2021年は、多くのセレブやスポーツ選手らが声を上げたことで、メンタルヘルスの重要性にいっそう注目が集まった年。輝かしい成功の裏で、プレッシャーやセクシャリティ、ボディイメージなどに苦しんできた過去をありのまま告白する姿に、心を打たれた人も多いはず。
そこで「Hearst Contents Hub」から、東京オリンピックで注目された大坂なおみ選手やトーマス・デーリー選手、人気を集めるベラ・ハディッドやジャスティン・ビーバー、セレーナ・ゴメス、BTS、イギリス王室から離脱したヘンリー王子&メーガン妃らをここにご紹介。
自身のメンタルに真摯に向き合う姿や力強い言葉が、私たちに勇気をくれるはず。
ベラ・ハディッド
スーパーモデルのベラ・ハディッドは11月、Instagramで泣きはらしたような顔のセルフィーを複数枚シェアするとともに、「不安との闘い」に苦しんできたことを明らかに。
「数年前から、これ(何枚もの泣き顔のセルフィー)が、ほぼ毎日、毎晩の私です。SNSの私は現実ではありません」と告白。
さらに「ひとりではないと、誰かにそう言って欲しいときってありますよね。だから私が言います。あなたは、ひとりではありません。愛しています、わかります、聞いています」と同じように不安を抱える人たちにメッセージを送りましたた。
ベラが正直に気持ちを表した投稿には、瞬く間に100万近くの「いいね」が寄せられ、ベラの姉ジジ・ハディッドは「愛してるよ!」とコメントするなど、セレブやファンたちがメッセージを送りました。
ジャスティン・ビーバー
2019年にうつ病であることを告白したジャスティン・ビーバー。今年の9月にアメリカのオンライン集会サイト「Audacy」が主催する、アーティストやアスリート、医療専門家などがメンタルヘルスについて話し合うイベント「I'm Listening LIVE」に参加し、心の健康を保つために実践していることを語りました。
以前イギリスの音楽誌『NME』に「僕はしょっちゅう寂しさを抱えています。それもツアー中は特に。キラキラした部分しかみんなには見えていないから、裏側がどうなっているかは知らないと思うけれど」と話し、2017年のワールドツアーを途中でキャンセルし、その後約2年半休養したジャスティン。
「ツアーは本当に過酷だから、ちゃんと(公私の)境界線を設定することが大切です。最近は妻(=ヘイリー・ビーバー)との時間や、仕事をしない時間を優先するようにしています。
無理してしまいそうなときは、きちんと『ノー』と言えるよう、実践しているところです」と語り、自分なりのメンタルヘルスへの向き合い方を模索中のよう。
ヘイリー・ビーバー
うつ病と闘うジャスティンを結婚以来支えてきたヘイリー・ビーバーは、10月にポッドキャスト『In Good Faith with Chelsea & Judah Smith』に出演し、ジャスティンとの苦しみの日々を語った。
ヘイリーにとって、メンタルヘルスの問題と闘う夫を支えるのは、大きなプレッシャーになったよう。
番組で「母に何度か電話をしたことを覚えています。『もうできない。これが永遠に続くならどうすることもできない』と泣いたこともあります。
母はとても落ち着いていて『今の状態は一時のもの。あなたは大丈夫だし彼も元気になる。私たちもあなたのそばにいるから』と言ってくれました」と語っています。
さらに「でももう私の心は決まっていました。彼をとても愛しています。人生の最悪の時期にいる人を見捨てることを想像してみて。私はそういう人間ではありません」ときっぱりと話し、二人で一緒に病気と闘っていこうと決めたそう。
ヘイリーの強さや二人の絆が本当によくわかるコメント!
ゼンデイヤ
ゼンデイヤは9月にイギリス版『VOGUE』のインタビューで、コロナ禍での自身のメンタルヘルスについてオープンにしました。
「朝、目が覚めると、1日中気が乗らないような悲しさを初めて感じました。『一体何が起きてるの?』というような気持ち。『私の上を漂っているこの暗い雲は何なの、どうやって取り除けばいいの?』って」と精神的に落ち込んでいたそう。
そして自身がセラピーに通っていることを明らかにし「自分自身に向き合って、自分を助けてくれる人と一緒に前を向いていくことは何も悪いことじゃない。偏見を持たないでくれる相手とね。むしろそれは素敵なことです」と話し、金銭的な余裕があれば、セラピーに通うことを勧めたいと、自身の考えを明らかにしました。
トム・ホランド
ゼンデイヤと交際中のトム・ホランドは、映画『スパイダーマン:ホームカミング』で彼女と共演し、一躍有名に。
けれど急激な変化に心が追い付かずに苦しんでいたことを、最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のロンドンプレミアでレポーターに打ち明けました。
「19歳で有名になったけれど、普通とはまったく違う名声でした。『スパイダーマン』は世界中で見られていて、受け止めるには僕にとって巨大すぎました。
だからいつでも悩みを聞いてくれて、それを分かち合える家族のような存在(=ゼンデイヤ)がいることはとても嬉しいことでした」と、ゼンデイヤが自身の心の支えとなっていることを明らかに。
BTS
世界中から注目を集めるBTSも、そのプレッシャーやコロナ禍による活動の制限に苦しんできました。
9月には、アメリカの国連本部でスピーチを行い、特に若い世代に向けて自身のメンタルヘルスを大切にしてほしいと訴えた場面も。
Jinは、『Dynamite』がビルボードチャートで1位をとり、多くの人に賞賛されていた際「実際僕よりもっとずっと音楽を愛していて、上手な方がたくさんいるのに、僕がこんなに祝福を受けてもいいのだろうか」と不安を感じ、すべてから逃げ出したくなったことをブログで吐露。
スピーチではメンバーらが「この2年は、私たちも当惑して途方に暮れる時がありました。ですが、それでも『生き続けよう』『この瞬間にベストを尽くそう』と叫ぶ人々の存在がありました」
「私たちの未来が恐ろしい暗闇だと思わないでほしいです。私たちの物語にはまだ多くのページが残っています。そのエンディングがすでに決まっているかのように語るべきではないと思っています」と訴え、世界中の人たちにエールを送りました。
アリアナ・グランデ
PTSDを患っていることを公表しているアリアナ・グランデは、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」に合わせて、多くの人が無料でセラピーを受けられるよう、オンラインセラピーを提供している「BetterHelp」に約5億円の多額の寄付を行いました。7月にも同社に約3億円の寄付を行っており、総額は約8億円にのぼるそう。
2017年に自身のコンサート終了後、会場が爆破テロを受けてたくさんの人が負傷した事件をきっかけにPTSDとなり、セラピーに通うようになったアリアナ。
自身のツイッターで「私は何度もセラピーに命を救ってもらいました。だからあなたも悩んでいるのなら、助けを求めることを恐れないで。ずっと苦しむ必要はないんです。トラウマは処理することだってできる。
私もまだまだ努力が必要だけれど、乗り越えることができると知れば、まずは第一歩を進められたということだから」と語り、自身を救ったセラピーの大切さを、同じように苦しんでいる多くの人たちに知ってほしいと訴えています。
オリヴィア・ロドリゴ
オリヴィア・ロドリゴも「世界メンタルヘルスデー」に合わせてワイドショー『サンデーモーニング』に出演し、セラピーの効用について語った。
2年前からセラピーを受けているというオリヴィアは「16歳になるまでは受けたことがなかったけれど、初めてのセラピーは人生が変わるような経験でした。自分について多くを学ぶことができました」と告白。
さらに「時々大人たちは、若い人たちが今経験していることを矮小化しようとして『大丈夫、問題ない。彼らは子どもだから乗り越えるよ』と言います。
でも真っ只中にいるときには、当事者にとってそれは紛れもない問題なのです」と指摘し、子どもや若者の抱える悩みや苦しみを「些細なもの」として片づけようとする大人に対して疑問を呈しました。
ダヴ・キャメロン
ディズニー・チャンネルのテレビ映画シリーズ『ディセンダント』への出演などで知られるダヴ・キャメロンも同日、Instagramを更新し、メンタルヘルスに悩む人たちに向けてメッセージを送った。
ダヴは、メンタルヘルスの問題について非常にオープン。「自分は世の中に相応しくない存在なんじゃないかって思う気持ちは、私たちみんなに共通の、人間として普通の状態だと思います。生きていることはつらいし、それは誰もが経験してること」と語りました。
そして「そのことを理解してもらうため、私はこうやって自分の人生をシェアしています。人はもともとみんな孤独なのだとまず知ることが、メンタルヘルスに向き合うことへのスタートだと思うから」とのメッセージを送りました。
デミ・ロヴァート
デミ・ロヴァートも、2008年に放送されたディズニー・チャンネルの映画『キャンプ・ロック』でのブレイク以降、俳優やシンガーとして活躍してきたけれど、摂食障害やアルコール依存症、薬物依存症などに苦しんできた一人。
デミは「世界メンタルヘルスデー」の前日にInstagramを更新し、2年前にトミーという大切な人を依存症で亡くしたことを明らかに。
そして、彼を想って書いたシングル『Unforgettable(Tommy‘s Song)』をリリースすることも発表。収益はすべて依存症の人を支援する団体「The Voices Project」に寄付するという。
そしてメンタルヘルスを患う人が相談できるヘルプセンターを紹介し「もし苦しんでいる人がいたら、ぜひ教えてあげてください」と訴えました。
セレーナ・ゴメス
双極性障害を患っていることを明らかにしているセレーナ・ゴメスは11月、Instagramに自身の母親らとともに、メンタルウェルネス企業を設立することを公表。
「メンタルヘルスは私にとって、とても重要な問題。メンタルフィットネスに挑戦していく上で他の人と集まり、自分は1人ではないんだと思える場所を持つことはとても重要なのです」と設立の理由を話しています。
セレーナは「メンタルヘルスについて語り合うのを普通のことに変えたいのです。そしてみんなとメンタルフィットネスに取り組むことがすごく楽しみです」と意気込んでいます。
今後メンタルヘルスへの世間の見方を変えるきっかけになるかも。
大坂なおみ
トップアスリートとしての重圧と常に闘ってきた大坂なおみ選手は、ことしの全仏オープンの記者会見を拒否し、試合も途中棄権。その後うつ病を患っていることを6月1日にツイッターで告白しました。
「メンタルヘルスを軽々しく語ったり、軽率な考えで発言をしたりしているのではありません。私が内向的な性格であることは、知人の間では知られていること。私は試合前にヘッドホンをしていますが、それで不安症が和らぐからです」
8月には、Instagramで「あなたの人生はあなた自身のものであり、他人の基準で自分を評価すべきではありません。私は何事にも全力を尽くしていますが、もし十分でないと感じている人がいるのであれば申し訳ないと思います。
でも、もうそのような期待を自分に背負わせることはありません」と、ありのままの自分を大切にすることが必要だと訴え、数多くの著名人から賞賛の声が上がりました。
セリーナ・ウィリアムズ
大坂選手の告白に対し、力強いサポートを表明した1人がセリーナ・ウィリアムズ選手。Instagramで「私が感じているのは、ナオミへの思いだけです。彼女をハグしてあげたい。私もそのような状況にあったから」と自身も同じ経験をしたことを明らかに。
さらにセリーナは自分自身にとっても「多くの記者会見がとても困難でつらいものでした」と吐露。
「私はナオミに同情しています。誰もが同じようにできるわけではありません。私は神経が図太いけれど、他の人達はもっと繊細です」
そのうえで「人はそれぞれ違うし、物事への対処法も違います。私がただ1つ言えるのは、彼女はベストを尽くしているということです」とエールを送っています。
トーマス・デーリー
「編み物王子」こと、東京オリンピックで金メダルを獲得した飛び込み競技のトーマス・デーリー選手。10月に新聞『ガーディアン』で、摂食障害に苦しんでいたことを明らかに。
幼少期のいじめや同性愛者としての葛藤、選手としてのプレッシャーなど、様々な悩みを抱えてきたデーリー選手は「2012年、食べたものを嘔吐していました。毎日体重を測っていました。軽度の摂食障害だったと思います」と告白。
世間的なイメージでは、男性は摂食障害にならないと考えられているが、性別は関係ないと訴えました。
そして編み物について「手を動かすことによる精神的リカバリー」と表現。「編み物は現実逃避法みたいなものなんです。時間をやり過ごせるし、飛び込みのことを考えなくて済みます」と、自分なりの解決法を見つけることが大切だと話しています。
シモーネ・バイルズ
アメリカ体操女子の絶対的エース、シモーネ・バイルズ選手も東京オリンピックの際に「メンタルヘルスの問題に集中するため」として、一部競技を欠場。
7月26日のInstagramで、「時々、私は世界の重みを背負っているように感じます。それを払いのけて、プレッシャーを感じていないように振舞っているけれど、とてもつらく感じるときがあります」と思いのたけを打ち明けていました。
すると著名人を含む多くの人たちが「勇気ある決断を誇らしく思う」と支持を表明。その後、バイルズ選手はTwitterで「たくさんの愛とサポートが寄せられました。
自分自身が今までの成果や体操選手以上の存在であったのだと気づくことができました。これまではそう信じることができませんでした」とコメントし、多くの人にメンタルヘルスの問題について深く考える機会を与えてくれました。
テイラー・スウィフト
そんなバイルズ選手を賞賛した1人が、テイラー・スウィフト。テイラーは、NBCが放送した東京オリンピックでのバイルズ選手の演技や決断をまとめた動画で、ナレーションを務めた。
テイラーは動画で次のように語りました。
「この1週間、彼女の声は才能と同じくらい大きな意味を持っていました」
「彼女の正直さはこれまでずっと彼女のトレードマークだった完璧さと同じくらい美しいものです。でも見えますか? その完璧さは変わっていない。彼女は完璧に人間なのです。だからこそ彼女をヒーローと言うことができるのです」
するとバイルズ選手はこの動画に反応し、「泣いてる。とても特別なものよ。愛してる、テイラー」とツイート。
するとテイラーも「私もあなたを見て泣きました。私たちはみんなあなたから学びました。ありがとう」とリプライし、バイルズ選手に拍手を送りました。
レディー・ガガ
性的暴行のトラウマなど心の病に苦しんできたことを過去に公表しているレディー・ガガ。
「世界親切デー」の前日である11月12日、自身が立ち上げたチャリティ財団「ボーン・ディス・ウェイ」のウェブサイトに、若者とメンタルヘルスについて語り合った番組『The Power of Kindness(親切さの持つ力)』をリリース。
番組内では「親切であることとメンタルヘルスはお互いに手を取り合っています。でも私にとって親切さは礼儀正しさではないのです。体験を共有しあい、繋がることです」と自身の考えを述べました。
そのうえで「私の中にあなたの友達がいることを知ってほしい。私たちはお互いに、常に親切に接するのです」と、自分の経験を語り、それに耳を傾けあうことが心のウェルネスにとって重要だと訴えました。
ケンダル・ジェンナー
ケンダル・ジェンナーは、メンタルヘルス月間である5月に配信された『VOGUE』の動画にてメンタルヘルスの専門家と対談し、「SNS中毒」を告白。
セレブの中でも投稿頻度の高いカーダシアン・ジェンナー家。ケンダルは動画内で「こんなことを言うのは自分でも恥ずかしいと思っています。だけどそれと同時に、多くの人が共感できることだとも感じています」と前置き。
そのうえで、「スクリーンを見れば見るほど、自分の体や、目の前で起きていることから、自分が切り離されているような感覚を覚えます。そもそもSNSが必要だと感じてしまうこと自体が嫌なのですが、逃れられないんです」と、現在の率直な思いを語りました。
動画では専門家が 「SNSは中毒性があるものと認識すること」「実際に人と交流する時間を作ること」などが必要だとアドバイスする場面も。
リリ・ラインハート
リリ・ラインハートも5月、インスタグラムで10代のころからの不安障害やパニック障害、うつといった心の問題との闘いについてシェア。
現在も定期的にセラピーに通うリリが、初めてうつと診断されたのは14歳の時。「うつに負けたと感じる日もあります。このつらい闘いを私は11年間も続けていて、今日のように耐えられないと感じる日もあります」と打ち明けました。
そして「でも、もう闘えないと思う日があってもいいのです。誰かのために自分の精神状態を正当化する必要はありません」「自分にとって必要な時は自分を最優先して、きちんと休息のための時間をとることが大切です。
それから自分に良い影響を与える人や環境に身を置くことも。(今日は悪くても)明日は美しい日になるかもしれないってことを覚えていてくださいね」と同じ苦しみのなかにいる人へ、応援のメッセージを送りました。
ライアン・レイノルズ
同じく5月、Instagramで不安を“生涯の友”と表現し、常に不安とともに生きてきたことを告白した人気俳優のライアン・レイノルズ。厳しい父親の元で育ったことがその一因だそう。
ライアンは「僕が予定を入れすぎてしまう理由の1つが、生涯の友である不安です。自分が1人ではないということはもちろん分かっているのですが」と語りました。
そのうえで「私のように、忙しすぎて、考えすぎて、働きすぎて、心配しすぎてしまうすべての人へ。どうかあなたは1人でないということを知ってほしい」と同じ悩みを抱える人にエールを送りました。