「世界卵巣がんデー」である5月8日(現地時間)、俳優のアンジェリーナ・ジョリー(47歳)が自身のInstagramで2007年に他界した母ミシェリーヌ・ベルトランを偲び、健康管理の大切さを呼びかけました。
幼き頃の自分と母親が写る昔の写真を公開し、ミシェリーヌの10年にわたる乳がんと卵巣がんとの闘いを振り返ったアンジー。
「明日は、母が73歳になる誕生日を迎えるはずの日です。彼女は15年前、乳がんと卵巣がんとの長い闘病生活の末に亡くなりました。6月に私は、母ががんと診断された年齢を迎えます。これまでも発症の可能性を低くしようと予防的な手術をしてきたほか、今も検診は続けています」
「私の母はジミ・ヘンドリックスが大好きでした。そして、いつも手紙に『キス・ザ・スカイ』とサインしていたんです。彼女が亡くなってから、それは新たな意味をもつようになりました。同じく愛する人を失った人たちに愛を、そして今この瞬間自分の命と愛する人たちの命のために闘っている人たちに力を送ります」
「そして女性たちへ。特に家族に罹患した歴がある場合は、自分自身をケアする時間をとり、マンモグラフィーや血液検査、超音波検査を受けに行ってください」
元夫のブラッド・ピットとの間に、実子と養子合わせて6人の子どもをもつアンジーは、2019年の<タイム>誌に寄せたエッセイで、母親をがんで失った後に予防手術を行った理由について明らかにしました。
「私は単純に子どもたちが大人になるのを見るために、そして孫に会うため、今ここにいる確率を高める選択をしたと思っています。私の望みは彼らとできるだけ長く人生をともに過ごし、彼らのためにいることです」
「母親がいない状態で、もう10年以上生きてきました。彼女は孫にも数人しか会えず、病気で遊べないことも多かったんです。母ともっと多くの時間を過ごし、愛や恵みに守られることで子どもたちがどれほどの恩恵を受けられたのかと思うと、この人生の何事も神から導かれたものと考えるのは難しい。私の母は10年間病気と闘い、50代になりました。祖母は40代で亡くなりました。私はこの選択をすることで、もう少し長く生きられることを願っています」
最愛の母を失ったアンジーは、2013年5月に両乳房切除しています。それは遺伝子検査でBRCA1遺伝子に変異があり、乳がんを発症する可能性が高いことがわかったからだそう。
そしてその2年後、卵巣がんを患う可能性を懸念して、卵巣と卵管も切除することに――。そんな彼女は、同誌のエッセイで傷跡がもつ意味について次のように語りました。
「皆は私が背負っている身体の傷跡について、どう思うかと尋ねます。私は、傷跡は私たちが困難を乗り越えてきたことを記憶してくれるものだと思っています。傷跡は、私たち一人ひとりをユニークな存在にしている一部なのです。その多様性こそが、人間の存在で最も美しいもののひとつなのです」
そしてアンジーは「最も耐え難い傷は、しばしば目に見えない、心の中の傷である」とも綴っています。