テニス界での輝かしい功績はもちろん、DV被害者への支援や性差別撲滅に対するメッセージの発信、ボディポジティブなウエア作りなど、女性の権利のために立ち上がり続けてきた、“テニスの女王”ことセリーナ・ウィリアムズ(38歳)。そんな彼女が新たに明かしたのは、長年にわたって苦しめられてきた「片頭痛」。

米ピープル誌>の取材に応え、20年近く前から慢性的な片頭痛に悩まされてきたことを明かしたセリーナ。彼女が初めて頭痛を感じたのは20代の頃。それ以来、定期的な片頭痛発作と闘ってきたのだとか。

彼女の父で、2012年までコーチを務めていたリチャードにとって、娘が太陽の光を頭に浴びただけで、なぜ頭痛が引き起こされるのか理解できなかったよう。

「膝のケガとは違って、片頭痛は他人からは物理的には見えないものなんです。そういったこともあって『お父さん、頭が痛いからプレーを中断するね』とは言えなくて。人からすれば『腫れは見当たらないし、打撲もない。頑張れ』という感じだったので、痛みを抱えながらテニスをすることには慣れました」
2020 australian open   day 5
Kelly Defina//Getty Images

理解を得られないと思い、なかなか人に打ち明けられなかったというセリーナは、時にはその痛みに苦しみながらもプレーを続けなくてはならず、本領を発揮できなかった試合もあったという。

「取材陣が試合について『何があったんですか?』と尋ねてきたときに、『片頭痛の発作があったから…』と言うことはできませんでした。私は、自分でこの問題に対処する方法を学ばなくてはならなかったんです」

また、新型コロナウイルスによるパンデミック中のストレスも、片頭痛を頻繁に引き起こす要因となってしまったと告白。

「信じられないほどのストレスでした。(コロナ禍で)多くのストレスと未知の要因、慣れないことに対処していたので、それが私の発作を引き起こし、いつも以上に多く頭痛を感じていました」

現在セリーナは、医師から片頭痛発作の際に痛みや症状を和らげることができる薬を処方されているとのこと。

2018年に娘を出産してから、これまで以上に人々の権利や平等のためにメッセージを発信してきたセリーナ・ウィリアムズ。今回の彼女の告白によって、片頭痛や生理痛など、外から見えない痛みに耐えながらスポーツや仕事を行う人にとって、少しでも周りからの理解が深まることを願いたい。