メイクアップのプロが語る、2024年の5大ビューティキーワード

業界で引っ張りだこのメイクアップアーティスト、パット・マクグラスいわく、「今年はクリームチークを使って水彩画のような美しさを表現したり、パウダーチークをこめかみに向かって塗ったりするなど、存在感のある頬がカムバックします」とのこと。

「ストロベリーガール」や「トマトガール」など、2023年のビューティトレンドでも濃いめのチークが重宝されていたのはご存じのとおり。入れすぎは禁物だが、適切な場所に施すことで、血色を与える以上の効果が得られる。

また、チークの良さはその汎用性の高さにある。頬骨と鼻の先に塗ればスイートな仕上がりになるし、上に向かってアイシャドウとなじませながら塗れば、人目を引くルックを演出できる。バリエーションを増やしたいなら、さまざまな色合いのチークで遊んでみるのもいい。温もりのある仕上がりが欲ほしいならオレンジ系を、涼しげでムーディな雰囲気がほしいならパープル系にトライしてみて。

写真は「ユードン チョイ」2024春夏コレクションより

「MSGM」2024春夏コレクションより

「ジョルジオ アルマーニ」2024春夏コレクションより

「ヤニナ クチュール」2024春夏コレクションより

「プラバル グルン」2024春夏コレクションより

パントン社は2024年のカラーを「ピーチ・ファズ（Peach Fuzz）」と発表したが、マクグラスによれば、ブルーが大きな脚光を浴びているそう。「2024年には、非常に多くのブルーメイクが登場すると予想しています」と彼女は言う。

2023年は「マーメイドコア」が話題になったが、その名残りは今でもある。最も簡単に取り入れる方法はアイシャドウだが、「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」や「ロバート・ワン」のショーには、明るいコバルトブルーやグレーがかったブルーのリップが登場した。

ランウェイ以外では通用しないようにも思えるが、マスカラも含め、日々自然に取り入れることも十分に可能だ。挑戦するのをためらっている人は、鮮やかなものではなく深みのあるカラーを選ぶと、より落ち着いた雰囲気に仕上げることができる。

写真は「アシシュ」2024春夏コレクションより

「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」2024春夏コレクションより

「ヴェルサーチェ」2024春夏コレクションより

「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」2024春夏コレクションより

「ロバート・ワン」2024春夏コレクションより

「ジル サンダー」2024春夏コレクションより

ツヤツヤのグロスを塗った唇は美しいけれど、ツヤツヤの肌にもまた別の魅力がある。TikTokで「グラススキン（glass skin）」が広く注目を集め定着しているとおり、最新トレンドはガラスのように輝くものだ。

「アルマーニ ビューティ」のグローバルメイクアップアーティストである上田裕美は、「私のお気に入りのひとつは、グレーズをまとったようなルックです。ツヤのある肌、整えられた眉、繊細なマスカラを施した、輝きを放つようなメイクアップです」と話す。

セレブ御用達のメイクアップアーティストであり、コスメブランド「ウェストマン アトリエ」の創設者でもあるグッチ・ウェストマンもこれに同意。「ツヤ肌は私もハマっています。おでこにも少しツヤがあるのが好きです」と述べている。

なおパット・マクグラスは、「メゾン マルジェラ」の2024年春夏クチュールコレクションでモデルたちの肌をまるで陶器そっくりに仕上げ、このトレンドがどこまで発展できるかを見せつけてくれた。

写真は「バルマン」2024春夏コレクションより

「プラダ」2024春夏コレクションより

「JWアンダーソン」2024春夏コレクションより

「ブルマリン」2024春夏コレクションより

「ジマーマン」2024春夏コレクションより

前に進むためには、ときにクラシックを振り返る必要があると言われるが、今シーズンの赤リップの復活がまさにそれ。しばらく使っていないなら、そろそろ手を伸ばすときかもしれない。

必要なのはタイムリーにアップデートすることだけ。かのテイラー・スウィフトも、クラシックな赤リップが旬を迎えていることを理解しているようで、グラミー賞授賞式でもシグネチャーである赤リップで登場していた。そのほかオリヴィア・ロドリゴやラバーン・コックス、ジャミーラ・ジャミルなどのセレブも赤リップを採用した。

今季は「アレキサンダー・マックイーン」、「ミュグレー」、「スキャパレリ」などのブランドが、赤リップが永遠の洗練の象徴であることを改めて表明している。主張するならマットなリップ、華やかに仕上げるならグロス、繊細に仕上げるならリップステインを使おう。

写真は「アーデム」2024春夏コレクションより

「アレキサンダー・マックイーン」2024春夏コレクションより

「スキャパレリ」2024春夏コレクションより

「キャロリーナ ヘレラ」2024春夏コレクションより