性暴行被害女性が「公開レター」で伝えたかったこと

「レイプ被害者に対する偏見をなくしたい」

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レイプや性的暴行にあってしまったとき、被害者は心と身体の傷に加え、社会的偏見にも向き合わなくてはなりません。「これ以上傷つきたくない」と事件について多くを語らない被害者が多い中、勇気ある1人の被害女性が犯人に公開レターを書き、公表しました。彼女が犯人に向けて語りたかったこととは? コスモポリタン イギリス版からお届けします。

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社会は犯人を責める以上に『レイプされた側にも非があるはず』と被害者を責める風潮があるのです。

サラ・ロエバックさん(現在24歳)は、約1年前インターンとして6カ月間働くためにロンドンからパリに向かいました。新しい経験を前に、希望で胸を膨らませていた彼女。しかし事件はその3週間後に起りました。ある晩、遊びに出かけたクラブで彼女は性的暴行被害に遭ったのです。事件は彼女の心に大きな傷と、決して消えない恐怖心を残しました。

事件から時が経ち、少しずつ立ち直りはじめた彼女は「辛い経験をたくさんの人に伝えなくては」と決意したそうです。そしてSNSプラットフォーム<Medium>に、犯人への公開レターを掲載しました。こういった体験について公に語るのはかなり勇気がいること。にもかかわらず彼女をそうさせたのは、レイプ被害者に対する人々の無関心や偏見に警笛を鳴らしたかったからだと、サラさんは語ります。「社会は犯人を責める以上に『レイプされた側にも非があるはず』と被害者を責める風潮があるのです。被害者は身も心もズタズタにされたというのに…」。

サラさんは犯人がこの公開レターを実際に読むことは(おそらく)ないことを理解しているそうです。にも関わらず手紙を書いた理由が、公開レターの冒頭に記されています。

この手紙を書こうと決めたのは、あなたに今日の午後再会したからです。最初に会ったときと状況は違っていたけれど。あの日私の身体に触れた手には、今日手錠が掛けられていました。そしてあの日、あなたの目は欲望の塊のようだったけど、今日はただひたすら床を見つめているだけでしたね。

今日私たちが同じ部屋にいたのは、私が希望したこと。あの日のように、あなたが消火器でドアを塞いで私をトイレに閉じ込めたからではありません。ドアの向こうには武装警官が警備し、3人の裁判官があなたを見つめ、そして私の横には弁護士が座っていました。

この手紙を書いても、あなたが読むことはきっとないでしょう。すでに10カ月間拘置所にいたはずですが、あなたはこれからの数年間を刑務所で過ごすことになるからです。

彼女の手紙には、暴行の様子も生々しく綴られています。

あなたは『ほんの数分の犯行』と供述しましたが、実際には20分もの間、私をトイレに閉じ込め、服を脱がし、シンクに私の体を押しつけて暴行したのです。

私が飲み物を落として滑り、床に倒れたから馬乗りになった、とあなたは供述しました。実際には私が足を使って何とか拒絶しようとした後、あなたは私の体をねじ伏せて床に倒し、全体重をかけて羽交締めにしたんです。

あなたは私をシンクの上に無理やり乗せ、泣き叫ぶ私の両足を開いて自分のモノを押し込み、服を胸の上までまくり上げて裸同然にしたんです。でもそのことをあなたは『12回体に触れただけ』と供述しました。その日私は生理中でタンポンを使用していたけれど、そのことに気づいたあなたは手を性器の中に何度も入れてタンポンを抜き出そうとしました。でもうまくいかなかったため、行為を止めたのです。

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つまり、生理中であったことが不幸中の幸いとなり、最悪の事態を免れることができたというサラさん。

私が"女性"であったことで、あなたは性行為そのものを最後までやり遂げることができなかったのです。生理は妊娠・出産ができる"女性"の象徴であるにも関わらず、ともすれば男性が嫌悪感を抱くものでもあります。その生理が、私を救ったのです。

さらに彼女は、どうやってその場から脱出したのかについても克明に綴っています。

暴行が止まったかも…と思うとすぐに、消火器を蹴飛ばしてドアを開けて逃げ出しました。犯人は私のバッグを取り上げて高い棚の上に隠し、携帯電話も奪われてしまったので、何も持たずにその場を脱出したのです。

バッグがない、つまり家の鍵も携帯電話もない状態で外に出た私は、誰にも連絡できず、家にも帰れず途方に暮れました。人生でもっとも弱り切っている瞬間にたった1人…。しかし3時間後、クラブ内でバッグが見つかったため、無事家の鍵を取り戻し帰宅することができました。でも家に帰っても、たった1人。孤独でした。

そして事件翌日についての記述から、性暴行の被害者が直面する現実が浮かび上がってきます。

翌朝目を覚ますと、言葉にできない、窒息しそうなほどの恐怖に襲われました。昨晩の出来事がよみがえり、ショックで体が震え、そして耐えがたいほどの絶望感が押し寄せてきたのです。人に体を見られ、多くのものを奪われてしまったことの恥ずかしさ。そしてこんな事件が自分の身に起きてしまったことへの罪悪感と自分を責める気持ち。このときに感じた絶望は、親しい人が亡くなったときの気持ちに似ているはずです。

そして彼女は「この公開レターをぜひ男性に読んでほしい」と綴っています。

(レイプ被害にあった)女性の苦しみを理解してほしいのです。私は被害者を取り巻く状況を変えたい何とかして変えたいのです。

レイプ被害にあった女性たちを取り巻く状況や社会が変化することで、自分と同じ思いをする人が少しでも減ってほしい。サラさんはそう願っています。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK

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