儀式やファッションとしてだけでなく、意味や願いを込めることも多いタトゥー。そんなパーソナルな存在のタトゥーを街角の美女たちに特別に見せてもらいました♡
タトゥーの意味/どこにいても繋がっている姉妹の絆
教会の鐘の音が鳴り響くサンシュルピス広場で、読書をしていた美女を発見! フリーのジャーナリストとしてファッションに関する記事を執筆する傍ら、ウェイトレスのアルバイトをして生活費を稼いでいるというクレアさん。そんな彼女の夢に向かって突き進むパワーの源は、タトゥーに刻まれた大切な人なんだとか。
「2年前にロンドンに留学していたときのことなんだけど、実家から妹が生まれたというニュースがあって! そこで、自分なりのお祝いの方法として、まだ見ぬ妹、そしてしばらく会っていなかった4歳年下の妹と私の、3姉妹の絆の意味を込めて三本の線を入れたの。だから、このタトゥーを見ると妹と繋がっている気がして、エネルギーが湧いてくる!」
タトゥーの意味/感動した小説を読んだ時の気持ちを、いつまでも胸に
肌寒い朝にサンジェルマン・デ・プレ界隈のカフェで、コーヒーを飲んでいたイタリア人のマルティナさん。ジュエリーブランドの創設者の彼女は、拠点とするパリの街で日々インスピレーションを探しているんだとか。いくつもあるタトゥーの中で1番お気に入りなのは、腕に刻まれたクジラのデザインだそう。その意味とは…?
「アメリカの小説家ハーマン・メルヴィル著の『白鯨』にインスピレーションを受けたの。巨大な白いクジラを巡る船員たちの闘いの話なんだけど、自然と人間を力強く描いたストーリーに衝撃を受けて。このタトゥーを見るたびに、本を読んだときに感じた『自分らしさを大切にして生きていこう!』という想いがよみがえるの」
タトゥーの意味/世界的シャンソン歌手へのオマージュ
オシャレな雑貨屋さんが軒を連ねる通りで、ウィンドウショッピングを楽しんでいたエレンさん。撮影中もジョークで楽しませてくれ、軽快な雰囲気が魅力的な彼女。お気に入りのタトゥーはと聞くと、どうやら歌の歌詞だったようで「Mes Amis, Mes Amours, Mes Emmerdes(友達、愛、問題)~♪」と曲を口ずさみながら、腕に刻まれた文字を見せてくれました。
「今年の5月にタトゥーを入れようと考えていた時に、世界的シャンソン歌手のシャルル・アズナヴールがもうすぐ93歳の誕生日を迎えると知って。彼の歌は小さなときから聴いていたから、オマージュを込めて彼の名曲『Mes Emmerdes』の歌詞の一部を刻んだの。タトゥーアーティストは、一緒に私の計画を親身に考えてくれる人を探したわ。タトゥーは身体に刻まれた身分証明書のようなもので、とても特別な印。真剣に考えてくれる人に出会うまで、妥協は一切しないの!」
タトゥーの意味/尊敬するタトゥーアーティストからの置き土産
サンジェルマン・デ・プレ界隈を歩いていると、一見ヘアサロンと間違えてしまいそうなガーリーな雰囲気のタトゥー専門店を発見。お店の名前は、その名も「Désolée Papa(パパ、ごめんね)」。パリジェンヌのエスプリが感じられるこのお店のオーナー兼タトゥーアーティストのエヴァさんに、直撃しました。星の数ほど身体にタトゥーがある、という彼女が選んだとっておきのデザインとは?
「以前、遠方から私のお店にゲストとしてタトゥーアーティストを招いたんだけど、彼女が帰ってしまう15分前に『記念に私にもタトゥーを入れて!』と、超特急で刻んでもらったのがこのタトゥー。彼女をアーティストとして尊敬していて、一緒に仕事ができた時間が思い出深かったから、これはそんな彼女との思い出なの。タトゥーは"宝物"を身体に刻むこと。私にとっては宝石や、大好きなおばあちゃんのバッグと同じような意味合いなの」
タトゥーの意味/現在進行形のアートプロジェクトにちなんで
学校でアートや建築を勉強し、創作活動に励んでいるというアンヌリーズさん。ギャラリーから出てきたところを、直撃しました。一生懸命自分のアートプロジェクトを説明してくれた親切な彼女が、タトゥーに込めたメッセージとは?
「私にとって、『なぜ泣くのか』という感情を知ることは、とても興味深いこと。それで今、"涙"をテーマにしたアートのプロジェクトを友達と制作中なの。そんな中で感じるのが、1人で泣かずに誰かに話して気持ちを共有することがとても大切だということ。そんなふうに涙について考えを巡らせるため、このタトゥーを入れたの」
タトゥーの意味/気分を一新したい!
ミニスカートからチラリと見える、カラスのタトゥーが最高にクールだったヒンドさん。マレ地区のヴィンテージショップでショッピング中だったところをキャッチ! 太ももに刻まれた大きなタトゥーは、過去を忘れるための決意の表れなんだそう。
「前の彼氏と別れたときに、自分のファッションスタイル、髪形などすべてをかえたい気持ちになって。そんな時に、ちょうどロサンゼルスから有名なタトゥーアーティストがパリに来ると知って、大きなタトゥーを入れてもらうよう連絡したの。カラスは一般的にネガティブなイメージがあるけど、実は3本足のカラスは、ある文化では神聖な存在だと言われているの」
タトゥーの意味/『自由』を求めた理想の恋愛哲学
友達とカフェのテラスでコーヒーを飲みながら、始終笑顔でジョークを交わしていた姿が印象的だったレアさん。寒い中でも躊躇せずにトップスをめくって見せてくれたタトゥーには、彼女の恋愛哲学が刻まれていました。
「このタトゥーは、私が理想とする男性と女性の関係を表しているの。左の手は女性の手、右は男性の手なんだけど、絡ませることはなく、お互い自分を保って、手を重ねている。私にとって、『自由』は男女関係において大切なこと。彼のことは愛するけど、自分を忘れるほど深入りはしない。タトゥーアーティストに会うためにオーストリアまで行って、その考えをこのデザインで表してもらったの」