2024年1月16日(現地時間)に腹部の手術を受けたキャサリン皇太子妃は、自身の健康状態について、多くを公表することを望まなかった。だが、そのこと以上に、退院後に起きたいくつかのことをきっかけに、現在の皇太子妃の状態について多くの人が疑問を持ち、ますます憶測が広まる状況となっている。

ウィンザーの自宅で療養中とされているキャサリン皇太子妃に、いったい何が起きているのだろうか? 手術と入院が発表された後に起きた、主な出来事を振り返ってみよう。

ウィリアム皇太子の“ドタキャン”で噂が拡散

キャサリン皇太子妃の手術と入院が、多くの人に衝撃を与えたことは間違いない。だが、ケンジントン宮殿はその発表のときから、皇太子妃の状態について「頻繁に情報を提供することはない」と明言していた。

そのこともあり、驚きのニュースで受けたショックが和らぐと同時に、キャサリン皇太子妃の健康問題に関する報道は落ち着きを見せ始めていた。

だが2月27日、ウィリアム皇太子はゴッドファーザー(代父)のひとりである元ギリシャ国王コンスタンティノス2世の追悼行事への出席を直前になって取りやめ、その理由を「個人的な事情」と説明した。

このことを受け、インターネット上ではキャサリン皇太子妃の健康状態について、憶測が飛び交うことに。ケンジントン宮殿の広報担当者が、「皇太子妃の経過は引き続き良好」だと説明することとなった。

ただ、皇太子の突然の公務のキャンセルに加え、故エリザベス女王のいとこであるマイケル・オブ・ケント王子夫妻の長女、レディ・ガブリエラ・ウィンザーの夫トーマス・キングストン氏の急死が報じられたことも影響したのだろう。キャサリン皇太子妃の居場所や回復状況についても、噂はさらに勢いを増して広まることになっている。

広報担当者は、「手術後の予定については、1月に明確にお伝えしています。公表すべき重大なことがある場合にのみ、それをお伝えします。その方針に変更はありません」と述べたが、SNS上での議論の過熱ぶりは、いまのところ落ち着きを見せていない。

パパラッチが無許可で撮影

ウィリアム皇太子がゴッドファーザーの追悼礼拝への出席を取りやめてから1週間もしないうちに、パパラッチが撮影したキャサリン皇太子妃と母キャロル・ミドルトンさんの写真が、アメリカのメディアによって公開された。

ウィンザー城近くで撮影されたその“ぼやけた”写真を、イギリスの報道機関は取り上げなかった。王室関連の話題に詳しいジャーナリストのヴィクトリア・マーフィー氏はこれについて、「報道が禁止されていたわけではありません」と話している。

報道機関には、個人のプライバシー権の保護をはじめ、従うべき厳格な法律や倫理規定があり、それらはもちろんキャサリン皇太子妃の写真を扱う場合にも適用されている。

「無許可での撮影を控えるよう求められていながら、それを無視して写真を撮れば、法的な問題が生じる可能性があります。それだけでなく、そうした写真を購入する国内の報道機関は、数が限られています」

加工された公式ポートレートを公開

ケンジントン宮殿はイギリスにおける母の日だった3月10日、キャサリン皇太子妃と3人の子どもたちの写真を公開した。

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だが、ゲッティイメージズなどの大手写真エージェンシーや通信社はその日のうちに、配信を取りやめるよう報道各社に通告した。

その1社であるアメリカのAP通信は公開された写真について、「精査の結果、加工された画像の可能性があることが判明した」と述べ、シャーロット王女の左手と着ているニットの袖口の部分のつながりが不自然であることなどを指摘した。(なおこの写真について、インターネット上では「生成AIによるものではないか」と指摘する声もあがっている)

写真に関する通信社の基準は厳しく、AP通信は加工された画像を使用しないことを徹底している。

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写真の加工を「謝罪」

母の日を祝う写真を公開してからおよそ24時間後、キャサリン皇太子妃はその写真を加工していたことを自ら認め、「混乱を招いた」ことに対する謝罪のコメントをXで発表した。

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だが、それはこの写真が撮影された時期に関する疑惑を拭い去ることにつながっていない。ケンジントン宮殿は、写真はウィリアム皇太子が前週に撮影したものだと説明していたが、謝罪はそれについての“陰謀論”もさらに広めることになっている。

王室は、加工前の画像を公開していない。また写真エージェンシーは、配信の取りやめを求めた写真について「代わりの画像はない」としている。

夫妻でウィンザー城を出発

キャサリン妃がSNSに謝罪文を投稿した後、ウィンザー城から出る車に乗ったウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の姿がカメラに捉えられた。3月11日にパパラッチが撮影したこの写真では、カメラとは反対の方向を見ている皇太子妃の表情は見えない。

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このとき、皇太子はロンドンのウェストミンスター寺院で行われたコモンウェルス・デーの礼拝に向かったが、キャサリン皇太子妃は個人的な用事で外出する必要があったとされている。

そして、前回のパパラッチ写真とは異なり、イギリスのメディア各社はこの写真を公開している(だが、この写真も修整されたものではないかとする声もSNSで上がっており、それを検証する人も出てきている)。

公務復帰の時期は未定

the british royal family attend the christmas morning service
Stephen Pond//Getty Images
クリスマスの朝、最後に公の場に姿を見せたキャサリン皇太子妃、2023年12月25日撮影

皇太子妃が最後に公の場に登場したのは、2023年のクリスマス。ケンジントン宮殿は皇太子妃が手術を受けたことを明らかにした声明で、「公務の再開はイースター(復活祭、2024年は3月31日)より後になる見通し」だと説明した。ロイヤルたちは毎年、イースターサンデーにウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われる礼拝に出席する。

いっぽう、3月5日には国防省がウェブサイトで、君主の公式誕生日を祝う毎年の恒例行事「トゥルーピング・ザ・カラー」について、「キャサリン皇太子妃が出席の予定」だと発表した。

だが、この情報が発信されるとすぐに、ケンジントン宮殿は「皇太子妃の公務の予定を発表するのは国防省ではない」とのコメントを公表。国防省は、宮殿との事前の調整を行っていなかったとみられている。

そのほか、ウィリアム皇太子が創設した「アースショット賞」は、2024年の授賞式を南アフリカで行うことを発表した。だが11月に行われるその授賞式に、皇太子夫妻が出席するかどうかは明らかにされていない。

※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。

From: ELLE JP