映画『アリスのままで』などで知られる女優のジュリアン・ムーア(58歳)。映画監督のバート・フレインドリッチとの間に2人の子どもをもうけており、ジュリアンは子育てをしながらも精力的に活動を続けている。そんな彼女がインタビューで語ったのは、仕事と家庭を両立している女性たちについて描かれないハリウッドの現状。

ジュリアンが業界への疑問を呈したのは「ES Magazine」のインタビューにて。彼女は今年公開になった映画『アフター・ウェディング』で、家庭を持ちながらも実業家として活躍する女性テレサを演じており、その役どころになぞらえて映画界の現状について物申した。

「実生活では、テレサのような女性にたくさん出会ってきました。自分自身で人生を切り拓いてきた女性たちです。仕事で成功をおさめ、さらに家庭を持っている人にね。それなのに、そういった女性が作品で描かれることは少ないんです。映画で描かれる“成功している女性”は、結婚をしていないことが多いように感じます。どうして“両方手に入れることは不可能”という昔話を広め続ける必要があるのでしょうか? 出世した女性は、本当に子どもを持つことができないのでしょうか。あるいは、(仕事で成功をおさめている女性は)果たして本当に不幸な結婚生活を送っているんでしょうか。」

両立をしている女性が作品で描かれることが少ないことに疑問を感じているジュリアン。さらに「#MeToo」ムーブメントについても、実際に行動に移さなければ何も変わらないとの持論を唱えた。

「この業界に、いかに男女間の扱いの差が存在しているか。(#MeTooムーブメントによって)その格差に気づいただけでも大きな変化です。でも、正直なところ、前進しているかはまだ分かりません。確かに、ドアは開きました。でも、変える努力をしなければ何も変化は起きない。例えば、『半数は女性を雇用する』と決めて行動を起こせば変わるでしょう。しかし、(ムーブメントが起きただけで)偶然的に変わっていくとは思えません」

2017年に盛り上がりを見せた#MeTooムーブメントから2年。一時的なもので終わらせるのではなく、変化のための行動を起こしていく必要がある…というジュリアンの言葉にハッとさせられた人も少なくないはず。