トランスジェンダーであることを公表している、世界で活躍中の著名人49

2020年12月、エリオットは自身がトランスであり、“he/they”の代名詞を使っていることを自身のSNSで明かした。

「これを書けて幸運だと思います。ここにいられることも、人生でこの場所にたどり着けたこともです。私の旅路を支えてくれた、素晴らしい人々にとても感謝しています。真の自分を追求でき、ようやく自分という人間を愛せるようになったことは、言葉では言い表せないほど素晴らしいこと。トランスジェンダー・コミュニティのたくさんの人からインスピレーションを受けてきました」

「自分がトランスジェンダーであり、クィアであることも愛しています。自分自身を理解し、自分という存在を受け入れれば受け入れるほど、夢は膨らみ、心は成長し、より生き抜くことができていると感じています。ハラスメントや自己嫌悪、虐待、暴力の脅威と日々向き合っているすべてのトランスジェンダーの人へ、私はここにいて、あなたを愛しています。そしてこの世界をより良く変えるために、全力を尽くします。これを読んでくれてありがとう。愛をこめて、エリオット」

Netflixドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で主要キャストに抜擢され、瞬く間に最も注目を集める俳優の一人となったラバーン。

2014年には、MTVの番組『Laverne Cox Presents: The T Word』のエグゼクティブ・プロデューサーとして、デイタイム・エミー賞に輝いた初のトランスジェンダーの女性となった。その後もトランスジェンダー・コミュニティのサポートを続けているほか、『E! Live From The Red Carpet』の司会も務めている。

ドイツ出身のシンガー、キムが音楽シーンに登場したのは2017年。『Clarity』や『There Will Be Blood』、サム・スミスとコラボした『Unholy』などのヒット曲を生み出した。

キムは2009年に16歳で性別適合手術を受けている。2020年のアメリカ大統領選挙を前に、MTV、LogoTV、Trans Lifelineと協力し、トランスジェンダーの人々が、自身の性が正確に反映された身分証明書を取得するための活動に取り組んでいる。

ドラマ『ユーフォリア／EUPHORIA』でトランスジェンダー女性のジュールズ役を演じたハンター。同役は、自分のアイデンティティにとてもオープンで、自分に自信を持っているキャラクター。

若い世代からも多く支持されるこの役は、トランスジェンダーの表象の重要性を示す一例といえる。それでも、メディアのトランスジェンダーの人々の描き方にはまだ改善の余地がある、というのがハンターの意見。

「トランスジェンダーであることだけでなく、トランスジェンダーでありながら他の悩みや問題を抱えているような役がもっと必要です」と『Variety』に説明している。

「私たちのアイデンティティは一つだけでなく、とても複雑なのです」

元オリンピック選手であり、『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』で知られるケイトリンは、2015年にカミングアウトし、世間を驚かせた。

2021年には、共和党候補としてカリフォルニア州知事に立候補したことも。

俳優、モデル、作家として活躍するハリ・ネフは、映画『バービー』やNetflix『YOU ―君がすべて―』などへの出演で知られている。

世界最大手のモデルマネージメント企業IMGと契約した初のトランスジェンダーモデルでもあり、NYファッションウィークのランウェイなどにも出演している。

カナダ代表のサッカー選手クインは、2020年にSNSの投稿で自身のアイデンティティについて語っている。

ミッドフィールダーとして女子サッカーチームでプレーし、2016年リオ五輪ではチームを銅メダル獲得に導いた。2021年の東京五輪では、カナダ女子サッカーで初の金メダル獲得に貢献し、また初のオリンピック出場および金メダリストのトランスジェンダーと公表する選手となった。

「私は、自分と似た境遇の人が近くにいないクィアの人たちのSNSフィードに登場したいと思います。数年前に私の人生を救ってくれたのは、そのような人々なのです」

2019年、ブラジル人モデル兼俳優のヴァレンティーナは、「ヴィクトリアズ・シークレット」が初めて起用するトランスジェンダーと公表するモデルとなった。

さらに、2020年には『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着号に登場した初のモデルとして壁を打ち破り、新たな道を開いている。

NY発のファッション誌『Paper』の元ビューティディレクターで、現在はTikTokスターとして知られるエミラ。人気の“Get Ready With Me”動画では、その気さくな魅力で注目を浴びた。

2022年には、バレンタインデーのSNSキャンペーンの一環として「ヴィクトリアズ・シークレット」のモデルを務めることに。「私が発信する情報は、すべて自信と自己愛に基づくものです」とエミラはUS版『Seventeen』に語っている。

「ビューティやファッション業界が変わりつつあることを伝え、世界中の若いトランスジェンダー女性やトランスジェンダー男性に力を与えたいです。『ヴィクトリアズ・シークレット』と仕事ができることにとても感謝していますし、これによって次の世代へ道が開かれることを願っています」

ドラマ『POSE／ポーズ』でトランスジェンダー女性のブランカ役を演じたMJは、2021年のエミー賞で主要部門にノミネートされた。トランスジェンダーと公表している女優では、初めてのノミネートとなった。

「色々な感情が込み上げています。喜びも感じているし、達成感もあります。やっと認められた気がします」と『Deadline』に話している。

「私はホイットニー・ヒューストンのような、夢と願望を持った、北ニュージャージー出身の女の子です。こんなことが私に起こるなんて、思ってもみませんでした。何が起きても進み続け、決して止まらないと自分に言い聞かせてきました」

MJはその後、同役でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞（ドラマシリーズ）を受賞。同じくトランスジェンダーであることを公表している女優として、初めての受賞となった。

ドラマ『POSE／ポーズ』でMJと共演したインディアは、トランスジェンダー／ノンバイナリー・コミュニティのために尽力してきた一人。

人前に出る立場を生かして、人種差別反対を訴え、セックスワーカーや有色人種のトランスジェンダーの人々、障がいをもつ人々のために寄付を集めるなどの活動をしている。

『フォスター家の事情』のアーロン役などで知られるエリオット。

「番組の視聴者に、トランスジェンダーであることはいかに普通で、愛にあふれ、ロマンチックであるかを知ってほしいです」とUS版『TVガイド』に語っている。

『ゴシップガール』リブート版への出演でも知られるジオン。同作のなかでジオンが演じるルナ役は、同ドラマ史上初のトランスジェンダーのキャラクター。

ただ脚本家のジョシュア・サフランは、ルナのアイデンティティについてドラマ内には出てこないと語っている。

ジョシュアは『Variety』に次のように説明。

「ルナはトランスジェンダー女性ですが、この作品はルナがどうやって本来の自分になったかを描くドラマではない、と脚本家として決めたのです。ルナはただ、ルナとして生きているということなのです」

『プリティ・リトル・ライアーズ ORIGINAL SIN』でアッシュ役を演じ、シーズン2への出演も決定しているジョーダン。

アッシュも作中でもトランスジェンダーであることを公言しているが、本人はトランスジェンダーの俳優を求める役柄だけをやりたいわけではない、と『QType』に話している。

「いずれは、（出生時にあてられた性別が）男性の役も演じたいです」

ブロードウェイ出身のディランは、自身の性別移行の過程について語るSNS投稿で、多くの注目を集めた。

親友であるレニー・ラップの楽曲『Too Well』のミュージックビデオに出演したほか、2023年3月には性別移行してから一年がたったことを祝うため、自身のバラエティ番組を制作。

2022年にはホワイトハウスを訪問し、バイデン大統領とトランスジェンダーの人々の権利について話し合いを行ったことも。

『レイブンのウチはチョー大変！』で、ディズニー・チャンネル初のトランスジェンダーのキャラクター、ニッキー役を演じたジュリアナ。

「多くの人がトランスジェンダーの人に会ったことがなく、個人的に知っている人や関わりがある人は、さらに少ないというのが現実です」と『Refinery29』に語っている。

「TVで見ることで、私たちのことを知り、考え始めるきっかけになるはず。私たちという存在が当たり前になるまで、発信する必要があると思います」

俳優のサーシャは、映画『Cowboys（原題）』でトランスジェンダーの役を演じている。

同作での役柄を振り返り、「トランスジェンダーの子どもの役は、脇役ですらほとんどありません。（男性性の要素を強く持つ）トランスマスキュリンの役はなおさらです」「壁を壊すことができてうれしいです」とコメント。

サーシャはその後、ドラマ『サンタクローズ ザ・シリーズ』にレギュラー出演するなど、活躍し続けている。

ドラマ『POSE／ポーズ』にゲスト出演したほか、テイラー・スウィフトの楽曲『Lavender Haze』のミュージックビデオで相手役を務めたことでも知られるレイス。

IMDbに掲載されている情報によると、2017年には「ディーゼル」のキャンペーンに起用されたことも。

TVシリーズ『ヘンリー・デンジャー』のシュウォズ役を演じたマイケルは、「生まれたときに性別を間違えて割り振られたんです」と2019年に『タイム』誌に語っている。

2000年に性別移行をしており、「自分を男性だと認識していますが、トランスジェンダーの経験をしたことを誇りに思っています」と話している。

同作の共演者で主演のジェイス・ノーマンは、「マイケルに対してもともと持っていた尊敬や称賛に、（性別移行は）何も影響を与えなかった」と同誌に説明。

「TVであらゆるタイプの人間が表現されることは、世界にとって最善の利益です」

2024年現在も再上演中の『スウィーニー・トッド』で、ブロードウェイデビューを果たしたヘネシー。ブロードウェイで数少ない、トランスジェンダー男性であることを公表している俳優の一人。

「自分自身を心から理解して、鏡に映る自分を受け入れられるようになってから、より多くの仕事の機会をもらうようになりました」と『Playbill』に語っている。