ファンの求めに応じてサインをすることは、セレブやスポーツ選手などの著名人にとっては日常茶飯事。一方で、「青いペンではサインをしない」という暗黙のルールを守っている著名人が多いことを知らない人は多いかもしれません。

先日、イギリス王室をテーマにしたドラマ『ザ・クラウン』で若き頃のエリザベス女王を演じた俳優クレア・フォイが、青いペンでのサインを断った映像がSNSで話題に。その理由とは…?

TikTokに投稿された動画では、とある建物の前で待ち構えていた大勢のファンの間をクレアが通り抜ける姿が映し出されています。そこで「サインをください」と声をかけた男性が差し出したのは、写真のようなものと青いペン。一瞬はペンを持ちそうになったクレアでしたが、「ごめんなさい、青いペンではサインしないんです」と手を引いた様子が捉えられています。その後、黒いペンと白い紙を持った人物のサインには応じていました。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

この動画には、「青いペンでサインしないだなんて変なの」や「好きな俳優だけど、この対応は残念」、「青いペンではサインしない理由が知りたい」といったコメントが殺到。

実は、多くの人が疑問に思った「青いペンではサインをしない」背景には、 セキュリティ上の理由があると現地メディアが報じています。ハフィントンポストは、これまでもセレブやスポーツ選手などの著名人の中には青いペンでサインをしないことが多かったとしたうえで、その理由を「青いインクの方がスキャンされやすく、そのサインが詐欺や転売などに使われてしまうことを防ぐため」と説明。

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Alexander Koerner//Getty Images
黒いペンではサインに応じるクレア・フォイ。

昨年には、バスケットボール選手のパトリック・ベバリーも自身のポッドキャストで、青いペンでサインしない姿勢であることを告白。

「青いペンではサインしないように教わったんですよ。青いペンでサインしてしまうと、たとえばジャージーやスポーツ用品などに印刷されて販売されてしまうから。黒やグレーのペンではスキャンしづらいらしいんです」

クレア・フォイの姿を捉えたTikTokの動画でも、「黒いインクだとスキャンするときに反射しやすいから印刷したときに偽物を見分けやすい」といった補足コメントも散見され、「知らなかった」、「納得した」といった声が寄せられています。