芸術の秋は、感性が豊かになる映画を♡ 11月公開の映画から、音楽やアート、ファッションにまつわる作品をセレクト。あのトム・フォードが監督&脚本を務める『ノクターナル・アニマルズ』や、全編"動く油彩画"で描かれる『ゴッホ ~最期の手紙~』、映画好き必見の『人生はシネマティック!』など、見るべき作品5選はこちら。映画館で心を潤して。
『ノクターナル・アニマルズ』
公開日/2017年11月3日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
トム・フォードの魅力があふれる極上ミステリー
ストーリー/夫とともに暮らし、経済的に恵まれながらも満たされない生活を送るスーザン(エイミー・アダムス)。ある週末、彼女の元に、20年前に離婚をした元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)から、彼が書いた小説『ノクターナル・アニマルズ(夜の獣たち)』が送られてくる。それはあまりにも暴力的で衝撃的な内容が綴られていたのだ。元夫の才能のなさ、精神的な弱さを軽蔑してきたはずのスーザンだったが、小説の中にそれまで触れたことのない才能を読み取り、再会を望むようになる。彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、復習なのか…。
見どころ/監督はあのトム・フォード。原作を大胆にアレンジし、トム自身を彷彿とさせるキャラクターを主人公にするなど、オリジナリティあふれる脚本に注目。そして、スーザンが着用する衣装のほとんどは、映画のために製作されたオリジナルデザインなのだそう♡ ミステリアスな話に引き込まれつつ、トムの類稀なる才能にも惚れ惚れする!
監督・脚本/トム・フォード
キャスト/エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、アーミー・ハマー、ローラ・リニー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーン、エリー・バンパー
製作国/アメリカ
製作年/2016年
配給/ビターズ・エンド、パルコ
『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』
公開日/2017年11月11日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
名作の誕生には女あり?ロダンの愛と苦悩
ストーリー/1880年のパリ。彫刻家のオーギュスト・ロダン(ヴァンサン・ランドン)は、40歳にして国から注文を受けるようになり、彼の代表作となる『地獄の門』を制作する。この頃、内妻ローズと暮らしていたロダン。しかし、弟子入りを願う若いカミーユ・クローデル(イジア・イジュラン)と出会い、才能あふれる彼女に魅せられていく。すぐに自分の助手、愛人にし、10年に渡って情熱的に愛し合っていくのだった。お互いに尊敬しながらも複雑な関係が続き、破局を迎えると、ロダンは創作活動にのめり込んでいく。感覚的な欲望を呼び起こす彼の作品は、賛否両論を巻き起こし…。
見どころポイント/2017年11月で没後100年を迎える、オーギュスト・ロダン。『地獄の門』をはじめ、『考える人』や『接吻』で知られる、近代彫刻の父の"愛と苦悩"を描いていく。パリ・ロダン美術館が全面協力、さらにロダンを演じるヴァンサン・ランドンが、この作品のために、8カ月間も彫刻とデッサンに没頭。ロダンの人生を覗き見しているような臨場感にドキッ。
監督・脚本/ジャック・ドワイヨン
キャスト/ヴァンサン・ランドン、イジア・イジュラン、セヴリーヌ・カネル
製作国/フランス
製作年/2017年
配給/松竹=コムストック・グループ
『人生はシネマティック!』
公開日/2017年11月11日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
映画好きに贈る!映画への情熱と愛が詰まった名作
ストーリー/1940年、第二次世界大戦下のロンドン。イギリス政府は、国民の不安を取りのぞき戦意を高めるためのプロパガンダ映画を製作していた。そこで白羽の矢がたったのが、一度も執筆経験のないコピーライターの秘書、カトリン(ジェマ・アータートン)。双子の姉妹の物語で脚本を書くことになり、いざ製作がスタートすると、政府の検閲や軍部の横やりや、ベテラン俳優のわがままなど、脚本が二転三転するトラブルが発生。それでも戦争で疲れた国民を勇気づけるため、製作に勤しむカトリン。やがて出演者やスタッフとの結束力が固まり完成に近づいていくが…。
見どころポイント/アメリカやヨーロッパ各国の映画祭で絶賛された本作が、日本でも公開に! いままで映画製作に携わったことのない新人脚本家の奔走に、胸がギュッと締め付けられる。『007/慰めの報酬』のボンドガール役で注目された、ジェマ・アータートンの力強く、ときに繊細な名演に引き込まれるはず。
監督/ロネ・シェルフィグ
キャスト/ジェマ・アータートン、サム・クラフリン、ビル・ナイ、ジャック・ヒューストン、ヘレン・マックロリー
製作国/イギリス
製作年/2016年
配給/キノフィルムズ
『ゴッホ ~最期の手紙~』
公開日/2017年11月3日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
"動く油絵"で迫る、ゴッホ死の真相とは⁉︎
ストーリー/1891年、南フランス・アルル。青年アルマン・ルーラン(ダグラス・ブース)は、郵便配達人の父から1通の手紙を託される。それは、父の友人であり、1年ほどまえに自殺をした画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(ロバート・グラチーク)が、弟のテオに宛て出し忘れていたものだった。アルマンはパリへと旅立ち、画材商のタンギー爺さん(ジョン・セッションズ)の元を尋ねる。そこで知ったのは、テオがすでに亡くなっていたことと、フィンセントに対して自分が偏見を持っていたことだった。彼の死に疑念を抱いたアルマンは、真相を探し出し、手紙を受け取るべき人を探すため、オーヴェールへと向かう…。
見どころポイント/誰もが知っている画家フィンセント・ファン・ゴッホ。謎に多く包まれた天才画家の死の真相を映画で読み解いていくのはいかが? なんと、全編にわたって"動く油絵"で構築されているという大作で、125名の画家たちがゴッホのタッチを再現しながら描いていったのだそう…! まるで美術館にいるような感覚で、珠玉のサスペンスを鑑賞してみて。
監督・脚本/ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
キャスト/ダグラス・ブース、ロベルト・グラチーク、エレノア・トムリンソン、ジェローム・フリン、シアーシャ・ローナン、クリス・オダウド、ジョン・セッションズ、エイダン・ターナー、ヘレン・マックロリー
製作国/イギリス・ポーランド
製作年/2017年
配給/パルコ
『永遠のジャンゴ』
公開日/2017年11月25日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
極上の音楽映画!天才ギタリストの真実の物語
ストーリー/1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト(レダ・カテブ)は、パリでいちばん華やかなミュージックホール「フォリー・ベリジェール」に出演し、観客を沸かせる毎日を送っていた。音楽会の頂点を極めるジャンゴであったが、ナチスによるジプシー迫害が次第にひどくなっていく。ジプシー狩りがおこなわれ、家族やジャンゴ自身にも危険が迫っていく。そんな中、彼にナチス官僚が集う晩餐会で演奏を命じられ…。
見どころポイント/数々のミュージシャンに愛される、天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを描いた本作。劇中で流れる音楽のすべては、現代のジプシー・ジャズの最高峰ギタリスト率いる、ローゼンバーグ・トリオが担当しているそう。また、音源も譜面も一部分しか残されていない、ジャンゴ作曲の"幻の曲"『レクイエム』を、音楽家ウォーレン・エリスが創作!
監督・脚本/エチエンヌ・コマール
キャスト/レダ・カテブ、セシル・ドゥ・フランス
製作国/フランス
製作年/2017年
配給/ブロードメディア・スタジオ