一度は聞いたことがある、「砂糖は控えめに」という言葉。一方で、砂糖や糖類は分かりにくいかたちで様々な食品に含まれています。
2015年にはWHO(世界保健機関)が「大人と子どもの糖分摂取量ガイドライン」を発表。また、アメリカ農務省と保健福祉省も『2015~2020年版・食事のガイドライン』の中で加工食品に含まれる甘味料について触れ、1日あたりの添加糖摂取に関する適量について記しています。
砂糖や糖類の摂取量を管理するには、まずはその適切な量を知るべき。この記事では、1日に摂るべき砂糖の摂取量と過剰摂取を防ぐ方法を紹介します。
適切な砂糖や糖類の摂取量とは?
ガイドラインによれば、心臓病、肥満、糖尿病などの病気を防ぐためには、添加糖(調理や加工過程で加えられた砂糖)の量は、1日の総摂取カロリーのうち5~10%以下が望ましいとのこと。
たとえば1日に約2000kcalを摂取している人の場合は、加工糖では1gあたり約4kcalあるので、1日の摂取量の目安は50g。これは、ティースプーンでは10杯程度、角砂糖だと14個程度。一方で「アメリカ心臓協会」は、女性は1日に25g以下、男性は1日に36g以下の摂取を推奨しています。※1日の総摂取カロリーのうち加工糖の摂取を10%とした場合
注意したいのは、ここで示されている添加糖には、果物や野菜、乳製品に含まれる自然由来の糖分は含まれていないということ。 WHOのガイドラインでは、「果物や野菜に含まれている自然由来の糖分は、健康上の問題を引き起こす可能性が少ない」としています。
「砂糖」以外で表記される糖類の例
成分表や食品ラベルを確認する際には、「砂糖」という表記だけでなく糖類の別名が含まれていないかも見てみましょう。
「砂糖」以外で表記される糖類の例
- アガベ
- 花蜜
- 麦芽
- サトウキビ糖
- キャラメル
- コーンシロップ
- ブドウ糖
- 果汁
- ハチミツ
- 麦芽糖
- 糖蜜
- ショ糖
- シロップ
砂糖や糖類の摂取量を減らす方法
米国登録栄養士のジャクリーン・ロンドンさんは、ソースやドレッシングなどにも糖類が含まれていることを強調。
「食品ラベルや成分表を確認してみてください。調味料、乳製品、パン、クラッカー、ドリンク類など、糖分含有量がわかりづらい食品にも糖類が含まれていることがあります」
ここからは、糖類の摂取量を減らすためのアドバイスをお届けします。
飲みものに気をつける
ソーダやジュース、スポーツドリンクなどのドリンク類は特に注意を! 砂糖や糖類の1日あたりの推奨摂取量を、あっという間に越えてしまう可能性もあります。
米国登録栄養士であり、テキサス州にあるタラント・カウンティ―・カレッジで栄養学の准教授を務めるクリスティーナ・リュー=ニューヴィルさんによるアドバイスは次の通り。
- 水分補給には、水を選ぶ。味がついていないと飲めないという人には、レモンやライム、ショウガなどを加えると、風味が増して飲みやすくなるのでおすすめ
- 牛乳や無糖のお茶を選ぶ
- どうしても糖分の入ったドリンク類をやめられない場合、小さめのボトルを購入し、氷や無糖炭酸水で薄めて飲む
- バランスのとれた食事、定期的な運動、十分な睡眠を心掛け、糖分の多いエネルギードリンクを飲む必要性を減らす
何気なくつまんでいるものを見直す
米国登録栄養士で健康アドバイザーのローレン・オコナーさんは、置き換えによって、できるだけ自然な糖分を摂ることを薦めています。
「糖分は気づかないうちに摂りすぎてしまうもの。でも、人生は楽しむことも大切。制限ばかりではつらいですよね。無理なく糖分の摂取量を管理するには、量や商品のサイズ、栄養表示を確認することが大切です。適度におやつを楽しみつつ、精製白砂糖を可能な限りホールフード(自然食品)に置き換えてみましょう」
おすすめの糖分置き換えの例
- ヨーグルトやオートミールには、砂糖やシロップではなく、熟したバナナやドライデーツのスライス、煮込んだリンゴなどを混ぜて甘みをつける
- 砂糖でコーティングされたシリアルなどを避け、低糖質のマルチグレイン(多種穀物)シリアルに新鮮な果物をトッピングする
- フルーツヨーグルトに含まれる添加糖を避けるために、低脂肪または無脂肪のプレーンヨーグルトを選び、食べるときに冷凍のミックスベリーを自分でブレンドする
- ブルーベリーマフィンやアップルパイのようなフルーツを入れた焼き菓子を作る場合には、砂糖の量は半分にカットする。それでも十分な甘みが感じられるはず!
- ハチミツや精製白砂糖の代わりに、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、フェンネル、オールスパイスなどのスパイスを使用する。スパイスは、ほんのりとした甘みを料理に加えてくれるのでおすすめ!
※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: 宮田華子
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