「どこかにきっと運命の人がいる」と考えたことがある人は少なくないはず。恋愛小説を読んだり、映画を見たり、ラブソングを聞いたりしていれば、“運命の人”を探すようになるのは無理もないこと。

ところが、これがやっかいなものらしく、イギリスの慈善団体<Relate>の人間関係カウンセラーであるレイチェル・デイヴィーズさんによれば、いつか運命の人に出会えると信じることはむしろ有害で、実現できるかもしれない良好な関係を逃すことにもなりかねないそう。ちなみに<Relate>と婚活サイト<eHarmony>が行った最新調査によると、もっともこの“運命の人症候群”にかかりやすいのは、35歳以下の人々(5人に1人)とのこと。

では、なぜ運命の人を信じるべきではないのか。デイヴィーズさんが語るその6つの理由をコスモポリタン イギリス版から。

1.運命論に陥る

「運命の人症候群が危険な理由の1つとして、まるで良い恋愛関係は自然に発生するものだと思わせるという点があります。実際は、恋愛関係には良いときも悪いときもありますし、すべての関係には努力が必要なのです」

2.パートナーを他の人と比べ出す

「運命の人は1人だと信じることによって、本来は良好な関係を築ける人でも、相手を他の人と比べてしまいます。自分が間違った人と一緒にいるのではないかと不安になるのです。他の人を魅力的だと感じるのはよくあることで、だからと言ってあなたの相手が間違っているということにはなりません。誰か新しい人に出会うたびに、この人こそ完ぺきな人だと思うかもしれませんが、私たちはしばしば自分たちの理想像を相手に投影し、相手がそこからずれると失望するものなのです」

3.相手の欠点ばかり探す

「相手の欠点ばかりが気になると、良好な関係を築ける可能性のある人を最初から排除したり、別れたりすることになります。運命の人症候群は、しばしば相手がすべてにおいて(社会的、感情的、知的、性的、現実的に)完ぺきなベスト・パートナーだという考え方とセットになっています。でも、そんなに高い要求に応えられる人は誰もいません。高すぎる期待の問題は、相手に失望しやすくなることで、運命の人症候群に陥ると、可能性のあるあらゆる人々をリストから外してしまいかねないのです」

運命の人症候群pinterest
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4.現実的でない恋愛・結婚イメージを持つ

「多くの場合、運命の人症候群は、映画や小説、メディアで紹介されたインタビューなどによってその根拠を得ているものですが、それらはしばしば美しい舞台設定で熱烈に愛し合うカップルを描くか、ひどく不幸で破局する寸前の人々を描きます。長く続いているカップルの多くはその間にいるものなのに、中間は描かれません。でも、セレブだって私たちと同じようにケンカをするし、お互いに不機嫌になるし、日々の些細なことでイライラするのです。同じことはあなたの周りの友達にも言えます。彼らは会話やSNSでは自分たちの関係の一番良い部分を見せようとするかもしれませんが、実際はパーフェクトではないのです」

5.単純に実現する可能性が低い

「人生におけるあらゆる選択や日々の決断を考えると、お店で並ぶときに誰と隣になるか、誰が隣に住むかはただ単に偶然の結果です。皆が皆その中に運命の人がいると考えるのは、なかなか難しいでしょう」

6.運命の人は1人ではない

「おそらく、運命の人はたくさんいるし、その多くは“とりあえずの相手”(つまり、デートはしたいし、興味はあるけれど、一緒に年を重ねたいとすぐには思わない相手)から始まると考えた方がいいでしょう」

デイヴィーズさんがおすすめするのは、「この人が運命の人?」と考える代わりに、「この人といたら自分らしくいられる? それとも、誰か別の人のフリをしなきゃいけない? 私たちは一緒に笑える? 似たような価値観を持って、お互いを支え合える?」と自問すること。そして、答えが「イエス!」なら、将来有望ということですね。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN UK