「命を買うより助けるほうがいい」という信念を持つ、ブラジルのとある女性が、子犬を産むためだけに劣悪な環境下で飼育されていたシベリアン・ハスキーのマヤを救ったことが話題に。マヤは女性と第2の人生を歩んでいる。

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5年前まで繁殖のためだけに飼われていた、シベリアン・ハスキーのマヤ。子犬を何度も産むためだけに劣悪な環境で飼育されていたマヤは、下半身が麻痺した状態に。マヤはブリーダーにとって“価値がない”とされ、処分される直前だったという。

保護依頼の電話を受けた施設で働くシルビア・ライサさんは、その悲惨な状況を見て、マヤを引き取ることを決意。

「2016年8月28日のことを私は絶対忘れません」

「犬舎に着くと、マヤは痛々しい姿で寝そべっていました。自分のおしっこを飲んで、自分のフンを食べていたのを見て、心が折れそうになりました。車に乗せると、彼女がその場を離れることに安心しているのが伝わったんです」
「はじめの48時間は彼女のそばを片時も離れませんでした。状況が深刻で、生きていられるかわからなかったので。けれど私は、彼女の目から諦めずに、生きたいという強い気持ちを感じたんです」

動物とは特別なつながりを感じると話すライサさんは、その後1年半、継続的にマヤの精神面、身体面のケアを行い続けた。

「マヤは初めは臆病でした。だけど責めることなんてできません。家族に愛されたこともなければ、撫でられたこともなかったのです。5年もの間、冷たい暗いケージの中で過ごし、人間の悪い面しか知りませんでした」
「それから長期的なケアを始めました。何度も動物病院に行きましたが、マヤの過去を考えると、歩けないだろうと予想はしていましたし、私にとって問題ではありませんでした。ただ、下半身が麻痺してしまったのは、酷使されていたからだと知るのは胸が痛かったです。彼女が経験した悪夢を想像することもできません」

やがて徐々に回復したマヤは、車椅子を使い自由に動けるように。保護から4年半以上が経ち、今では第2の人生を謳歌しているマヤについてライサさんはこう話す。

「みんなは私がマヤを助けたと言いますが、私はいつも『マヤが私を救ったんです』と答えています。マヤは私の人生を変え、私たちは愛とともに今日も生きています。愛が癒せない傷はありません!」
「マヤは、尊重と愛があれば、たとえどんなに深い魂の傷も、傷跡になるということの素晴らしい例です。傷跡は、マヤを傷つけたものよりも強い証であり、乗り越えることができた戦士にしかないものだからです」

マヤの幸せな第2の人生とライサさんとの絆を感じるエピソード。マヤの強く生きる力に多くの人が心動かされたはず。