夢を見ているときに、「これは夢だ」と自覚した経験はありませんか? それは「明晰夢」と呼ばれる状態で、実は夢をコントロールすることで現実世界での恐怖を克服したり、新しいスキルのイメージトレーニングができるという利点もあるんだとか。

そこで本記事では、専門家たちの知見を交えながら「明晰夢」を見るメリットと見るためのコツをお届け!



【INDEX】


「明晰夢」とは?

明晰夢とは、自分が夢を見ているのだと認識したり、コントロールできる状態を指します」と説明するのは、睡眠科学者のキャット・レダール博士。

「明晰夢」を見ている間は、自分が置かれているのは現実世界ではないと自覚しながら、自分の思うがままに夢の展開を導くことができるのです。

「現実世界ではありえないこと、たとえば空を飛ぶことも、自分で想像すれば夢の中で実現することができるのです」

「明晰夢」のメリット

現実世界の自分を克服できる

夢の専門家であるテレサ・チャンさんによると、明晰夢の中では無限の創造性を探求する能力を与えられるとのこと。

「自由にロールプレイを楽しむことができ、自分自身が持つ恐れに立ち向かうシナリオを組んで、現実世界での自信に繋げることもできます」
「明晰夢で創造力を発揮することで、現実世界の自分を克服することにも繋がるのです」

イメージトレーニングをできる

明晰夢では、スポーツの練習や楽器の演奏などもできるので、スキルを身に着けるために効果的なイメージトレーニングを夢の中で行うことも。

悪夢を避けることができる

悪夢を見ている間にそれを認知しコントロールできるようになれば、その悪夢を楽しい夢に変えることができます。

週2回悪夢を見るという人を対象に実験を行い、ゲシュタルト療法とともに明晰夢の訓練を実施。結果、対象者たちは悪夢を克服することができたのだとか。

「明晰夢」を見るには?

ここからは、催眠療法士で明晰夢のコーチであるリア・ラーウッドさんが明晰夢を見るコツを伝授!

なにをしたいかを明確化する

なぜ明晰夢を見たいのか、夢の中で何をしたいのかという明確な意図が最も大切な要素の一つ。人間関係やキャリア、メンタルヘルスなど、明晰夢を見ることで解決したいことを、寝る前に心の中で確認しましょう。

夢日記をつける

毎朝、覚えているうちに簡単に見た夢を記録しておきましょう。夢日記を書くことで、夢を見ている時の精神状態と徐々に繋がっていき、「今夢を見てる」と自覚しやすくなるとのこと。

マインドフルネスを実践する

マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に目を向けること。特に寝る前に、自分がどんなことを考えているか、感情がどのような状態にあるかを観察してみることで、夢の序盤から明晰夢だと認知できるようになることも。

teenage girl listening to music on the sofa
Justin Paget//Getty Images

現実世界でも「夢かも」と確認してみる

普通に生活をしていると、いつもは遭遇しないことが起きたり、現実感がないと感じることが稀にあるはず。そんなときに、「これは夢なのでは?」と自分に問いかける習慣をつけることで、夢の中でも自覚しやすくなるとのこと。

「WBTBテクニック」を使う

明晰夢を見るために使われるのが、「Wake Back To Bed(WBTB)テクニック」。

目覚ましを通常より2時間ほど早くセットしておき、30分から60分の間、脳に過剰な刺激を与えることは避けながら、起きた状態を保ちます。その後もう一度入眠。そうすると明晰夢を見やすくなるのだとか。

「明晰夢」のリスク

明晰夢を見ることのリスクに関してはさらなる研究が必要ですが、明晰夢を誘発するために使用されるテクニックなどは、睡眠障害を引き起こす可能性があると、チャンさんは指摘します。

「明晰夢を見ているときの脳の働きは、レム睡眠の状態とは異なります。この脳の活動に起因する眠りのメカニズムの変化によって、睡眠の質が低下する可能性があるのです」

明晰夢を見れるようになりたくても、第一に考えるべきは健康的な睡眠をとること。心身の健康を第一に、明晰夢を見るためのテクニックを試してみるか考えてみてください。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: ARI

NETDOCTOR