人気スタイリストのジェイミー・ミズラヒ氏にとって、「シューズ」はスタイリングを仕上げるためのカギなのだそう。ジェニファー・ローレンスやジェシカ・アルバ、ライリー・キーオといった俳優たちのスタイリングを手がける彼女は、「着こなしに興味をもってもらえるようなシューズを選ぶようにしています」と話します。

そしてミズラヒ氏とセレブたちの間で、改めて感じていることがあるそう。それは、「マノロ ブラニク」のミュールこそ、スタイリングの仕上げにふさわしいのではないかということ。

「メイセール」ファンのセレブたち

「マノロ ブラニク」のキトゥンヒール(3~5cmの低めのヒールの靴)のミュール、「メイセール(Maysale)」を愛用しているのは、先述した三人の俳優たちだけではありません。プライベートでの外出や仕事はもちろん、ストライキを続けるSAG-AFTRA(米映画俳優組合)の抗議活動に参加するときにも、多くのセレブたちがこのシューズを着用しています。

たとえばここ数カ月の間にも、負傷兵らのための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」にワントーンでまとめたパンツルックで姿を見せたメーガン妃が、ライトキャメルの「メイセール」を着用しているほか、自身のスキンケアブランド「ロード(rhode)」のイベントに“リトル・ホワイト・ドレス”で登場したヘイリー・ビーバーが、レッドの「メイセール」を合わせていました。

またモデルのソフィア・リッチー・グレインジは、ブラックの「メイセール」をはいてイベントに出席。2023年9月にニューヨークコレクションのショーを観覧した際には、バレエシューズタイプの「バレリーム(Ballerimu)」を着用たことも。

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「メイセール」を着用し、ヘンリー王子と並んで歩くメーガン妃、2023年9月撮影
celebrity sightings in new york september 8, 2023
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「バレリーム」を着用するソフィア・リッチー・グレインジ、2023年9月撮影

「メイセール」の魅力

1990年代、そして2000年代初めにトレンドとなった「メイセール」は、小さなヒールと洗練されたバックル付きのシルエットが特徴。デザイナーのアイザック・ミズラヒ氏が1991年に自身のブランドのショーのため、ピルグリム風のバックルがついたミュールの制作を依頼したことで誕生しました。

それ以来、ニュートラルなカラーのスエードタイプや、コントラストの効いたバックルを使ったタイプなど、シーズンごとに新作が発表されています。

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ヘイリー・ビーバー、2023年8月撮影

ヘイリー・ビーバーなどを担当するスタイリストのカーラ・ウェルチ氏は<アメリカ版 ハーパーズ・バザー>に対し、各地でコレクションが発表される時期は、特に「マノロ ブラニク」のミュールをスタイリングすることが多い、と話します(パンプスの「メリージェーン(Mary Jane)」も評価が高いそう)。

では、「マノロ ブラニク」のミュールは、どのような場に最もふさわしいのでしょうか? これに対し、ウェルチ氏は「あらゆる場面です! 」と回答。使用できる場面は、「本当に幅広い」と言います。

「メイセール」が新たな世代を生きる感度の高い人たちに受け入れられている現状は、デザイナーとしてのマノロ・ブラニク氏にとって、すごく“特別”なことなのだそう。そして「メイセール」を履くうえで大切なのは、決して外見的なことだけではないと話します。

「ミュールを履いて歩く女性の足音が大好きなのです。このミュールは私が手がけるもののなかで、最もセクシーなシューズのひとつです」
a woman in a white dress
Courtesy of Instagram @rosiehw
自身のSNSで「メイセール」を着用するロージー・ハンティントン=ホワイトリー、2023年9月撮影

洗練されたデザインの「メイセール」は、タイムレスな魅力でファッションの歴史を表しています。さらに、ミズラヒ氏は次のように述べました。

「長く使えるものが求められていると思います。(中略)その本質は、まさに“クワイエット・ラグジュアリー”です」
※素材や作りの良さを引き立てる上質な装いをするトレンド

2023年の今、「メイセール」が受け入れられているのは、それが一時的なトレンドだからではないはず。30年以上前から続くその人気は、今後も衰えることがないでしょう。

From: Harper's BAZAAR JP