春は出会いの季節。新生活、新たな人間関係が始まることが楽しみな反面、上手くやっていけるかどうか、ちょっと不安になることもあるのでは? そこでアパレルブランド「AMATERAS」のCEO兼デザイナーで、<Instagram>では13.5万ものフォロワーを持つモデルの佐藤マクニッシュ玲子さんにインタビュー!

男女年齢問わず友人の多い玲子さんに、上手なコミュニケーションのとり方やSNS上の付き合い、友情についての考えや基本スタンスを教えてもらいました。

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――学生時代にモデル業を始め、起業した玲子さん、人間関係で悩んだことはありますか?

19歳か20歳の大学生の頃にテレビに初めて出演しました。有名な番組だったこともあって、連絡をとるような仲ではなかったような知り合いから「遊びに行こうよ」みたいな誘いが急に増えたんです。その日以来すごく人間不信になって、友達ってなんだろう? と感じてしまって…。

若いなりに悩んで、昔からの友達をやっぱり大事にしようと思えるようになりましたが、今でもいろいろな場面で考えさせられますし、新しく出会う人にはどうしても壁を作ってしまいます。友達に限らず、人生で新しく関わることになった人にはすごく慎重で、良くも悪くもどういう人かを見てしまいますね。

打算で近づいてきている人は、一瞬でわかります。女の勘、それだけなのですが、間違ったことがない(笑)。私の場合、大学生のうちに自分でブランドや会社を始めているので、今までの仕事の経験上、大人になめられたくないという気持ちも、もともとのスタンスとしてあると思います。それが頭のどこかで常にあるので、はじめましての人には「この人は大丈夫?」みたいな感じで、ジャッジしてしまいますね。

――友達を作るときに気をつけていることや大事にしていることは?

付き合う男性を見極めるのも、友達を見極めるのも同じだと思います。周りからは恋愛も友達作りもガードが固いし、厳しいと言われますね。友人関係に関しては“狭く深く”タイプ。もちろん“広く浅く”でもいいと思うんですけど、周囲に流されないことが重要。恋愛と同じで、自分を持つこと、自分を大切にすること、自分を安売りしないことがやっぱり大事ですよね。

自分の周りにいる友達は、どうしても一番影響される存在。悪影響がある友達とつるんでいたら、自分もそこから上にはいけないと思うんです。逆に私もこういう人になりたいなと思うような人たちと一緒にいれば、自然と自分もそういう風になれる。恋愛も友達も一緒にいる人次第で、自分の価値観やレベルが上がっていくものだと思っています。

――「厳しい」と言うと、どういう人となら友達になれますか? 玲子さんにとって、友達とはどういう存在?

大学生でも、30歳でも、年齢は関係なくて、その人の中身、ポテンシャル、将来性…一人一人のクオリティをすごく見ていますね。友達選びも厳しいですが、友達になった人にも厳しいかもしれない。すごく尽くすかわりに、何かやらかしたりすると本気で怒ります。あと、自分が強い女性でいたいと思う気持ちが大きい以上、友達にか弱い子はいないかな。女友達はけっこう強い子が多くて、一緒にいる男友達が疲れちゃうくらい(笑)。

いつもズバズバ言うわけではないですが、愛が深くて、お互いが高め合える、そういう子とよく一緒にいます。尊敬できない人と深くは付き合えないですね。街で会って、挨拶するような知人は何百人といますが、友達と呼べるのは尊敬できる子だけ。本当に仲のいい子たちは、私のことを肩書きで見ていないですし、私の悪いところも理解した上で怒ってくれるような人たちです。

――逆にどんな人が苦手ですか? 苦手な人とどうしても関わらないといけない時の対処法は?

一言でいうとフェイクな人が苦手です。媚びを売るような人やぶりっこな人は声のトーンや表情、目線ですぐにわかります。八方美人な子とは友達にはなれないですね。仕事上、出会う人の中にもいますが、そういう人と接するときに気をつけているのは、あまり自分の話をしないこと。今後は会うこともないだろうなという人とはSNSでも絶対に繋がらないです!

私が<Instagram>をやっていることは絶対に知っているはずなのに「インスタやってる?」みたいなお決まりのフレーズで相互フォローしようとしてくる人もいるんですよ。教えてとか、交換しようとか、素直に言ってくれたらいいのに! 酔った勢いで話しかけてきて、SNS上で繋がろうとしてくる人は本当に多いんです。

――業界内でのご友人もすごく多いかと思いますが、交友関係で大変なことは?

どんな場でも、いろいろな人に挨拶はするようにしていますが、あまり関係が出来ていない中で無理矢理自撮りをして私をフレームに入れようとしたり、タグづけされたり…(笑)。ひどい時はビジネスパートナーが察して、会話の途中でそういう人から遮ってくれます。疲れるけど、大変だと思っていたらストレスになるので、何も思わないようにしています。

表に出る職業の人ならみんな悩んでいるところだと思いますが、私の場合、大学生の頃からこの仕事をやっているところも大きいと思います。たとえばクラブで遊んでいる大学生が私を見つけた時に、親近感を持たれやすいというか、近しい存在だと思われやすい気がしますね。普通に友達に紹介されて、話しをしていたら、私が飼っている犬のことを聞いてきたり、ものすごく私のことに詳しくてビックリするなど(笑)。

初めて会った時の、友達になっていく過程みたいなものがあるじゃないですか。私だったら、いきなり愛犬の話はしないなと思うし、友達を作る段階でする話ではないのかなと。悪気はないとは思いますが、急に密な話をされると距離をおいてしまいますね。「ファンです!」とまっすぐに言ってくれたほうが、よほどいいです! それで本当に友達になった子もいます。その子は私のことをすごく褒めてくれたのですが、それで嫌な気はしないし、さらっとストレートに言ってくれたほうがうれしいから、今ではすっかり仲良くなってしまいました!

――友達関係のストレスをなくすための秘訣はありますか?

私はカナダの田舎でのんびり育ったので、もともと都会っ子でもないし、都会の人付き合いの環境やペースに慣れてなかったんです。最初は温度差が激しすぎて、ついていけませんでした。それで人間不信になった時期があったからこそ、自分を大事にすることや人を見極める力が身についたと思いますが、自分が傷つかないように気をつけている部分もあると思います。

友達だと思っていたのに! と裏切られた気分になるのは、相手に期待しているからじゃないですか。友達に自分と同じ気持ちを求めたり、私は正面から向き合っているのに、どうして? と思うこともあったけど、今は友達づきあいの前提として、人に期待しないということがあるかな。裏切られたと思うのが怖くて、友達と呼ぶ範囲を広げないところもあるかもしれません。

――最後に、人と接する時のMYルールがあれば、教えてください。

目を見て話す、挨拶をする、目上の人と話すときは敬語、などは当たり前ですが、あくまでも自分らしく、飾らないことですね。自分を無理に変えないようにしています。相手が年上だろうが、年下だろうが、いくら仕事であっても、ずっと敬語でビジネスライクに話すのは私らしくないし、絶対に私のことをわかってもらえない。

それこそフェイクに接していることになると思うから、もちろんマナーとして敬語は使うけれど、自分のキャラを曲げるような話し方にはしないように気をつけていますね。この業界に入ってから、挨拶をしないとか、御礼を言わないとか、私はこういう人にならないようにしようと思う反面教師もたくさん見てきました。

もしかしたら、そういう態度がかっこいいと思ってやっているのかもしれないけど、一方で、どんなに有名になっても、スタッフ一人一人にありがとうと言える人もいる。そういう人こそがかっこいいと思うし、私もどんなに成功しても、そういう人でありたいという気持ちをいつも持っています!


カナダの大自然から大都会・東京へと生活環境をガラリと変え、大学生活とモデル業を両立しながら、さらには自分のブランドをローンチ。肩書きが増え、周囲の見る目が変わったことにとまどいを感じた時期もあったという玲子さんが、本当に友達と呼べる存在と関係を築いていけるのは、自分をしっかりと持っているからこそ。玲子さんのように人を見極める力を身につけて、お互いに尊敬しあえて、高め合えるような友達を見つけたいですね!