皮膚科医いわく、ドラッグストアなどで気軽に購入できる軽石は“天然の角質ケアアイテム”で、乾燥して硬くなり、かさついた足裏をなめらかにする効果があるのだそう。

本記事では、太古から伝わるとも言われる身近な美容アイテム「軽石」を使用した角質除去の方法と、肌を傷つけないための注意点を<プリベンション>からご紹介します。


【INDEX】

軽石とは?

足や肘、手の荒れたザラザラ感を取り除き、使う度にやわらかですべすべの肌に導いてくれる軽石。

本来は、水と溶岩から形成される天然由来の物質であり、ニュージャージー州にある皮膚科医「Scherl Dermatology」アナ・クリスティーノ・ラウレアーノ医師によると、溶岩と水が結合して冷えると、硬くなり多孔質の軽い石になるそう。

製品化された軽石にはさまざまなサイズや形があり、なかには持ち手の付いた使いやすいタイプも。ただし、皮膚科医のターニャ・コルメイリ医師によると、軽石はマイルド〜ミディアム程度の力加減で角質を除去できるもので、過度にこすったり皮膚を無理矢理はがそうとすると、特に足の裏は乾燥してガサガサになったり、逆に角質を起こりやすくさせてしまうのだそう。

pumice stone in the bathroom
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アメリカ・ロードアイランド州にあるクリニック「Rhode Island Dermatology Institute」の創設者で、「プリベンションの医療審査委員会のメンバーである皮膚科医のキャロライン・A.・チャン医師は以下のように説明。

「軽石を使用することのメリットは、やさしく、かつ効果的に角質を落とし、やわらかな肌にしてくれることです」

ただし、普通に使えば安全であるものの、どんな角質除去用製品でも皮膚にダメージを与える可能性があるので、軽石についても適切な使い方と使用頻度を知っておくことが大切です。

軽石を使用する際の注意点

ラウレアーノ博士によれば、体の特定部分に軽石を使用する際には「強くこすり過ぎないよう注意が必要」とのこと。

「軽石を使う場合は、膝や肘、足(足首から先)のように皮膚が厚い場所がベストです。肌が敏感な人は、まず足から試すのが無難。敏感な部位は微小な擦過傷や裂傷が生じやすいので、顔のように皮膚が薄い部分には、軽石は使ってはいけません。薄い部分に刺激を与え過ぎると炎症が起き、傷跡が残ったり色素沈着が起こる可能性もあります」

また、低血糖や糖尿病を患っている人、あるいは血液をさらさらにする薬を使用している場合には軽石は使わない方がいいのだそう。

「こういった患者さんは出血や、足から引き起こす感染症のリスクが高くなります。神経損傷感染症のある患者さんは、医師からの許可がない限り、軽石を使うべきではありません」

つまり軽石は、使い方を誤ると出血したり、裂傷やかさぶたの原因になり得るということ。使用の際には丁寧にやさしくこすり、傷のある部分は避け、1日1回までに留めるようにしましょう。

また、使ううちに軽石の中に細菌が残る場合があるため、他人とシェアすることは避けて、必ず自分専用のものを使うことが重要です。

 
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軽石の正しい使用方法

たいていの人は一年を通じて、肌の変化を感じているはず。冬の乾燥だけでなく、素足で過ごすことが多い夏は肌が刺激にさらされる機会も多く、より傷つきやすくなっています。

軽石で角質除去をする際には、以下のステップを守ってトライしてみましょう。

Step 1

ケアをはじめる前に、軽石とケアしたい部分をそれぞれぬるま湯に5〜10分間浸します。ラウレアーノ博士いわく、ぬるま湯につけて皮膚をやわらかくしておくことで、そのあとのケアがスムーズになり、同じように軽石の質感もやわらかくなるとのこと。

Step 2

皮膚の硬くなった部分を、円を描くように軽石でやさしくこすります。このステップを2、3分間続けていると、角質が“こそげていく”のがわかるはず。ときどき、ケアしている部位と軽石をすすいで洗い流し、状態を確認しましょう。

Step 3

数分かけて角質除去をしたら、皮膚がやわらかくなったか手でチェックしてみましょう。まだ乾燥して固い場合は、そこをさらに円を描くようにもう1、2分間ケア。皮膚がやわらかく、なめらかになったらOK。これ以上削ると出血したり傷つけたりする場合があるため注意しましょう。

Step 4

こすった部分と軽石をぬるま湯で洗い流したらケアは完了。

「軽石は多孔質なので、削った角質が入り込んでしまう場合があります。使用後はよく洗って、十分にすすぐことが大事です」

また、ケアのあとはボディローションやフットクリームを塗って皮膚をなめらかに保つようにしましょう。


軽石は手頃な値段で買えるだけでなく繰り返し使えて、適切に使えば、なめらかな肌の維持にぴったりのツール。なめらかな足を手に入れるために、いつものフットケアに取り入れてみては?

※この翻訳は抄訳です。
Translation: 西山佑(Office Miyazaki Inc.)
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