数々のセレブとの喧嘩や大統領選への出馬など、度々世間を騒がせてきたラッパーでデザイナーのカニエ・ウェスト(44歳)。そんな彼が、本名を「Ye(イェ)」に正式に改名したことが明らかに。驚くべきは、名字がなく「Ye(イェ)」がフルネームであること…!?

元々はカニエ・オマリ・ウェストという名前だったカニエ。今回改名した「Ye(イェ)」はカニエを短くしたもので、私生活ではニックネームとして、またビジネスでも以前から使用してきた呼称。

たとえば、アディダス オリジナルスとカニエのコラボレーションで生まれたスニーカーブランド「Yezzy」は、Yeとイエス・キリストを合わせた造語が由来していると言われていたり、2018年に発表したアルバムタイトルを『Ye』としたことも。さらに遡ると、2012年にはすでにシングル「Clique」で自身のことをYeと歌う歌詞もあった。

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Jonathan Leibson//Getty Images

また、2018年のインタビューで答えたところによれば、カニエにとってYeという名前は単なるニックネームではなく、とても思い入れのある単語なのだとか。

「Yeという言葉は、聖書で最も多く使われている単語だと思っています。聖書では『あなた』という意味なんです。だから(イェと呼ばれることで)、僕はあなたという意味になり『私たち』になる。カニエはただの『自分』だったのが、イェにはみんなの美点、欠点、そして複雑な気持ちが込められているんです」

また、「Yeはカニエからエゴを取った姿」だとも発言していた彼。改名したいことを明らかにしたのは、2018年9月のことで、Twitterで「元カニエ・ウェスト。私の名前はYeです」と発信したことが話題になっていた。

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その後、実際に法的に改名をする手続きをロサンゼルスの裁判所で取ったのは今年の8月で、書類に記載された改名の理由は「一身上の都合」。その申請が通り、晴れてYeとして法的に認められることに。

改名に合わせて新しいヘアスタイルも披露した、Ye(イェ)。Instagramのキャプションには円マークだけを投稿。英語では円がイェンと発音されることとも関係しているのかも…!?

州によって改名にまつわる法律は異なるそうだけれど、たとえばカリフォルニアでは新しい名前を全ての生活場面で名乗ることだけで、それが正式な名前になるというシステムがあるんだそう。しかし、結局は銀行などでは書類が必要となるため、裁判所に改名の申請を行うことが実際は最もシンプルな方法だとのこと。

また、詐欺目的でないことや、差別的な名前でないこと、数字を使っていないこと、などの基本的なルールは設けられているけれど、それらに従えば、どんな名前にでも改名が可能。さらに、改名の回数制限も特にはないんだとか。

こうして無事に、名字のないYe(イェ)としての改名が叶った元カニエ・ウェスト。一方で離婚申請をしているキム・カーダシアン・ウェストは名前を変更しないと言われており、4人の子どもたちもウェストという名字を名乗り続けている。