッバーナのショーに行ったのがきっかけなんですよ。それまで髪型は一緒だったけど、髪色はバラバラで。双子っぽさを十分アピールできていなかったとこに、そこで気づいたんです。

AYA:そのときたまたまティム・バートンの映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を観たんですけど、ちょっと気持ち悪い(笑)まったく同じ外見の双子が出てきたんですよ。それを見て、「これだ! 完全に一緒なのがおもしろいんだ!」と発見しました。それまでは双子でもそれぞれの個性が出たほうがいいのかなと思って、見た目を変えたりしていたんですけど、絵的にインパクトを与えるには統一した方が効果的なことがわかったんです。海外に実際に行って、見て、感じたことが、いちばん自分たちのヒントになっていると思います。

――海外のストリートスナップでも、お2人はとても目立っていますね!

AYA:そういう場所で、「自分たちのことを見てもらいたい」「少しでも存在に気づいてほしい」と思ったときに、やっぱり見た目のインパクトって絶対に必要なんです。混雑した場所に有名人もたくさんいて、その中で自分たちを見てもらうためにはどうしたらいいんだろう…って、すごく考えました。そこで、双子という強みを持っているんだったら絶対的に活かしたほうがいいし、それを魅力にしたいと、いろいろ考えたタイミングが重なって、もうやっちゃえ! みたいな感じで2人一緒にピンクヘアに変えたんです(笑)。それが今の自分たちのスタイルになっていますが、正解だったと確信しています。

――いまやおしゃれアイコン日本代表ですが、下積み時代は長かったそうですね。

AMI:常に下積み生活ですよ! まだまだ成功していると思っていないですし、下積みじゃないときなんてあるのかな(笑)。大変だったことはいっぱいあるけど、今となっては笑って話せるから、全部よかったんだろうなって思います。

AYA:上京したのが15歳の夏だったので、そのときが一番大変だったかな。東京って怖いというイメージもあったし、友達もいなかったし、お金もなかったから、楽しむというよりは必死でした。

AMI:十分なお金がないから、一回地元に帰って、お金を貯めて、自分たちで生活できる貯蓄を持ってまた上京しようと決めました。地元で1年くらい、アルバイトを3つほど掛け持ちして、また17歳の秋に東京に出てきました。貯蓄はなかったけど(笑)。

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――そういう時期を乗り越えたことで、2人の絆は深まりましたか?

AYA:それはありますね。早くに親元を離れたので、2人でやるしかないっていう気持ちがあったし、2人じゃなかったらできなかったと思います。

AMI:2人一緒なら孤独ではないから、怖いって思わないかもしれないです。なにかに挑戦するときもいつも一緒だから、一緒にがんばれる。孤独じゃないことって一番強いのかなって。2人でいるときもお互いに気を遣うことはまったくないから、2人でいてもひとりになれる感覚なんです。

AYA:一緒にいても空気みたいなので、同じ部屋にいても全然ひとりになりたいとか思わない。でもケンカはよくしますよ(笑)。

AMI:むしろひとりでいると、ひとり足りない気分というか、さみしくなりますね。普通より自立してないのかもしれないです(笑)。仕事でもプライベートでも、2人でいる時間のほうが断然長いですよ。ひとりなのは寝るときくらい。といっても隣の部屋だけど(笑)。

――今月30歳を迎えるAMIAYAさん。「30」という年齢について思うところはありますか?

AYA:いくつになっても自分のスタイルを楽しみたいし、年を気にしてこれはしない、みたいなこともないですね。生き方として年齢は関係ないのかなと思うんですけど、やっぱり30歳になったときにこんな自分たちでいたい、という人生の目標みたいなものはいっぱい掲げてやっています。そこに対しての年齢は気にしているので、その目標に向かって、ひとつひとつクリアしていく感じです。

――30歳までの目標というのは、ずばり何ですか?

AMI:世界で活躍できる日本代表のファッションアイコンというのをずっと目標にしてきたので、そこにつながるものは全部目標ですね。ファッションアイコンになるためには、自分たちのスタイルを持っていなきゃいけないし、それを続けていく精神力や強さを全部持っていなきゃいけない。信念を持ち続けること、あきらめずに挑戦し続けること、スタイルもマインドも守りに入らないこと…。見た目はもちろんですが、マインドは見た目にも現れるから、どちらも攻めていきたいし、スタイルを貫く、信念を持った女性になりたいです。

AYA:30代はもっと楽しみたいなと思いますね。20代ももちろん楽しかったけど、がむしゃらに突っ走る感じだったので。30代はもっと余裕を持っていろんなことを楽しめたら、さらにパワーをつけられるのかな。そこが新たな魅力になっていけばいいなと思います。

――では最後に読者の皆さんへのメッセージをお願いします!

AYA:なんにでもチャレンジですね。自分が興味を持ったこと、楽しいと思ったことに対して怖がらずにどんどんチャレンジして、その中で自分がもっと好きなことを見つけていけたらいいと思います。私たちも2年前、27か28歳くらいでヘアスタイルを同じにして、AMIAYAとしての活動の転機みたいものがありました。なにかにチャレンジするときに、もうこの年だからとか、マイナスに考えてほしくなくて。自分たちを信じて、楽しんで、目標を持ち続けて、信念を貫いていけば、なりたい自分に近づけると思うから、そういう気持ちでいろんなことにチャレンジしてほしいなと思います。

AMI:固定概念や決まりごとに心を奪われないことですね。人生って、本当に自分だけのものなので、楽しんで、自分の殻をやぶって、新しい発見をして、扉をどんどん開けていくことの素晴らしさを私たちも発信できたらと思います。そんなパワフルな女性がどんどん増えていけば、もっともっといい社会になるのかなと思います!

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Cédric Diradourian

ルックスもマインドも常に攻めて、楽しんでいるフィアレスな双子ガールズ、AMIAYAさん。内に秘めた強い意思とは裏腹に、ほんわかとした優しい空気感を持った2人は、お人形のようなキュートなルックスはもちろん、同時に同じことを話し始めたり、なにかとシンクロしているところも神秘的でした! これからも双子パワーを最大限に発揮して、日本を代表するファッショニスタとして、ますますグローバルに羽ばたいてほしいですね♡

撮影/Cédric Diradourian ヘアメイク/Tori スタイリスト/町野泉美 モデル/AMIAYA 取材・文/江口暁子

AMI(右) ドレス/307,000円 スカーフ/55,000円 ベレー/38,000円 ベレーにつけたブローチ/27,000円 ソックス/13,000円 シューズ/139,000円 (全てヴェルサーチェ/ヴェルサーチェ ジャパン) Tシャツ/スタイリスト私物 ※税抜価格

AYA(左) Tシャツ/64,000円 スカート/631,000円 イヤリング/45,000円 ネックレス/274,000円 ソックス/13,000円 ベレー、シューズ/参考商品 (全てヴェルサーチェ/ヴェルサーチェジャパン) ※税抜価格