食習慣の多様化に合わせて、牛乳の代替品とも言われる植物性ミルクの種類がますます豊富になっている近年、欧米ではジャガイモ由来の「ポテトミルク」に注目が集まっています。
とある調査によると、2022年の食品および飲料部門において、豆乳、アーモンドミルク、およびオーツミルクに続き、ポテトミルクが2022年のビッグトレンドになると話題になっていることが明らかに。
そこで本記事では、今話題の「ポテトミルク」の特徴や栄養価を、専門家の解説とともに紐解きます。
【INDEX】
ポテトミルクとは?
<ガーディアン誌>によると、ポテトミルクの火付け役となったのは、英国における220店ものスーパーで市場初のポテトミルクを発売した、スウェーデンを拠点とするヴィーガン食品ブランド「DUG」。欧米で異例の大ヒットを達成したことをきっかけに、この新しい植物性ミルクに注目が集まりました。
そんな「DUG」の説明によると、ジャガイモとカノーラオイルをよく混ぜて作ることで、ミルク特有の分離を回避し、濃厚かつクリーミーな口当たりを実現しているとのこと。
環境の負荷が少ない
「DUG」のポテトミルクの最大の魅力の一つに挙げられるのは、「環境面において、最も持続可能な牛乳の代替品」になり得ること。
豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、および牛乳の原料と比べると、ジャガイモは場所を問わず栽培できるため、オーツと比べて2倍も効率的に土地活用ができると言われています。
さらに、「カーボンフットプリント」と「ウォーターフットプリント」の数値も圧倒的で、二酸化炭素排出量は牛乳に比べて75%も低く、水の使用量はアーモンドミルクに比べて56分の1で済むことが明らかに。
ポテトミルクの栄養価
「DUG」から発売された無糖のポテトミルク100ml(カップ約半分)には、次のような栄養素が含まれているとのこと。
- カロリー:39カロリー
- 総脂肪:3g
- 飽和脂肪:0.2g
- 炭水化物:1.3g
- 繊維:0.1g
- タンパク質:1.3g
- ナトリウム:0.11g
- カルシウム:120mg
- ビタミンD:0.75μg
- リボフラビン:0.21mg
- ビタミンB12:0.38μg
ジャガイモは、ブルーベリーやブラックベリーに並ぶほど抗酸化物質が豊富であるうえに、タンパク質、ビタミン、ミネラル、繊維、炭水化物も補うことができるのが魅力の一つ。
ヴィーガン栄養士のキャサリン・ペレス先生は、「ヴィーガンやベジタリアンにとって特に重要な栄養素であるビタミンB12、カルシウム、およびビタミンDを、『DUG』のポテトミルクで十分に補うことができる」と指摘。
さらに続けて、「ポテトミルクはココナッツベースのミルクに比べて飽和脂肪が少なく、ナッツアレルギーフレンドリー」だと推奨しました。
ただし、豆乳を除いた多くの植物ベースのミルク同様、タンパク質はそこまで豊富でないため、別の食品で補うか、ポテトミルクの摂取量を増やすべきとのこと。
日本では今のところポテトミルクの購入は難しいものの、毎日のように食卓に並ぶミルクだからこそ、選択肢が増えることを願う人も多いはず。
※この翻訳は抄訳です。
Translation:YUUMI IKEUCHI
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