恋はしたいし、パートナーとの関係は深めたいけれど、距離の縮め方がわからなかったり、なんだか心地悪いと感じてしまったりする? それってもしかしたら、人に愛着を持つのを避ける「回避型」愛着スタイルかも…。

今回は、「安定型」、「不安型」、「回避型」の3つに分けることのできる「愛着スタイル」の中でも、「回避型」にフォーカス。交際関係に特化したカウンセラーであるホリー・ロバーツさんの解説とともに、愛着スタイルに関する説明から、「回避型」になってしまう原因、そして相性のいい愛着スタイルなどをお届け!


【INDEX】


「愛着スタイル」とは?

「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。ロバーツさんによると、この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響しているだそう。

「『愛着スタイル』は、両親などの保護者が子どもに、どのようなサポートと養護を与えるか、どのような情緒的な繋がりを持ち接するかによって形成されます」

自分自身は気づくことが難しいかもしれませんが、幼少期の記憶や体験は、大人になってからの人間関係の構築に、大きな影響力があるよう。

「回避型」愛着スタイルとは?

「回避型」愛着スタイルはその名の通り、人との関係性において、感情的な親密さを持つことを避ける傾向のこと。「(このスタイルの人は)愛着を持って近づくことを避け、他人とある程度の距離を置くことを好みます」とロバーツさん。

このような愛着スタイルを持つ人は、人とつながりを持つよりも、一人でいる方が心地良いと感じやすいのだとか。

恋愛面での「回避型」の傾向

ロバーツさんによれば、恋愛において「回避型」の人たちは、関係性が親密になることに慣れていなかったり、自ら遠ざけてしまうのだとか。そして、恋人のことを「重い」や「鬱陶しい」と感じてしまうことも。

ただし、他人と一定の距離を保ちたかったり、愛着を持つことを避けたいからといって、精神的なサポートを必要としない…というわけではないそう。

「回避型の人たちは、人からのサポートや支えはいらないと口で言ったり態度で示してしまいます。しかし、本当に人からの支えが必要な場合には、とらえにくい表現であったとしても、それとなく周りに訴えるのです」
avoidant attachment style and what it means
Drazen_//Getty Images

なぜ「回避型」になるの?

他の愛着スタイルと同様に、「回避型」も幼少時の体験や親との関係性が関わってくると言われています。ロバートさんによれば、保護者の愛情表現が乏しかったり、子どもとのコミュニケーションが少ない場合に、この愛着スタイルが形成される傾向があるとのこと。

また、いわゆる「愛のむち」と呼ばれるしつけであったり、厳しすぎる子育ても、「回避型」愛着スタイルに繋がると考えられるそう。

「たとえば、幼い頃に体や心が傷ついて、親からの愛が必要だったとき、慰めやサポートよりも、『自分がしっかりしなさい』という言葉や態度で接しられたり、そのような子育て方針の中で育つと、大人になって『愛着回避型』になりやすいのです」

また、フィジカルな愛情表現の薄さも「回避型」へと繋がる要素とのこと。

「親の愛情表現が、ハグなどのボディタッチの代わりに贈り物だったりすると、大人になっても他人とのフィジカルな接触が苦手と感じてしまうことも」

「回避型」と相性がいい人は?

自分の愛着スタイルを知ることで、自分はどんな人と合うのか、またどんな人を避けるべきなのかを知ることができるよう。

相手の愛着スタイルを知るためには、ある程度の期間を一緒に過ごし、性格や行動を理解する必要はあります。相手がどのように人と繋がりを持ち、関係性を築いていきたいのかという視点を持つのも、自分と相性のいいパートナーを見極めるための一つのコツかも!

以下が「回避型」の人が、他の愛着スタイルを持つ人と交際した際に考えられる、関係性のあり方なのでチェック。

「回避型」×「回避型」

「回避型」の人は、同じく「回避型」の人と恋愛関係に発展することは少ないと考えられます。もし発展したとしても、健康的な関係性を保つことは難しいかもしれません。一方が相手から心的サポートが必要なときに、“支えてほしい”と明白に訴えかけることがなかったり、相手がそのSOSに気づかないというシチュエーションも。

「回避型」×「不安型」

自信が持てずに、“自分は嫌われているのではないか”と、相手の反応を気にしてしまう「不安型」の愛着スタイル持っている人とは、相性がいいとはいえないよう。

常に親密さや情緒的なサポートを求める「不安型」と、それを積極的に避けようとする「回避型」は、お互いのニーズを満たすことができずに、不満だけが溜まっていく可能性が…。

「これは、猫とネズミの関係に似ています。さらに近づきたい『不安型』が駆け寄っていくのに対し、『回避型』が常に逃げてしまうのです。『不安型』が近づくにつれて、『回避型』はさらに距離を置こうとするので、どんどん遠ざかってしまい、お互いの気持ちが交わることがなくなってしまうと考えられます」
depression in young people
martin-dm//Getty Images

「回避型」×「安定型」

人のことを肯定的にとらえ、恋愛に対しても前向きな「安定型」は、「回避型」が突き放そうとするのに対し、受け入れる姿勢を保つことができるため、少しずつ関係性を築くことができると考えられるそう。

しかし、「安定型」の人でも、「回避型」の距離を置こうとする態度や行動を、いつまでも受け入れることができるわけではないと指摘。

「時間が経てば、どんどん距離が遠のいてしまいます。『回避型』の人が努力をしないかぎり、『安定型』が求めるアテンションや愛情が届かないため、関係性が崩れてしまうこともあります」

愛着スタイルはどう改善できる?

「回避型」や「不安型」の愛着スタイルを克服して、「安定型」を目指すには、まず自分自身に目を向けることが大切だと、ロバーツさんはアドバイスします。

「回避型」や「不安型」の愛着スタイルを持つ人は、自分の足りないものを、相手に求める傾向があるそう。まずは、自分が求めていることを自分自身で補うことで、人に頼らずに心の安定を養うことができるようになるとのこと。

様々な愛着スタイルがあるけれど、目指すべきは「安定型」。自分の性格や行動の傾向を見つめなおして、なぜ今の愛着スタイルを持っているのか、克服するために必要なのは何なのか、自分に質問してみて!

※この翻訳は抄訳です。

Translation: ARI

COSMOPOLITAN UK