還暦を過ぎているとは信じられないほど、粋でおしゃれなシャロン・ストーン。現在はマダムの成熟した魅力を振りまいているけれど、90年代のセックスシンボルだった時代は、今とはまた違った強烈なセックスアピールでハリウッドに君臨していました。
そんな彼女の62歳の誕生日を祝して、フェロモン全開だった80年代、90年代から今日までのシャロンの活躍をまとめてみました。
1980年代:ぱっとしなかった駆け出し時代
米国ペンシルバニア州で、1958年に会計士の母と工場で働く父の元に生まれたシャロン。大学時代にはミス・ペンシルバニアの候補になったほど、目立つ美貌の持ち主でした。
秀才だったにも関わらず、ミスコン参加期間にモデルになることを勧められて大学を中退。1977年にNYの「フォード・モデルズ」と契約し、モデル、女優としての活動を開始。
しばらくはB級映画の脇役に留まり、時にはクレジットに名前すら出なかったことも。
1985年に『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』で主役級のポジションをゲットし、作品もヒット。やっと美貌と演技力が認められるかと思いきや、翌年公開された続編が興行的に失敗。大ブレイクは当分お預けに。
1990年代前半:セックスシンボルとして大ブレイク
転機が訪れたのは、1990年にポール・バーホーベン監督の『トータル・リコール』で、アーノルド・シュワルツェネッガーと共演してから。
この後も低予算の作品にも同時に出演しつつ、1992年に同じくバーホーベン監督が手がけた映画『氷の微笑』でついに大ブレイク! 徐々に90年代のスクリーン・ミューズの座をゲットしていくことに…。
『トータル・リコール』(1990)
火星が植民地化された近未来を舞台に、地球に住む平凡な男クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)と、彼を殺害しようとする謎の組織との抗争を描いたSFアクション大作。
この映画でシャロンが演じるのは、クエイドの美しい妻ローリー。男を翻弄しまくるフェロモンたっぷりの悪役ぶりが、大ブレイクへの足がかりになっていきます。
『トータル・リコール』予告編
『氷の微笑』(1992)
日本での配給収入19億円というメガヒットを記録した、エロティックスリラー。
全裸で緊縛された上、アイスピックで全身を刺されたナイトクラブ経営者の男、ジョニーの遺体が発見される。彼の恋人でセクシーなバイセクシャルの小説家、キャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)が容疑者として浮上するが、凄腕捜査官ニック(マイケル・ダグラス)はキャサリンを追ううちに、次第に彼女の性的魅力に嵌っていく。
白いハイネックのミニドレスで足を組み替えるシーンが話題を呼び、ネタとしても使いまくられた一作。この頃のシャロンは本当にクラクラするほどセクシーです。
『硝子の塔』(1993)
セックスシーンが話題を呼んだR指定のスリラー映画。
立地もスペックも最高のマンハッタンのアパートを手に入れた、35歳の美人編集者カーリー(シャロン・ストーン)。離婚したばかりのカーリーは、同じビルに住むハンサムな隣人ジーク(ウィリアム・ボールドウィン)と知り合い、彼に惹かれるようになるが、実はその建物には、ありとあらゆる場所に監視カメラが仕組まれていて…。
超美人の編集者と、スーパーイケメンのリッチなゲームデザイナーという設定にやや違和感があったのか、その年の最低映画を発表するラジー賞では、最低作品賞、最低主演男優賞、最低主演女優賞など7部門でノミネートされてしまった一作。でも、シャロンのセクシーな濡れ場は一見の価値あり!
『スペシャリスト』(1994)
人気絶頂だったシルヴェスター・スタローンが、知性派の爆破工作員役に挑んだアクション大作。
元CIAの爆破工作員レイ・クイック(スタローン)は、両親を殺した相手に復讐したいという女メイ(シャロン・ストーン)に出会い、メイの魅力に惹かれるあまり、彼女の依頼を引き受けてしまう…。
エンターテイメント作品ながら、シャロンの美貌もまさに最高潮と言える一作。スタローンのアクションにシャロンのセックスアピールをプラスするというわかりやすさで、映画も、グロリア・エステファンが歌う主題歌『Turn the Beat Around』も大ヒットしました。
攻めのドレス姿もすごかった!
全盛期のシャロンのフェロモンは、スクリーンの中だけには収まりませんでした。
こちらは1992年のカンヌ国際映画祭での一コマ。大胆に胸元の開いたドレスを見事に着こなすシャロン。隣にいるジェラール・ドパルデューの表情、顔色、汗がすべてを物語っているよう(笑)。イヤリングもゴージャス!
1995年:ゴールデングローブ賞のシルクドレス
ビバリーヒルズのヒルトン・ホテルで開催された第52回ゴールデングローブ賞授賞式でのシャロン。
前年シルヴェスター・スタローンと共演したアクション映画『スペシャリスト』はヒットしたものの、本格派女優への第一歩を目指した『わかれ路』と合わせて、屈辱的なラジー賞を受賞してしまうという、シャロンにとってはビターな年に。
でもドレスは艶やかなシルクで色っぽく。髪型は往年のハリウッド女優のようなビッグカールで、ゴージャスにまとめています。
1993年:「ヴァレンティノ」のファッションショーで
あまり知られていないけれど、実はシャロンは1993年に、「ヴァレンティノ」のショーにモデルとして登場しています。
白いミニドレスというのがまた『氷の微笑』を連想させますが、赤いブーケとリップが鮮やかで素敵。純白のドレスなのに、色気がありすぎて清純さゼロなのがまたシャロンらしい!
1990年代後半:実力派女優へ方向転換
リチャード・ギアと共演した1994年の映画『わかれ路』で本格派女優を目指すも、作品自体のツッコミどころの多さも仇になって、逆にラジー賞の最低主演女優賞を受賞してしまったシャロン。
が、そんな逆境を跳ね返すように、翌年には巨匠マーティン・スコセッシ監督の『カジノ』でヒロインのジンジャー役を熱演。見事ゴールデングローブ賞を受賞しました。この時の笑顔は、実に輝いています。
『カジノ』(1995)
1970~80年代のラスベガスを舞台に、実在の賭博師フランク・“レフティ”・ローゼンタールをモデルにした、マーティン・スコセッシ監督によるギャング映画。
この映画でシャロンが演じているのは、高級娼婦のジンジャー役。70年代ファッションに身を包んだシャロンが美しい!
『グロリア』(1999)
1980年に公開されたジーナ・ローランズ主演映画『グロリア』のリメイク。
赤の他人である少年を連れて逃避行を続けるうち、主人公グロリアの心の中に、いつしか母親のような感情が芽生えていく…というストーリー。
ジーナが演じた硬派なグロリアと比べ、シャロンのグロリアはちょっと可愛い感じ。重大な秘密が収められているのがフロッピーディスク、という点にも時代を感じます。
2000年代:あの作品の続編に挑むも…
2000年代に入り、話題作への出演が続いていた頃。2006年には、14年の時を経てまさかの『氷の微笑2』が公開に。
前回共演したマイケル・ダグラスは、この作品との関わり合いを避けてか出演を拒否。他にも大物俳優がオファーを断る中、シャロンは果敢にも再度キャサリン・トラメルを演じることに。
が、結果的には再度ラジー賞の最低主演女優賞に選ばれてしまうという結末に。ともあれ、女っぷりは健在ということだけは示せた模様。
『氷の微笑2』(2006)
舞台はロンドン。有名サッカー選手が車ごとテムズ川に落下して死亡する事件が発生。同乗していたのは過激な犯罪小説で知られる作家キャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)だった。
彼女の精神分析を担当した医師マイケルは、彼女の殺人告白に翻弄されつつ、次第に深い仲になっていく…。
ちょっと前作のパロディに見えなくもない本作。ラジー賞では最低主演女優賞を含む7部門にノミネートされ、4部門を受賞するという屈辱的な結果に。でも、シャロンの美魔女っぷりだけは見習いたい!