デンマークでは2024年1月14日(現地時間)、女王マルグレーテ2世の退位に伴い、国王フレデリック10世とメアリー王妃が即位しました。およそ半世紀ぶりの君主の交代として、注目が寄せられています。
また国王夫妻の出会いから結婚までの経緯は、「まるでロマンチックな恋物語のよう」だとして、二人の交際が発覚してから国際的な関心が寄せられています。そんな“ロイヤルラブストーリー”を、それぞれの誕生から時系列で振り返ってみます。
1968年
マルグレーテ王女と夫のヘンリク殿下の第1子、フレデリック王子(洗礼名はフレデリック・アンドレ・ヘンリク・クリスチャン)は1968年5月26日に誕生しました。母が女王マルグレーテ2世として即位したのは、4歳のとき。王子はそれと同時に、「皇太子」に。
1972年
メアリー・エリザベス・ドナルドソンさんは1972年2月5日、スコットランド出身の両親の間に移住先のオーストラリア・タスマニアで誕生。皇太子と結婚するまでは、オーストラリアとイギリスの国籍を保有していました。
1994年
メアリーさんは、タスマニア大学で法学と商学の学士号を取得。その後はDDBワールドワイドやMOJOパートナーなどの大手広告会社に勤務。
1995年
スポーツや冒険好きの皇太子(犬ぞりで4カ月をかけて約2,740キロメートルを移動する、グリーンランド遠征に参加したこともある)は、デンマークのロイヤルとしては初めて大学で教育を受けています。オーフス大学で、政治学の修士課程を修了。
陸海空軍で軍事訓練を受けた皇太子は、この年には海軍の特殊部隊、フロッグマン中隊での訓練も。その後、海軍では中佐、陸軍と空軍では大佐となっています。
2000年
オリンピックの試合を観戦するため、シドニーを訪れていた皇太子。未来のパートナーとの出会いは、市内のパブ「スリップ・イン」でのことだったそう。皇太子は 「フレッド」と名乗っただけで、デンマークの王族であることは明かさなかったと言われています。
メアリーさんは2003年に出演したテレビ番組『60ミニッツ』で、「一時間ほどたったころ、近づいてきた人に『あの人たちが誰か、知っているの? 』と聞かれました」と話しています。
2002年
遠距離恋愛を続けていた皇太子とメアリーさんの関係が、将来を見据えたものであることが明らかになったのは、この年。メアリーさんはデンマークに移り住み、キリスト教のルター派に改宗。デンマーク語も習い始めます。
2003年
フレデリック皇太子は10月8日、フレデンスボー宮殿で、メアリーさんとの婚約を発表。翌年に結婚式を挙げることを明らかにしました。
2004年
フレデリック皇太子とメアリー妃は、5月14日にコペンハーゲン大聖堂で挙式。皇太子妃は、デンマークのデザイナー、ウッフェ・フランクが手掛けたアイボリーのボートネックのドレスを着用しました。
そのドレスの裏地には、1997年に亡くなったメアリー妃の母の結婚指輪が縫い込まれていたと伝えられています。またブーケには、主にオーストラリアに分布するユーカリの葉を取り入れたほか、マルグレーテ女王夫妻から贈られたダイヤモンドのティアラを合わせました。
ヴェールには、1905年に マーガレット・オブ・コノート王女(後にスウェーデン皇太子妃となった、マルグレーテ女王の祖母)が結婚式で使用して以来、デンマーク王室に代々受け継がれているアイリッシュ・レースのものを着用しています。
2005年
2005年10月15日、皇太子夫妻の第1子、クリスチャン王子が誕生。
2007年
2007年4月21日、第2子イザベラ王女が誕生。
2011年
双子のヴィンセント王子とヨセフィーネ王女が誕生。皇太子一家は6人家族に!
2022年
王室のスリム化を目指すマルグレーテ女王は、次男ヨアキム王子の4人の子どもたちから、「王子」と「王女」の称号をはく奪することを発表しました。皇太子夫妻は、女王の決断を支持。皇太子はこの時、次のように述べています。
「私自身も、今後デンマーク王室をスリム化していきたいと考えています。母の決断を支持します」
議論をよんだこの決定は、王位継承者であるフレデリック皇太子とその子どもたちの称号には、影響を及ぼしていません。ただメアリー妃はメディアに対し、次のようにコメントしました。
「この決断は下すことが難しく、受け入れるのが非常に難しいものです …… 時期が来れば、私たちの子どもたちの称号についても、検討することになるでしょう」
「クリスチャン(皇太子)が即位するとき、あるいはそのときが近づくころ、王室がどのような状況に置かれているか、いまの時点ではわかりません」
2023年
2023年11月、フレデリック皇太子とメキシコ出身のソーシャライト、ジェネヴァ・カサノヴァさんの不倫疑惑が伝えられました。カサノヴァさんは、噂を全面的に否定。スペインの<オラ>誌に対し、まったく根も葉もない話であるだけでなく、悪意をもって事実が歪められていると報道を非難しました。
この噂について、皇太子夫妻は何もコメントしていません。しかしマルグレーテ女王は皇太子夫妻の結婚生活の破綻を避けるため、譲位を決断したのではないかとする見方も浮上しました。
2024年
前年の大みそか、毎年恒例の国民に向けたスピーチでマルグレーテ女王は「2週間後に退位する」と発表しました。
そして、1月14日に国王フレデリック10世が即位。メアリー妃は王妃となった。君主が存命のうちに譲位するのは、デンマークではおよそ500年ぶりのことだった。
メッテ・フレデリクセン首相は行政府が置かれるクリスチャンボー城で国民に向け、新たな国王の誕生を正式に宣言しました。
イギリスでは2023年5月、国王チャールズ3世の戴冠式が行われましたが、デンマークでは大々的な式典は行われないといいます。
From TOWN&COUNTRY via ELLE Japan