中東・イランで続く、22歳の女性が警察の逮捕後に不審死したことを巡る激しい抗議デモ。俳優のアンジェリーナ・ジョリーはInstagramでこのイランの状況に言及。デモに参加する人々への支持を表明し、女性の権利と自由について訴えました。

9月16日(現地時間)、イランで22歳のマフサ・アミニさんが警察に逮捕された後に急死する事件が発生。警察官による暴行が原因ではないかという疑惑が浮上し、同国各地で市民による大規模な抗議デモが激化しています。

亡くなったマフサさんが逮捕されたのは、同国でイスラムの教えに基づき女性に義務づけられている「ヒジャブ」の着用の仕方が不適切だからという理由でした。

そんななか、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使として難民支援活動や人権問題に取り組むアンジェリーナ・ジョリーは同月28日(現地時間)、イランの女性たちが抗議のためにヒジャブを燃やしたり髪を切ったりしているデモの様子を自身のInstagramに投稿。

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「イランの勇敢かつ不屈で恐れを知らない女性たちに敬意を表します。何十年も生き抜き抵抗してきた人たち、今街頭に立つ人たち、そしてマフサ・アミニと彼女のようなイランの若者たちすべてに」
「女性には何者かにモラルを取り締まられたり、心を再教育されたり、体をコントロールされたりする必要などありません。女性には暴力や脅威なしに生き、呼吸できる自由が必要なのです。イランの女性たちへ、私たちにはあなたたちが見えています。#WomanLifeFreedom #MahsaAmini」
rome, italy   october 25  angelina jolie attends the eternals photocall on october 25, 2021 in rome, italy photo by stefania dalessandrowireimage
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アンジーは同投稿の最後の画像で、イランで起きているデモについて次のように説明しました。

「イランでの抗議活動は12日間続けて行われています。彼・彼女たちは、22歳のマフサ・アミニが警察に拘束されている間に死亡したことに抗議するために(デモを)始めました。デモが始まって以来、機動隊は参加者を残忍に攻撃し、これまでに70名以上が死亡したと伝えられています」

<ロイター通信>によれば、同国では市民による抗議活動が激化するなかで、InstagramやWhatsAppなどのソーシャルメディアへのアクセスが制限されているそう。

同月26日(現地時間)には、ノルウェー・オスロの人権団体イラン・ヒューマン・ライツがウェブサイトで発表した声明を通じて「デモ参加者に対する拷問や虐待の危険は深刻」と伝えています。

「デモ参加者に対する実弾の使用は国際犯罪です。我々は国際社会に対し、デモ参加者の殺害、拷問を止めるため、断固かつ団結して実効性のある措置をとるよう求めます。世界は、基本的権利を求めるイラン国民を擁護しなければいけません」