アメリカ・サンフランシスコ出身のコメディアンで、俳優としても活躍するマーガレット・チョー(53歳)。バイセクシャルであることを公表し、LGBTQ+のための権利活動も行っている彼女は、あるインタビューで自身のストーリーについて語りました。
90年代はじめにドラマ『The Golden Palace(原題)』や、アジア人を主役とした『All-American Girl(原題)』に出演し、自身のキャリアをスタートさせたマーガレット。
両親は同性愛者向けの書店を経営しており、LGBTQ+フレンドリーな街としても有名なサンフランシスコで育ったマーガレットは、2004年にスタンダップコメディ『Notorious C.H.O.(原題)』でバイセクシャルであることをカミングアウト。
<Out>のインタビューでは、クィアなアジア系アメリカ人のコミュニティの先駆者として、若いクィアたちに向けてメッセージを送りました。
「大人になる過程で家族が同性愛を否定した場合、きっと家族に理解してもらおうとするでしょう。アジア系アメリカ人は、家族の絆を強く求めていますから。けれどアジアの文化は、家父長制がまだまだ強く、同性愛を嫌う傾向にあるんです」
「だから“Chosen Family(自分で選んだ家族:血縁関係に関わらず、お互いにサポートし合うコミュニティ)”をつくるには、自分自身で道を切り拓かなければならない。人生やコメディの世界でもね」
また<E! News>では、社会から認められていないと感じたことがあるとも明らかに。
「私が感じた最大の差別は、私が人々の目に映っていないということです。アジア系アメリカ人であり、クィアの女性である私が共感できるような表現やお手本がいないんです。社会が今まで可視化してこなかったことがたくさんあるのです」
だからこそマーガレットは、毎年6月のプライド月間に限らず、一年を通してLGBTQ+コミュニティの声を広めるようとしています。
「1年のうちの1カ月や1回のパレードだけとか、そういう問題ではありません。これまで以上に自分たちを祝福し、自分たちの権利を守ることに目を向けなければならないと思います。トランスジェンダーの子どもたちの保護であれ、トランスジェンダーの法律であれ、メディアを通して自分たちを可視化することであれね」
「つまり、私たちが存在し続け、成長し続けるためには、自分たちの権利と能力を維持して前進する意味を確かめる必要があるのです」
さらに、自分のセクシャリティやカミングアウトすることに悩んでいる人たちに対して、このようなアドバイスを送ったマーガレット。
「カミングアウトできる安全な場所もあるし、あなたが見つけられるべき世界がある。あなたの旅は決して一人ではないのです。多くの人があなたを助けることができるし、とても誠実に対応してくれるはず」
「ソーシャルメディアはそのきっかけになり、お手本となる人を見つけることで色々な部分に目が向けられるのです。リル・ナズ・Xのように素晴らしい活動をしている人たちもいます」
「ソーシャルメディアではさまざまなストーリーが語られ、どれだけの人が楽しんで、誇りを持って生きているかを知ることができるのです」
アジア系アメリカ人として、LGBTQ+コミュニティの一人として声をあげ続けるマーガレットからは、きっと勇気をもらえる人も多いはず。