映画『マン・オブ・スティール』でスーパーマン役に抜擢され、その後も数々の作品に出演してきた俳優のヘンリー・カヴィル。先日ポッドキャスト番組に出演したヘンリーは、あるシーンの撮影が好きではないことを明かした。

「セックスシーンは多用されすぎている」

USA TODAY>によると、先日出演したポッドキャスト番組『Happy Sad Confused』のなかで、「セックスシーンは理解できないし、好きではない。それらのシーンが映画にプラスになる場合もあるが、最近は多用されすぎている」と語ったヘンリー。

「セックスシーンを観ると『これは本当に必要なのか、それともただ単に服を少ししか着ていない人たちが映っているだけなのか』と考え始めてしまうんだ。すると居心地の悪さが増してきて、『このシーンにはパフォーマンスもなければ、作品全体に意味があるような要素もないのではないか』と思うようになる」

NEW YORK POST>によると、ヘンリー自身はセックスシーンが好きではないが、映画にとってより深い意味をもたらしたりするのであれば、重要なシーンになることもあるだろうと補足している。

セックスシーンは減少している!?

BBC>が報じたところによると、ライターのケイト・ヘイゲンさんが2019年に行った調査では、セックスシーンが減っていることが明らかとなった。

映画やテレビ番組の情報をまとめたサイト<IMDb>のデータを使用した同調査では、過去50年間のなかで現在はメジャーな映画作品にセックスシーンが少ないことが判明。実際に、2010年以降に公開された長編映画148,012本(IMDbデータベースによる)のうち、セックスの描写があった作品は1.21%だったという。

sunlight on messy bed in home
Stephen Simpson//Getty Images

特にセックスシーンが多かったのは、エロティック・スリラーの全盛期である1990年代で、全映画の1.79%が取り入れていたとのこと。一見、数値に大差がないように見えるものの、2010年代に公開された映画の数が1990年代の約4倍であることを考えると、セックスシーンは半分以下に減っている。

「性的なシーンは必要ない」と考えている若者も

実際に、「性的なシーンは必要ない」という考えをもつ若者も多いよう。映像作品におけるZ世代の意識調査をまとめた『Teens & Screens』によると、Z世代(1990年代後半から2010年に生まれた世代)は、テレビや映画では“ロマンスや性的なシーンが多すぎる”と考えていることが明らかとなっている。

同報告書を発表したUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のCenter for Scholars & Storytellers(CSS)の創設者兼事務局長で、同研究の共著者であるヤルダ・T・ウールズ博士は、「テレビや映画において、若者が性的なシーンがもっと減ったらいいのにと思っているのは事実です」とコメントしており、より深い友情やプラトニックな関係が描かれるストーリーを若者は望んでいるよう。