バージニア州在住の主婦クリスティ・キーンさんがFacebookに投稿した、生後2カ月を迎えたときの娘シャーロットちゃんのビデオが、数日のうちに視聴回数100万回以上を記録したことで大きな話題を呼んだそう。その内容は、補聴器の助けを借りて「アイラブユー」と言うママの声を初めて聴いた、シャーロットちゃんの様子をとらえたもの。多くの人が涙したこの動画について、<Good Housekeeping>が行ったインタビューから、クリスティさんの言葉をお届け。

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「自分の投稿にこんな多くの反響があるとは思いませんでした」と、クリスティさん。現在までにビデオは1,900万ビューを超え、「いいね!」は25万件、シェア数も31万件を記録。

クリスティさんは当初、ビデオを公開することは考えていなかったそう。しかし親戚から「友だちにも見せてあげれば?」と勧められてビデオを投稿することを決意。すると「翌日の朝にはシェアが数千件、月曜には100万に達していたんです」。

投稿の中でクリスティさんは、「シャーロットの耳が生まれて初めて音をとらえた瞬間。私がアイラブユーと言うのを初めて聞いたんです! 私と同じように、喜びの涙をこらえているような胸いっぱいの表情をしています」とコメント。

これまで生きてきて、こんな表情は見たことがありませんでした」と、クリスティさん。「私はこの子の母親だから、娘の目を見れば、悲しいのかびっくりしているのか傷ついているのか分かるんです。初めて娘が私の声を聞いた瞬間に目が合って、娘から気持ちが伝わってきました」。

ビデオを撮影していたのは夫のダニエルさん。軍人でいつも男らしいダニエルさんも、シャーロットちゃんのこの顔を見たときは、涙をこらえるような表情をしていたそう。「彼も私と同じように感動していました。その時までずっと、娘には私たちの声が聞こえないのだと悲しい思いで過ごしていましたが、そうした苦しみも吹っ飛びました」。

そして、実はこのときシャーロットちゃんがつけた補聴器は、寄付により無償で提供されたものだったそう。

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この奇跡の瞬間を迎えるまでの2カ月間は、クリスティさんとダニエルさんにとって辛い日々の連続。ふたりとも家族に聴覚障がいのある人がおらず、妊娠中にその可能性を考えたこともなかったため、シャーロットちゃんが生まれながらに耳が聞こえないと告げられときは、晴天の霹靂とも言うべき驚きだったとのこと。「非常に驚きました。娘を生むまでは聴覚障がいを持つ人に会ったこともなかったんです」。

娘の耳が聞こえないというのが、まだ事実だとは思えない。こんなに愛らしい娘に私の声が聞こえていないなんて、どうして信じられる? 娘がお腹にいるときに祈った私の声も、生まれた瞬間にかけた私の言葉も、娘には聞こえていなかった。一番辛いのは、私が娘に言う「アイラブユー」の声が娘には届かないこと。

シャーロットちゃんが生まれてから最初の24時間は、耳が聞こえないのは体液が耳を塞いでしまったからだろうというのが医師の見立てだったそう。けれども再検査の結果、シャーロットちゃんの両耳には高度感音性難聴があるとの診断が。アメリカ聴覚研究財団によると、1,000から2,000人の新生児に1人の割合でこの障がいを持つ子が生まれるとされているよう。

「シャーロットは高度な聴覚障がいを負っていて、将来的にも治療の見込みがありません」と、クリスティさん。「補聴器によってどの程度聴覚が得られているのかわかりませんが、娘が素晴らしい表情で反応してくれていることだけはわかります」。

クリスティさんとダニエルさんは今後、アメリカ手話法を学ぶことも考えており、さらにシャーロットちゃんが1歳を迎えるころには、人工内耳を埋め込む手術(インプラント)を計画中。インプラントを手掛ける企業によると、人工内耳は基本的に障がいを負っている器官の機能を代行するもので、補聴器の仕様とは異なるのだとか(補聴器は単に聞こえてくる音を増幅する働きをするもの)。

また、クリスティさんによると、シャーロットちゃんは2歳になる姉のキャメロンちゃんの声を聞くと喜ぶそうで、現在はスピーチセラピストから発話の仕方も教えてもらっているとのこと。そしてこうした一連の出来事によって、クリスティさんは今、人生を大きく変える経験をしていると感じているそう。

「人間の絆や人と人との関わり方について、こんな経験がなければ知るチャンスがなかったことをシャーロットに教えてもらっている気がします。毎日、シャーロットが補聴器をつけて笑顔を見せてくれるたびに、奇跡を実感しています

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 西山佑(Office Miyazaki Inc.)

Good Housekeeping