筋肉を緩ませることで顔のシワを目立たなくさせるボトックス注射は、その手軽さから欧米で人気の美容整形術。

中には試しやすい価格帯のものもありますが、だからといって知識がないままに安易に施術を受けてしまうのは危険。どのようなリスクが伴うかをしっかり認識したうえで決断することが大切です。

そこで本記事では、とあるインフルエンサーが投稿したボトックスの失敗談を、<コスモポリタン イギリス版>よりお届けします。

「6カ月に1回程度の頻度で定期的にボトックス注射を打っていた」と話すのは、アメリカ・シカゴ在住のライススタイルブロガー、ホイットニー・ブーハさん。あるとき、いつも通り施術を受けたところ、数日後に左の眉毛の位置が右よりも少し低いことに気がついたんだそう。

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ホイットニーさんは状況を施術者に連絡し、指示のもと6日後に施術先へ戻ることに。

「本来はこの時点で2週間ほど様子を見る必要があったことが、後に別の専門家からの指摘によって判明しました」
「最初の施術から6日しか経っていなかったのに、施術者はボトックスを眉毛の下に追加しました。これが正しい判断ではなかったことも後から知りました。その理由は、間違った筋肉に注射されると、まぶたが垂れ下がった状態(眼瞼下垂)になるからです」
「案の定、施術の4日後にまぶたが垂れ下がっていることに気づき、ボトックスの効果も相まって、1週間後にはさらに悪化してしまいました」

ボトックス注射によるまぶたの反応について、眼科専門の大学「The Royal College of Ophthalmologists」の校長でもあり、眼科医コンサルタントでもあるバーニー・チャン先生は次のように解説。

「まぶたを開くときは2つの筋肉が働き、閉じるときは、まぶたの周りの円形の筋肉が働きます。これらの筋肉のバランスが、まぶたが開いているか閉じているかを決めるのです」
「ボトックスは神経を麻痺させることで、筋肉を弛緩させ、顔のシワの緩和を促します。ボトックスが、間違った場所に打たれてしまうと、間違った筋肉が弛緩され、今回のように眼瞼下垂が起こってしまうのです」

ボトックス注射のリスクを知らないままに打ち続けてきてしまったというホイットニーさんは、その後の経過についてもシェア。

「はじめの2週間が、最も辛かったです。左目がどんどん悪化したので。3週間ほど経ってから、少しずつよくなりました。副作用は一生続くという人もいれば、そんなことはないという人まで意見は様々でした。今は、回復への希望を持っています」

チャン先生によると、このようなボトックスによる眼瞼下垂は、頻繁に起こることではないそう。しかし、万が一経験することになったとしても、「パニックにならないことが大切」とのこと。

「多くの場合は、一時的なものです。ボトックスの持続期間は短く、通常は3カ月程度です。注入してから、24時間後に効果を発揮し、5〜7日後に最大限の効果に達したのち、3カ月程度続きます。もちろん時間とともにボトックスの効果は薄れていきます」
「眼瞼下垂はほとんどの場合、目は見えますし、生活はできます。ボトックスと逆の効果を持つ注射はありませんが、ある程度効果のある目薬は存在します。視力を失うほどまぶたが垂れ下がってきた場合は、医師に処方してもらえるかもしれませんが、基本は辛抱強く回復を待つことが大切になります」
「ボトックスは毒素です。薬剤なので、残念ながら副作用があることもあります。腕のいい先生であれば施術を失敗することはあまりありませんし、眼瞼下垂を心配しすぎる必要はないと言えるでしょう」

同じような経験をする人が少しでも減るようにと願うホイットニーさんは、ボトックス注射を受けるときのアドバイスも発信。

「眼瞼下垂などのリスクを懸念している人は、事前に念入りなリサーチをして決めた方がいいです。施術者を選ぶときは、肩書きよりも、経験値や顔の解剖学に関する知識を重視しましょう」

※この翻訳は抄訳です。

Translation: Haruka Thiel

COSMOPOLITAN UK