世界的な人気を誇るドラマ『フレンズ』で、チャンドラー・ビング役を演じた俳優マシュー・ペリー。10月28日(現地時間)に自宅で逝去したことが伝えられ、『フレンズ』の主要キャストたちがコメントを発表したほか、多くの俳優やセレブをはじめ、カナダのジャスティン・トルドー首相などが追悼メッセージを送っている。

2022年には、自身の過去のアルコール依存症や薬物依存症についても綴った自叙伝『Friends, Lovers, and the Big Terrible Thing』を出版していたマシュー。 当時、自叙伝を発表した理由を「同じような経験をした人をサポートしたいという思いだけです」と答えていた。

また、ポッドキャスト番組「Q with Tom Power」のイベントに出演した際には、「真っ先に『フレンズ』の俳優として思い出されるのではなく、アルコールや薬物の依存症で苦しむ人たちを助けた人として思い出されるような存在になりたい」と語っていたことも。

「私の一番のいいところは、確実に、『お酒を止められないから助けて』と声をかけられたら、『もちろん』と答え、実行に移せるところ。それが最高なことです。もしこの世を去る日がきたら、真っ先に『フレンズ』の人として思い出されるのではなく、人助けをしてきた人間として思い出してもらいたいし、そうなるように一生をかけていくつもりです。私は、“立派に生きて精一杯に愛した探究者”、そんな人として記憶に残りたい。そして、最も大切にしていたのは人助け。それがいい」
instagramView full post on Instagram

実際にマシューは、『フレンズ』で共演したこともある友人ハンク・アザリアの禁酒を手助けしていたことが伝えられている。

マシューの逝去が報じられた後にInstagramを更新したハンクは、自身がアルコール依存症から回復するプロセスでマシューに助けられたことを告白。

「私は17年前から禁酒しています。彼は、アルコール依存症の更生会に参加した初日から禁酒する1年まで、ずっと会に付き添ってくれました。思いやりのある、寛大で思慮深い人で、私の禁酒の道を本当に助けてくれました」

マシューはまた、マリブにあった自宅をアルコール依存症を克服するためのリハビリハウス「The Perry House」に改造したことも。しかし、高級住宅街であるマリブを拠点とした運営に難しさを感じ、一度は売却している。その際にも、「もっと小さな街での運営再開を考えています。アルコール依存症の人を助けられる方法の一つなので、諦めるつもりはありません」と、<The Hollywood Reporter>に対し明かしていた。

アルコール依存症の人々を助けるための施設をつくる計画について、 実際にマシューは直近でも諦めていなかったことは<ピープル誌>などの現地メディアも報じている。マシューの遺志を尊重し、友人たちが施設の運営を実現させようと考えていることも伝えられている。