思春期はもう過ぎたのに、気づくと頰にポツリ。しっかりケアしているのに治りにくかったり繰り返しできてしまったり…。コスモガールにとって、肌の大敵とも言うべき“ニキビ”。

「20代以降でニキビが突然できてしまう理由は、生活環境やライフスタイルの変化によるものが大きいと考えられます」。そう語るのは、ニキビ治療を得意とする美容皮膚科タカミクリニックの本田えり医師

今回は、大人ニキビに悩む女性たちのために、その原因と対処法について本田医師に詳しく解説していただきました。

20代以降でニキビができてしまう原因とは?

「ホルモンバランスの乱れやストレス、睡眠不足などの不規則な生活リズムや、油分の多いスキンケア、スキンケア時の肌への摩擦、間違った保湿ケアによるバリア機能の低下などの様々な要因が重なり、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌を引き起こしてニキビができてしまいます」と本田医師。

顔の部位ごとにできるニキビも、それぞれ原因が異なるよう。「おでこは、シャンプーや洗顔料のすすぎ残し、前髪が肌に触れる刺激が主な原因。頰はスキンケア時の摩擦や皮脂分泌過多によるもの。鼻は皮脂分泌過多にくわえ、つい触ってしまう“触りぐせ”も大きな要因に。口元は暴飲暴食や偏食による胃腸の弱りや、ストレス、アゴやアゴ裏はホルモンバランスの乱れや寝不足も関係しています」。思春期の頃のニキビと異なり、どうやら大人のニキビはかなり厄介! 

ニキビにはどんなアプローチが必要?

「ニキビケアで大切なのは、症状や肌状態に合わせてケアを変えること!」と本田医師。「ニキビの症状は“小さく赤いニキビ・白ニキビ・大きく痛い膿ニキビ・肌が赤くヒリヒリし、かつニキビがある”の4つに分けられます。症状に合わせて適切なケアを行わないと、ニキビが悪化するだけでなく、さらなる肌荒れを引き起こしかねません」。

ニキビができているときは、スキンケアの見直しが大切だそう。「肌に摩擦を与えない、油分を与えすぎないというケアを徹底して。全てのニキビのタイプにおいて下記の5つのケアを行い、さらに症状に合わせたアプローチを取り入れましょう!」

ニキビができているときの基本ケア

  1. オイル、クリーム(クレンジングや保湿)の使用を控える。
  2. ふき取り、スクラブ、洗顔ブラシ、マッサージなど、肌に摩擦を与えるケアを行わない。
  3. クレンジングは1分以内、洗顔は30秒以内で行う。
  4. たっぷりの化粧水+軽めの油分の保護アイテム(ゲル、乳液)で保湿する。
  5. コットンの摩擦はニキビを刺激するため使用せず、ハンドプレスで化粧水を浸透させる。

「ニキビは症状によって、原因もケア方法も異なります。自分のニキビがどれに当てはまるのかをチェックし、それに合わせて適切なケアを行いましょう。また、ニキビが気になるからとつぶしてしまうと、色素沈着になりやすく肌の凹みも残りやすくなるので絶対に避けて。触るクセがあると周りのニキビも誘発されるため、ニキビに触れないことも大切です」。

ニキビのタイプ別、原因と対処法

小さく赤いニキビ

原因と特徴

毛穴が詰まり、皮脂が溜まって、毛穴内部でアクネ菌が繁殖するのが主な原因。炎症を起こしている状態で、赤みはあるが痛みはあまりないのが特徴。

対処法

大人ニキビ用化粧品をライン使いし、1カ月使用しても改善がなければクリニックを受診して。単発であれば、ビタミンC誘導体入りニキビ用化粧水のコットンパックを使用しましょう。

白ニキビ

原因と特徴

ターンオーバーがうまくいかず角質が肥厚し、毛穴に皮脂が詰まるのが原因。ニキビの初期段階で、炎症は無い状態です。毛穴が閉じたままで、皮脂が盛り上がっているのが特徴。

対処法

アゴやアゴ裏、こめかみに白ニキビが多発する場合はホルモンの影響が強いので、グリコール酸やレチノイン酸、過酸化ベンゾイルなどのピーリング効果のある医師処方薬を使うのがおすすめです。オイル、クリームの使用や、スクラブ、拭き取りコスメの使用は悪化するので即ストップを。なかなか治らない場合は、ピルやビタミンA誘導体の内服薬も効果的です。

大きく痛い膿ニキビ

原因と特徴

赤ニキビが進行し、ブドウ球菌などが増殖して膿んでいるのが原因。ニキビ全体は赤く、中心には白または黄色の膿が見えている状態。皮膚が薄く破れやすくなっています。

対処法

セルフケアでは治療が難しいためクリニックを受診して。抗生物質の塗り薬や飲み薬が必要となります。

肌が赤くヒリヒリし、かつニキビがある

原因と特徴

強い洗浄力のクレンジングや洗顔料で1分以上擦って洗う、スクラブやふき取り化粧水を頻繁に行う、保湿が足りないなどの間違ったスキンケアでバリア機能が低下している状態です。外部からの刺激をブロックできずに、炎症により皮膚が腫れ、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが発生してしまいます。

対処法

まずは、セラミドやアミノ酸や消炎成分配合の敏感肌用スキンケアラインを使用しましょう。2~3週間でバリア機能が改善してもニキビができるようならクリニックへ。

ニキビを作らないために心がけることは?

「規則正しい生活を送り、適度な運動で自律神経を整えましょう。ストレスをためないよう、ストレッチやヨガ、長すぎない入浴などを取り入れるのも効果的。糖分や脂質の過剰摂取は皮脂分泌量を多くするので、食生活の乱れにも注意してください。糖分や脂質を控え、野菜やたんぱく質を多く摂取するように心がけましょう。そして肌への摩擦を防ぐために、時間をかけて擦りながら洗顔やクレンジングを行わないことも大切です!」。

思春期の頃に比べて代謝が低下している20代以降はニキビ跡が残りやすく、そのケアにもさらに時間を必要とします。生活習慣とスキンケアを見直してニキビを防ぎ、それでもできてしまったら、適切なアプローチを取り入れて!

今回お話を伺ったのは…

Physician, White-collar worker, Uniform, Smile,
ERI HONDA

美容皮膚科タカミクリニック 本田えり医師

ニキビや毛穴治療をメインに、アンチエイジング治療まで一貫して治療を行う。一人一人と真摯に向き合うカウンセリングと、分かりやすく丁寧な診察が人気。

美容皮膚科タカミクリニック ニキビ外来・毛穴外来
住所:港区南青山3-18-20 松本ビル3F〜5F
Tel.03-5414-6000(初診)