元メジャーリーグベースボール選手で、クリーブランド・ガーディアンズ(当時の名前はクリーブランド・インディアンス) やトロント・ブルージェイズでピッチャーとして活躍していたT.J.ハウス。

ゲイであることをカミングアウトし、さらに婚約についても発表したT.J.ハウスが自身のSNSで明かしたのは、選手時代から感じていた葛藤。

元メジャーリーガーで、現在は不動産仲介業者として働いているT.J.ハウスは、予てより交際していた男性ライアン・ナイチェルさんにプロポーズし、見事成功。

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これまでの人生は「自分を守るために、ずっと人と距離を置いていた」と話している彼は、自身のFacebook上での投稿を通し、選手時代に抱いていた「選手としてではなく、一人の人間として愛されたかった」という想いについても綴っている。

「これまでの人生では、私はいつもキャリアで成し遂げてきたことを理由に愛されてきました。(中略)羞恥心を感じて黙っていた時期もあったけれど、愛が私を自由にしてくれました」
「23歳だった私は、子供の頃の夢を叶えて、クリーブランドでプロの野球選手になっていました。全てのエネルギーを野球に注いでいた私は、自分の心の中で起こっていた現実を麻痺させるように、野球をドラッグのようにも扱っていたのです。もちろん、選手としての毎日はとても楽しかったし、人生をやり直せるのだとしても、同じ道を選んでいます。だけど、いくらお金があって、派手な車に乗って、良い服を着て、少しの名声を手に入れたとしても、いつも家に帰っては自分を変えたいと願っていました。心の底では、キャリアを通しての自分ではなく、一人の人間として愛されたいと思っていたんです」

また、カミングアウトをしてこなかった理由についても告白。

「『(カミングアウトをしていない状況では)あなたらしさを知って愛するチャンスがない』と言われるかもしれません。たしかに、そうです。(セクシュアリティについては)ほんの数人にしか話していなかったですから」
「でも私は、様々な状況で、みんなの会話を聞いてきました。教会にも通っていたし、ネットでも様々な意見を見ていました。その影響で、カミングアウトすることを躊躇してしまっていたんです。たとえ私に直接言っていないつもりでも、私の根幹に関わる意見だったから。そういった会話を聞いているのは、とても辛かったです」

12月8日(現地時間)に、アメリカで可決された「婚姻尊重法案」。これは、同性同士や異人種間でのあらゆる結婚を明確に法制化したもの。この可決日に婚約を発表した理由についても、T.J.ハウスは次のように明かしている。

「婚姻尊重法によって、みんなと同じ権利や機会を得られるようになります。私たちは、あなたたちと等しいことを示しているんです。これで、ライアンと私が団結し、素晴らしい人生を歩むこともできる。愛する人と婚約し結婚をする自信を与えてくれました。彼は、私が日々良い人間になれるように、そして、嘘なく生きるようにと後押しをしてくれる人です。私にはもったいないほどの人だけれど、幸運にも私のそばにいてくれる人。愛は、みんなのためにあるものだから」

そして最後に、「自分らしく生きること」への決意を綴っている。

「私の傷も、ようやく癒されつつあります。今日のような日があるからこそ、20年以上も殻に閉じ込めていた本当の自分として、前に進んでいけるのです。今日の私は、愛されています」