幸せな気分にさせてくれると言われ「幸せホルモン」とも呼ばれる、オキシトシン。でも、どうすれば幸せホルモンは出せるの? 産婦人科医の丸田先生に伺いました。

-幸せホルモンことオキシトシンはどんなホルモン?

オキシトシンはポジティブな感情に結びついている

医学的には、母乳を出すために働いているホルモンです。では、なぜオキシトシンが幸せホルモンと呼ばれているかというと、嬉しい、楽しいなどのポジティブな刺激を受けた時に、神経へ伝えるために出てくる伝達物質でもあるからです。人間のカラダには、「オキシトシンが出ている=ポジティブな状態である」とインプットされています。

-そのオキシトシンはどうすれば出やすい状態になりますか?

個人差はありますが、信頼できる人に触れること

分泌されるオキシトシンの量や濃度に関しては、個人差がありますし、具体的にこれぐらいとは明言できませんが、もっとも出やすいと言われているのは、リラックスした状態で、信頼できる人に触れている時です。これは人でなくても、動物でもOK! 触り心地のいいブランケットや、大好きなぬいぐるみに触れるとリラックスできるという人は、その時にオキシトシンが出ている状態ではあります。ただ、より効果的なのは、物ではなく、生き物とコミュニケーションをとっている時。会話をするだけでもいいのですが、皮膚の接触があるほうが多く出ると言われるのでボディタッチやハグなど、触れ合うほうがベターです。

-片思い中の彼にボディタッチをすると実りやすくなる、なんてこともあるのでしょうか?

オキシトシンの感じ方には男女差があるから要注意

好きな人へのボディタッチは効果的ですが、お互い信頼し合っていることが前提です。そして、オキシトシンが出ているとポジティブな状態にあるという認識は男女で差はありませんが、その感じ方は異なります。オキシトシンが出ている女性は、好き、愛おしいと、恋愛感情を抱きやすいのですが、男性は居心地よく感じリラックスしていても、恋愛的な感情を抱くことは女性より少ないのです。例えば、ワンナイトを経験した時、お互いにオキシトシンが出ていたいい状態だったとした場合、女性はそこから相手を好きになることがあっても、男性は女性よりも相手を好きになりにくいです。片思いの彼とのコミュニケーションを増やすことで、必ずしも成就しやすくなるとは一概には言えませんが、効果的なことではあります。

オキシトシンの感じ方には男女差があることと合わせて、気をつけたいのは、慣れや飽きによって出るオキシトシンが少なくなる可能性があるということです。ポジティブな刺激も毎日経験すると慣れてしまいます。

ですから、男女関係以外でも、動物が好きな人は公園でペットを見たり、子ども好きな人は友達の子供と触れ合ったり、それに女子会などの信頼感を持った仲間内で話すことなどでもオキシトシンが刺激されますので、変化をつけたり意識したりしながら、楽しんでくださいね。


丸田佳奈先生

産婦人科医。テレビ、雑誌などのメディア出演をはじめ、幅広く活躍中。著書に『キレイの秘訣は女性ホルモン』(小学館)などがある。