アパレルブランド「AMATERAS」のCEO兼デザイナーとしても注目を集める、モデルの佐藤マクニッシュ怜子さん。プライベートの旅行と自身のブランドやモデルの仕事で、気がつけばほとんど毎月のように海外に出かけているんだとか。そこで今回は、旅慣れた怜子さんに、スムースで快適な旅行のコツや旅先での過ごし方を教えてもらいました!

――まずは怜子さんの「旅の掟」を教えてください!

「極力ラクをすることですね。飛行機に乗るときは超絶ラクなコーデで行きます。どれだけおしゃれで、ラクにいけるかを追求していて、いっそそんな服を自分で作っちゃおうと思って、この秋冬から『AMATERAS』でも販売を始めました。パジャマの延長線上的な、おしゃれでラクなスウェットのセットアップなんですが、これがすごく売れています!」

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「あと、アジアのような近場や泊数が少ない旅行のとき、荷物は預けずにキャリーオンできるスーツケースと大きいバッグのみにして、機内に持ち込んでいます。そうすると荷物の引き取りとかを全部スキップできて、早く空港から出られるので、時間短縮になるんです」

――機内での必需品や過ごし方は?

「絶対に欠かせないのは、ヘッドホンとネックピロー。普段あまり読書する時間もないので、映画を観るより、本を読んで過ごすことが多いです。自己啓発本を原書で読むことが多いかな。帰りの飛行機はデザインブックを広げて、その旅で吸収したことやインスパイアされたことを書くのが好き!」

「旅する度にいろいろなアイデアが生まれるんです。頭に浮かんだことをデザインにしたり、思ったことを言葉で書き留めたり。一応デザインブックと呼んでいますが、デザイン以上のこともいろいろと書いてあって。ダイアリーではないけど、私の頭の中にあるものを書き出してあるので、恥ずかしくて誰にも見せられません(笑)」

――機内や旅先でのビューティ・ルーティンはありますか?

「機内では最近、マスクをするようにしているのと、リップは必ず持って行きます。パックをする人などもいるかと思いますが、私にとっては現実的ではないのと、クリームなどはきれいに洗顔してから塗りたいタイプなので、ホテルに着いた瞬間にやります!」

「ホテルに到着次第、まずシャワーを浴びて、洗顔して保湿。もともと肌も髪も何もしないほうで、最近さすがにやらないとまずいかなと思っているんですけど、特別これがおすすめというものはないので、逆に教えてほしいくらい(笑)。あと、いつもはお家でお風呂に入る時間がないので、旅先ではゆっくりホットタブを楽しむ時間も大事にしています」

――ホテルを選ぶときのポイントがあれば教えてください。

「絶対にジムが基準! ホテルによってはダンベルとランニングマシンしかないところもあるので、筋トレができる設備とスペースがあるところをいつも選びます。旅行中もジムには毎日行くようにしていて、フライト当日でも到着時間次第ではトレーニングします」

「私の場合、走ったりはせず、ウエイトトレーニングだけなので、時間は短くて30分ほどということもよくあるし、しっかりやるときでも1時間くらい。筋トレって多分、自己満足みたいなものだから、やることで充実した気持ちになれるんですよね。だからジムウェアも旅の必需品のひとつです」

――現地コーデは予定に合わせて、準備していきますか?

「旅行先を自分で選ぶときはビーチが多いので、たとえば1週間リゾートに行くなら、水着は10着くらい持っていくかな。例えばLAだと、水着で外に出かけたりもするから、私服として持っていくことも。先日行ったイタリアは秋冬シーズンだったので、冬服をたくさん持って行って、大人っぽいコーデをしました!」

「今回はモデルのお仕事で行ったんですけど、自分のブランドの仕事でディナーやパーティに呼ばれるときは『AMATERAS』をよく着ます。ローブをナイトアウト仕様にかっこよく着こなしていると、反響がいいですね。アマテラスは海外ウケがすごくいいので声をかけられやすいですし、自分がやっていることが洋服で伝わって、宣伝にもなるから、旅先ではそういう意識は持っているかも」

「プライベートでも、もちろん『AMATERAS』を私服として着ていますが、ファッションはその国の雰囲気や気候に合わせて変えるようにしています。夏のアメリカなら、ショートパンツにタンクトップだけだし、冬のイタリアならタートルネックにネックレスをして、素敵なバッグを持って…という感じで全然違う。現地の有名なブランドで買い物して、その場で着ちゃうというパターンも多いかも!」

――旅先での食事はどうやって決めていますか?

「食事も国によって違うし、一緒にいる人にもよりますね。たとえば同年代の友達とタイに行けば、ストリートフードを食べるし、ボーイフレンドとアメリカに行くなら、いいお店を予約します。友達でも年齢や系統によって、ホテルもレストランも出かける場所も全部変える。旅行って、一緒に行く人と価値観が合う・合わないが出てきませんか? 相手に無理もさせたくないし、そこでトラブルがないように、基本的なことは一緒に前もって決めておくようにしますね」

「自分でリサーチもしますが、現地に住んでいる人のほうが素敵なお店を知っているので、知り合いに紹介してもらったり、予約しておいてもらったりというケースが多いかな。滞在中に一度は、星がついているようなレストランに行きます。でもタイではサソリが食べられるような、ちょっと刺激的なところにも行きましたよ! 私は『せっかくだから、ちょっと食べてみてよ!』って勧めるほうですが(笑)」

――最近行った国で、よかったのはどこですか?

「昨年の10月末からイタリアに、最初の3日間はお仕事で、その後はプライベートで1週間延泊しました。今までアメリカ圏やアジア圏に行くことが多くて、ヨーロッパは初めてだったので、そういう意味ですごく新鮮でしたね。ミラノとヴェネツィアとローマに行ってきたんですけど、道行く人みんながおしゃれなんですよ! ご飯もどこも美味しいので女子旅にもすごくおすすめだし、恋人と行ってもすごくロマンティックだと思います。中でも、私はヴェネツィアが一番好きでした」

――卒業旅行の行き先を考えている大学生に、おすすめしたい国はどこですか?

「東南アジアですね。どんどん発展しているなと行くたびに感じます。初めて東南アジアに行ったとき、貧富の差に驚いたんですよ。ブランドショップの隣の道端に裸足の子供が座っているみたいな状況で。当時すごくカルチャーショックを受けたんですけど、そういう価値観が変わるような現実も目の当たりにするかもしれないですし、コスパもいいと思います。島も楽しいですしね。プーケットみたいな有名な島より、クラビ島とかボラカイ島とか、あまりメジャーではない島がおすすめかな。行くのはちょっと大変でも、本当にきれいです!」

――旅先ではどう過ごしますか?スケジュールぎっしり派?

「ゆるゆるですね(笑)。この日はこれをしたいみたいな感じで大まかには決めておくけど、決めつけちゃうと絶対にその通りにいかないので、いつでも変更可能なようにゆとりを持たせておきます。あまり観光が好きじゃないというのもあるかもしれないのですが、美術館を見て、教会に行って、みたいな文化や歴史の観光をするより、現地の生活をしてみたいと思ってしまって」

「現地の友達と会って、レストランに行って、普通に話して、その子たちが送っているような生活を一緒にするのが好き。そのほうが学べることも多い気がするし、インスパイアされるんですよね。旅行というより、ショートステイという感じかな。ただ見るだけより、体験するような楽しい観光が好きです。たとえばタイなら、宮殿を見に行くより、ナイトマーケットやディープなストリートのほうに興味がありますね」

――では最後に怜子さんにとって旅の魅力とは何ですか?

「海外に行くのは、人生においての修行みたいなもの。“映え”のために行くものじゃないし、積極的にその国のリアルを見るようにしています。現地で新しい友達を作るのが好きですね。日本では絶対に経験できないような生活スタイルを味わえたりするのも楽しい! 『こんな暮らしもあるんだ!』みたいな発見があると、その国が大好きになります」

「先日、マカオに行ってきたんですけど、中国なのにみんな英語がしゃべれて、友達もいっぱいできました。中国本土とはちょっと違うけど、アメリカにいるわけでもない、その中間という感じでおもしろかったです。カジノは自分でやるのは好きではないですが、みんなが楽しんでいる場は見ていて楽しいですし、ちょうどクリスマス時期だったので街がキラキラで!」

「カジノとクラブとバーとショッピングセンターが全部一か所ににまとまったラスベガスのアジアバージョンという感じの、本当に遊ぶためだけの街ですね。話には聞いていたけど、初めて実際に見て、すごく楽しかったです。まさに“眠らない街”で、私も翌日の午後2時まで起きっぱなしでした!」


海外旅行では観光しても、食事しても、”映え“る写真を撮ることに一生懸命になりがち。現地で友達を作ったり、怜子さんのように、地元の人が集まるスポットに出かけてみたり、日本ではできない「何か」を体験して、暮らすように過ごす旅。ぜひトライしてみたいですね!