ゴーツ・オブ・アナーキー(Goats of Anarchy、以下GOA)」は、米ニュージャージー州ハンプトンにある農場。ここではヤギや馬をはじめ、目が見えなかったり、歩く際に義足を必要とする、障害を持った動物たちが130頭以上保護されています。

People>によると、この農場で最近、ある素敵な出来事が起きたのだとか。

その“素敵な出来事”の主人公は、「ジジ」と名づけられた生後7カ月の雌ヤギ。GOAの代表リアン・ラウリチェラさんによると、ジジはとても心優しい性格で、盲目のヤギたちの群れと共に暮らし、普段から赤ちゃんヤギのお世話をしたり、寂しそうなヤギに寄り添ったりしているそう。

そんなジジが最近、これまでにはなかった行動を始めて注目を浴びることに。それは「マーリン」と名づけられた、歩けない雄のアヒルに寄り添うこと。

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ジジはマーリンが大好きなの! 彼に寄り添ったり、ハグしたり…これ以上に素敵なことなんてあるかしら?

「マーリンは足を負傷して歩けなくなったんです。義足を装着したり、車椅子を使ったりしてみたんですが、上手くいきませんでした」と語るリアンさん。それでもマーリンは、プールで水遊びをしたり、草の上で日光浴をするのが大好きなのだとか。

そんなマーリンにジジが近づいていったのは、ある日彼が日光浴を楽しんでいた時のこと。リアンさんはその日のことを次のように振り返ります。

「2週間ほど前、草の上にいるマーリンの横でジジが寝転がっているのを見かけて、すごく可愛いなって思いました。ジジは普段から仲間に寄り添う子でしたし、マーリンの隣に行ったのも偶然だと思っていたので、その日はそんなに驚きませんでした。ところがジジは、翌日もマーリンのところに向かったんです

新たな友情が芽生えて、とっても嬉しい!

その後もジジは毎日マーリンのところに通い続け、1頭と1羽のペアの日光浴は、今や彼らの日課に。

まるで、ジジがマーリンを慰めようとしているみたいです。最初はちょっと鬱陶しそうにしていたマーリンも、今はジジに毛づくろいをしてあげたり、擦り寄ったりしています。彼らのような友情関係は、今までこの農場で目にしたことがありません。非常に特別なものです」と付け加えたリアンさん。

GOAが保護しているのは、飼い主に捨てられたり、飼育放棄されたり、虐待された動物たち。非営利組織のため、運営資金は寄付によってまかなわれているものの、現在は新型コロナウイルスの影響で農場を一般開放できず、寄付を募るためにバーチャルツアーを行うなど試行錯誤しているとのこと。

リアンさんは近い将来パンデミックが収束し、ジジとマーリンの愛らしい姿を来場者たちに見てもらえる日が来ることを、心待ちにしているそうです。

動物たちが健やかに生きるために、人間にできることは何か――ジジとマーリンの友情をきっかけに、そのことについて考える人が増えれば、彼らの未来もより良い方向へと変わっていくかもしれません。