今、話題になっている“腸活”。なんとなく腸にいいことをすればいいというイメージだけど、具体的に何をしたらいいかわからない人も多いはず。今回は、管理栄養士でもありコンビニ外食研究家としても活躍している浅野まみこさんにコンビニでできる腸活テクを教えてもらいました。自粛の中でも始められるコンビニ腸活、今日からSTARTしてみて♡

そもそも「腸活」とは?

腸活というのは、簡単に言うと腸内環境を整える活動のことです。腸は小腸と大腸に分かれますが、栄養素の約9割は小腸、残りが大腸で吸収され、いらない物は便となって排泄されます。腸活というと小腸だけだと勘違いされやすいのですが、小腸と大腸両方のことを指し、特に大腸を整えることが大切です。ちなみに便秘の人の場合、大腸に滞っている便から不要なものを吸収してしまうので、それが肌荒れなどを引き起こす原因になるんです。

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と言われる腸内細菌がいて、理想の割合は、2:1:7と言われています。これらの菌群は種類ごとにグループを作っているんですね。そのグループがまるでお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれているのですが、善玉菌の腸内フローラを活性化させることが重要になります。

腸内環境の菌そうは本当に人それぞれで、さらに毎日少しずつ変化します。ご飯を食べて吸収して排泄して…そのときに同時に菌も排出されるので、常に善玉菌、そしてその餌になるものを取り入れていくことが大切です。ということで、継続的に良い菌を育てるために常に腸内環境を整えるものを食べることが腸活になります

腸活に必要なものは?

腸活は善玉菌である乳酸菌・ビフィズス菌を摂ることがマストです。乳酸菌とビフィズス菌は混同されやすいのですが、大腸まで届いて働いてくれるのがビフィズス菌です。

ちなみに熱を加えたりして死んでしまった死菌と言われるものでも、善玉菌の餌となるので摂取をオススメします。さらに菌を繁殖させるための土台になるのが水溶性の食物繊維となります」

コンビニで手に入る乳酸菌・ビフィズス菌食品のオススメは?

「基本的には発酵食品に含まれているので、納豆とかキムチ、ヨーグルトなら簡単に摂りやすいと思います。納豆巻きとかキムチ鍋はもちろん、飲むヨーグルトでもOKです。乳酸菌入りのものは多いですが、ビフィズス菌入りのものは少ないので、明記してあるヨーグルトだと間違いないですね。

また、菌には種類があります。例えば乳酸菌で言うと、植物由来、ヒト由来、動物由来などがあります。その中でまたいろいろな菌の種類があるわけです。菌によって、自分の腸に合う・合わないがありますので、調子が良いと思うヨーグルトや発酵食品を選ぶといいですね。また、同じものをずっと続けるというよりもちょこちょこと変えていくのもオススメです。

さらに菌数問題にも着目してもらいたいところ。実はヨーグルトは発売時から賞味期限にかけて菌数が半減することがわかっています。なるべく買い置きをしないで新しいものを摂取するのがベストです。納豆やキムチは逆で、賞味期限が近づくほどに増えていくのでまとめ買いして消費するのがいいですね。特に納豆は、冷凍保存が可能で菌も死なないので(常温で解凍、加熱解凍はNG)便利ですよ。

ちなみによく乳酸菌が豊富だと言われているぬか漬けですが、 “ぬか漬け風調味料”の糠漬けもありますので、裏の原材料を見て選びましょう。死菌だと『乳酸菌入り』と明記してあるビスコやチョコレート、パンなどが増えてきたので、そういうものを選んでみてください」

水溶性の食物繊維でオススメのコンビニ食は?

「水溶性食物繊維が多いのは、バナナ、たまねぎ、海藻、杏、いちじく、ゴボウ、にんにくなど。コンビニでは、カットフルーツやもずく酢、ゴボウやレンコンのサラダは鉄板です。食物繊維は加工されていても問題ないので、ゴボウチップスやレンコンチップスでもOK! フルーツの場合、ドライのほうが成分も凝縮されているのでドライフルーツは特にオススメしたいですね。フリーズドライのものでもいいですよ。逆にフルーツジュースや野菜ジュースは、食物繊維を除いているものが多いので表示を確認しましょう。

寒天は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方含まれているので、便秘にも◎。寒天入りのデザートやミルク寒天はおやつにぴったりですね。もちろんこんにゃくも水溶性食物繊維が豊富です。最近はこんにゃく麺を使った麺類やこんにゃくサラダなども増えてきているので、是非食べてみてください!」

コンビニ食でできる応用編は?

「パンチの効いたカップスープにこんにゃく麺を入れるとヘルシーなカップラーメンになります。ほかにも、袋で売っているカット野菜をそのままレンジでチンしてカップスープに入れて湯を注ぐと食物繊維が豊富。スープに納豆やキムチを入れるのも良いです。お味噌汁でも合いますね。

あとは、丼ものや冷やしそば系に納豆キムチをトッピングしてみるとスタミナ系フードにもなりますので、これからの季節にぴったり。朝食にオススメなのは、ヨーグルトにバナナやドライフルーツを入れたもの。一緒に乳酸菌入りのパンを食べると、さらに効率的ですね」


今回お話を伺ったのは…

今、話題になっている“腸活”。なんとなく腸にいいことをすればいいというイメージだけど、具体的に何をしたらいいかわからない人も多いはず。今回は、管理栄養士でもありコンビニ外食研究家としても活躍している浅野まみこさんにコンビニでできる腸活テクを教えてもらいました。自粛の中でも始められるコンビニ腸活、今日からstartしてみて♡
mamiko asano

管理栄養士・コンビニ外食研究家
浅野まみこさん

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて糖尿病の行動変容理論をベースに1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、現在は、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ講演、イベントなど多方面で活躍中。飲食店のヘルシーメニューの考案や駅弁のプロデュースをはじめ、TVや雑誌に多数出演。著書に草思社「コンビニ食・外食」で健康になる方法。アスコム「血糖値あがらないのはどっち?」など。夕刊フジなど、連載コラムをもつ。YouTubeでも発信中。