人気連載「私の生き方」でも取材した、各分野で活躍する4名の女性が、20代で経験しておいてよかったことを教えてくれました。

今ではパリで6店舗。その軸になった「29歳で企業の勉強スタート」

Maison Landemaine(メゾン・ランドゥメンヌ)代表、パン職人 石川芳美さん

10代からさまざまなことに挑戦し、自分のやりたいことは"起業すること"だと気づき、29歳の時に、通信教育で事業計画を受講しました。電話での講義が当時の受講スタイルだったので、毎日寝る間を惜しんで勉強しました。

まずは、自分を見つめ直すことから始まり、『どうして起業したいのか』『何をしたいのか』など、細かくリサーチ。その勉強を基に、事業計画書を制作し、参加した事業計画コンテストではいい結果を得ることができました。

起業してから数年経った頃、コンテストに提出した事業計画書が偶然見つかりました。なにより驚いたのは、その事業計画書に書かれていた内容を覚えていなかったにも関わらず、まったく同じ内容で起業し、経営していたことです。そのことに気がついた時、自分の夢や目標を分析して具現化する作業は、同時に、自分の潜在意識へ刷り込みをする作業でもあったのだということを学びました。そんな経験もあり、周りからは『めずらしい!』と言われますが、今でも自分で事業計画を作っています。

夢や目標を抱いているなら、その夢や目標を自己分析することが大切です。そして、がむしゃらに前へ進むこと。そうすれば、何年か後に、夢が現実になっています。今がスタート地点であり、基礎作りをする時。ちゃんとスタートができれば、ゴールは必ず近づいてきます。夢を夢で終わらせないために、挑戦を続けることが一番大事です」

20代でやりたい仕事で"フリーランスになる道"を選択

コーディネーター/コニクソン プロダクションズ代表 マキ・コニクソンさん

「大学を卒業後、テレビ局に就職しました。給料もよく、安定した生活を送っていましたが、配属された部署では、私がやりたいと思っていたドキュメンタリーのインタビュー番組を作ることができませんでした。例え、やりたい仕事ができなくても、いい待遇や安定した生活を選択することもできたのですが、『自分がやりたいと思う仕事ができる環境を作ろう』という思いのほうが大きかったので、20代で退社を決意しました。

フリーランスの道を選択するということは、ある意味、自分自身との戦いでもあり、とても大きな挑戦でしたが、やりたいと思っている仕事をしていると、その他の時間を犠牲にしてでも仕事に没頭できるんですよね。どんなにいい給料をもらっていても、そのお金では、自分のやりたいことは買えないんだと実感しました。そして、『チーム一丸となってひとつのものを作り上げていくことが好きなんだなぁ~』と、改めて感じることもできました。

やりたいと思える、生きがいを感じる仕事は、自分からアクションを起こすことが大切です」

20代のうちに留学したこと

モデル/医師 陳佳奈さん

「帰国子女の友達が多かったこともあり、『私も英語が話せるようになりたい』と大学を卒業したら留学しようと決めていました。そして、大学在学中から始めていたモデル活動を、卒業を機に本格化させたこともあり、『モデルとしても海外で挑戦してみたい』という思いが生まれました。モデル活動をしながら、英語の勉強ができる国は…と考え、ファッションの中心であるニューヨークを留学先に選びました。

留学したことで、英語が話せるようになったことをはじめ、ショーに出演するなど、モデルとしての活動も行え、自分の世界が広がりました。

また、その留学で、『世の中にはいろんな人がいるんだ』ということを知れたおかげで、『自分の好きなことをしていれば、賛同してくれる人が必ずどこかにいる。信念を持ってやり通そう』と、これからの人生を送るうえで自信を持つことができました」

音楽で、20代から国際的な挑戦を続けている

MC・シンガー・プロデューサー ティガラさん

10代の頃、音楽で仕事をすると決めてから、20代ではたくさんの挑戦、現在も挑戦し続けています。

音楽活動を始めるきっかけとなったのがブラジルのヒップホップだったので、音楽の仕事するためにブラジルへ行ったり、アメリカでレコード会社と契約をして、アーティストデビューをしたり、2枚目のアルバム制作のためにパリとロンドンで生活を送ったり…いろんな国で、たくさんのカルチャーショックを受け、初めての挑戦と失敗を繰り返しながら、なにかしらその国で手に入れたいものを手に入れてきたように思います。

私が初めての挑戦をするうえで、常に心の中にあるのは、『国際レベルで認めてもらえるアーティスト、人間になる』というテーマです。

仕事に限らず、旅行だったとしても、自分の知らない国を訪れて、その国の生活習慣や考え方を知って、受け入れていくことが、自分の人間性や人生そのものを豊かにしていくのだと思います。

自分が快適でいられる環境から飛び出して、新しく出会った社会やカルチャーを、いかに理解して受け入れるか、ただ言葉を話すだけではなく、それを超えたところにいかに行けるか。それが、本当の意味で、グローバルに活躍できる人間なんだと思います」