90年代を象徴するスーパーモデルの、リンダ・エヴァンジェリスタ。彼女は、医療痩身の副作用による後遺症に悩まされ、5年近く引きこもり生活を送っていたことを昨年Instagramで告白。

施術後初めて自分の姿を公開し、前向きに生きようとしている今について<People>に語った。

安全なはずの施術で…

部分的に皮下脂肪を冷却して減少させる「冷却脂肪減少治療」を、2015年に受けたというリンダ。これはFDA(アメリカ食品医薬品局)でも認可されている、人気の施術。

ところがリンダの場合には副作用が出てしまい、その後遺症で身体的にも精神的にも悩まされ続けているんだそう。

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「かつてはランウェイを歩くのが大好きだったけれど、今では知り合いに会うのですら怖いです」
「もう恥ずかしさを感じながら、隠れていられません。この痛みとこれ以上生きられないんです。ようやく公表しようと思えるようになりました」

リンダは脂肪冷却を受けた3カ月後に、施術箇所である、あご、太もも、胸部に効果が見られないばかりか、肥大化していることに気づいたそう。自力でどうにかしようと思ったリンダは、ダイエットに励み、何も食べないところまで自らを追い込むことに…。ところがその後、その膨らみは硬くなり麻痺も感じるように。

奇異性脂肪過形成(PAH)という診断

症状に不安を覚えたリンダは、2016年6月に医療機関を受診。そこで、「奇異性脂肪過形成(PAH)」だと診断されたといいます。

奇異性脂肪過形成とは、冷却脂肪減少治療の副作用で、脂肪細胞が縮小するのではなく増大し、脂肪の塊ができてしまう症状。起こる確率は、患者全体の1パーセント以下だというものの、一度症状が出てしまうと元に戻すのは難しい場合もあるとのこと。

リンダはガードルやあご紐を着用したり、2回の矯正手術を受けたりしたものの、治ることはなかったそう。

「少しも良くなりませんでした。脂肪は膨らんで硬いし、ガードルなしでドレスを着て歩くと、摩擦で血が出そうになるぐらいなんです」

また、腕の下にある脂肪の塊の影響で姿勢にも変化が。

「腕を体の横にぴったりつけられなくなりました。デザイナーもこんなものが体にあったらドレスを着せたいと思わないはず」「鏡は見ません。もはや自分ではないみたいだから」

事前の副作用やリスクの説明もなく…

施術前に、脂肪冷却のリスクについて知らされていなかったというリンダは、冷却脂肪減少治療の機器を取り扱う会社「Zeltiq Aesthetics Inc」に対し、5,000万ドル(約57億円)の損害賠償を求め提訴。

同社は、秘密保持契約に同意した場合のみ費用を全額負担すると申し出たものの、リンダはこれを拒否。裁判の決着はまだついていないという。

「いつか歳を取ることは分かっていました。そして、体が変わっていくことも。だけど、こんな風になるなんて思わなかったんです」
「身体的にも自分だとは思えませんし、他の部分も含めて自分は変わってしまったと思います。スーパーモデルはどこかに行ってしまったんです」

それでもリンダは自分の自信を取り戻そうと前向きな今の想いをこう語った。

「恥を少しでも捨てられるようになって、自分と同じような状況の人を助けたい。それが私の目標です」

※この翻訳は抄訳です。
Translation: Haruka Thiel
COSMOPOLITAN UK